繊細なトンボは ― 2012/10/02 19:48
これ迄草薮で出会う事が殆どでしたが、この日は小さな池の水草で翅休め中でした。
水場にやって来た目的は多分繁殖活動だなと推測して・・ 10月2日に再びこの池を訪れたところ、ずばり的中でした。
産卵の為につながったカップルを目にすることが出来ました。
上方オスがメスの首根っこをがっしりと押さえ込んでいます。
これはトンボの多くに見られる繁殖活動時のポーズです。
しかしこのカップル、ここから飛び上がる気配が一向にないのが一寸おかしい。 別の角度からじっくり観察してみたら、ここに留まる理由が判りました。
下方メスのお尻の先が葉の表面にぴたり密着しています。
産卵場所は、この水草そのものだったと言う訳。
葉っぱの上に連なっている白っぽい点々は、卵を産みつけた痕跡だったんですね。 別のトリミング画像で、メスの産卵管部分を確認して見ます。
針状の黒い突起が葉っぱに突き刺さっています。
こうして明けた穴に、卵を一個一個埋め込んでいく緻密な作業の繰り返し。
アオイトトンボの容姿はとても繊細。その繁殖活動も限りなく繊細です。
※9/30と10/2に都内で撮影
愛用の木にて ― 2012/10/03 21:22
この日は常連のアカボシゴマダラがやって来ていました。目的は樹液の摂取。
しかし今年はこの木に限らず樹液の沁みだし量が芳しくない様です。
樹液を好む昆虫にとっては、不満足なまま秋を迎えてしまった感じでしょうか。
この蝶もほんの僅かの樹液を苦労して吸い出している様に見えました。 樹液の噴出量は少ないけれど、木の生命力自体は旺盛。
幹の数カ所から緑の若芽がにょきにょき生え出していました。
その若芽で目にしたのがアオバハゴロモ。
若芽の色と見分けが付きにくいのですが、左側にしっかり止まっています。 更に接近して見るとこの通り。
口吻を若芽に突刺して汁を吸い出している最中でした。
この画像の注目点はもう一つ。ぼけていますがハゴロモの右側に丸い卵がひとつ。
この木の葉を好んで食べるアオスジアゲハの卵と推測しました。 それを実証するのがこの画像。
近くの若芽の葉にいたアオスジアゲハの幼虫です。他にも数匹を確認出来ました。
今の時期に卵や幼虫と言うことは年内の羽化は無理。蛹での越冬になると思われます。
その様子もぜひ目にしてみたいものです。
※10/2に都内で撮影
秋はブルースカイ ― 2012/10/04 19:15
繁殖活動活発化 ― 2012/10/05 21:29
今日目にしたのはギンヤンマの産卵でした。
水草から水草へ・・せわしなく場所を移しながら産卵を繰り返していました。
夏の日を精一杯に生きたこのトンボにもそろそろリミットが迫っている様です。 同じ池の枯れ茎にアキアカネのオスが止まっていました。
繁殖行動を共にするメスを今や遅しと待ち構えている感じ。
この分だと、おつながり状態のカップルを目にするのも間近と思えます。 カマキリたちの産卵行動がいよいよスタートしました。
これはハラビロカマキリの卵のう。
産卵に選んだ場所は、背丈を伸ばし始めたセイタカアワダチソウでした。
現時点では緑色との対比で目立ち過ぎですが、やがて枯れ色に変われば・・
秋のその先の冬を見越しての場所選びなんだと思います。 このオオカマキリに関しては、繁殖行動はもう少し先の話みたい。
葉っぱの上でのんびりしていました。
カマキリと言えば、勇ましく鎌を構える姿がイメージなんですが・・
そればかりじゃ疲れる。たまにはこんな風にくたーっとしなきゃって言う事かも。
※10/5に都内で撮影
木立の奥で ― 2012/10/06 20:03
日陰を求めて木立の中に逃げ込みました。そこで目にしたものは・・
▲まず目に入ったのがこれ。良く見たら、そこらじゅうにびっしり。
まさに豊作って言う感じ。でも食べられるかどうかは慎重に検討が必要です。
どうやらこれは毒キノコ・テングダケの一種らしい。
さてその効能(?)はと言うと、下痢、嘔吐、幻覚と連なるから何とも恐ろしい。 キノコは、目で見て秋本番を感じるだけに留めておいた方が良さそうです。
形を楽しむと言う事に限れば、中々見応えのあるキノコだと思います。
これは傘が開く前の状態。結構チャーミングですよね。 これはほのぼのタッチの母子像かな・・ キノコだらけの林床でぴんと飛跳ねる物あり。
そーっと後を追ってみたらこれ・メスのハラオカメコオロギでした。
子供の頃は家の中、外を問わずごく普通に出会えた昆虫でした。
しかしコンクリートだらけの今は・・
懐かしい秋に出会えた気がして嬉しくなりました。
●10/7記:ご覧頂いた方からのご指摘でコオロギの名前を訂正しました。
ご教示ありがとうございました。
※10/6に都内で撮影