緑萌える草原で・・ ― 2013/04/06 23:13
人にとっては嬉しくない雨も、伸び盛りの自然には何よりの恵みとなっている筈です。
草原の草も目覚ましい繁殖ぶりを見せています。これは緑に染まるスギナの繁み。
今にも降り出しそうな曇天の下でも、これだけの鮮やかさで目に迫って来ました。 緑の中で見る紅一点。
鮮やかなコントラストを見せていたのは、アジアイトトンボ未成熟な雌。
成熟すると草に紛れる色に変わりますが、今の体色は余りに目立ちすぎです。
宿敵の目を逃れる為、周囲の環境に溶込む色をまとうのが、昆虫界の習わしの筈。
最も弱い立場にある幼体の今、その逆を行っているとは・・かなり謎な生態です。 何しろこの目立ち方です。
目のいい宿敵から見れば、一発ですね。 幼い頃から、周囲の色に溶込む擬態の常道を行っているのがキリギリスの仲間。
とにかく小さいし、体色も草そのものなので、簡単には見つけられません。
これだけ見事な擬態なら、揃って成虫になれる筈なんですが、そう言う訳でも・・
今、多数を目にしますが、成虫になれるのはその内の極く僅かって言う感じ。
見事な擬態だけでは乗り切れない自然界の掟が存在している様です。
(ヤブキリの幼虫)
※4/6に都内で撮影
お日様マークがずらり ― 2013/04/08 22:53
予報では明日以降もお日様マークがずらり。
浜辺の公園も、穏やかな春の陽射しを楽しむ人で賑わっていました。 他のサクラに比べ、数テンポ遅れで見頃を迎えるヤエザクラ。
明るい陽射しの下、薄紅色の輝きを見せていました。
枝にびっしり付いた様子は豪華絢爛なんですが、注目度は今ひとつの様にも・・
時期遅れって言うのはかなりのハンデとなってしまう様です。 季節は次に向かって着実に進み始めています。
ウメの実もうっすらと色づき始めていました。
この実を目にすると、やがて来る雨の季節の事が思い浮かびます。 雨の季節の主役と言えばなんと言ってもアジサイ。
葉っぱは既に青々と繁り始めているのですが、その中心部に注目。
まだまだ小さいけれど、花の蕾の塊がのぞかせていました。
この小ささからすると、見事に花開くのはまだ大分先の事と思えます。
晴れ日大好き人間としても、雨の季節は出来るだけ先延ばしにして欲しい気持ちです。
※4/8に都内で撮影
緑に染まる草原で・・ ― 2013/04/09 21:36
その緑色の中に多く点在するタンポポも、こんな姿を見せる様になりました。
風の強さを利用して種子をばらまき、更に縄張り範囲を広げようと言う算段。
野に咲く花のバイタリティを感じさせる光景です。 これ迄地面すれすれに咲く姿ばかりだったオオイヌノフグリも様変わりしました。
周りの草が背丈を伸ばすのに負けまいと、必死に背伸びをして咲いていました。
しかし背伸びをするのにも限界があります。
長く目を楽しませてくれたこの花にも、もうすぐ終焉の時が訪れる筈です。 今、数を増やしているのが、ヘラオオバコ。
ひょろひょろっとした長い茎の先に付いている槍の先みたいのが花。
ゆらゆら風に揺れる姿はかなりユニークです。
その様子を撮影していたら、何となく違和感が・・
花の上に何かが乗っているのに気づきました。 花にしがみついていたのはこれ。目にも止まらぬ程小さなヤブキリの幼虫でした。
今の時期の主食は花。全然らしくない形のこの花も、幼虫はしっかり見逃しません。
早く大きくなる為には、どんな花でもえり好みせず食べなくちゃって言う事みたい。 細長い草の葉を伝い飛びしていたのは、アジアイトトンボの雄。
体色が赤い雌には、既に出会っていましたが、雄を見るのは今日が初めてでした。
緑が濃さを増すにつれて、草原の主役達も続々とデビューし始めた様です。
※4/9に都内で撮影
若葉の頃に・・ ― 2013/04/10 21:01
個性豊かな若葉色の競演。活気溢れる眺めに目を惹き付けられてしまいます。 若い緑との対比で一際生彩を放っているのが、ハナミズキの花。
ここ数日の間に、一気に花盛りになっていました。
粒々の花自体は地味ですが、それを包む総苞の薄紅色が実に爽やか。
今の時期の空気にぴったりマッチしている色合いです。 サクラは、花の時期から若葉の時期に、急速に衣替え中です。
枝にはいかにも柔らかそうな葉がすずなりでした。
この時期になると、必ず登場するのが一寸風変わりな昆虫・ナナフシ。
目を凝らしたら、やはりいました。何とも華奢な体形がこの昆虫の特徴です。
風に吹き飛ばされまいと、脚を目一杯に開いて踏ん張っていました。
ちなみに、上方が頭です。 ナナフシが好むのは、とにかく柔らかな葉っぱ。
今の時期のサクラの葉は勿論ですが、その他でも柔らかければ何でも言うことみたい。
この個体はエノキの若葉に張り付いていました。
今日は風が強かったのでこんな姿ばかりでしたが、動作の一つ一つが面白い昆虫です。
風のない穏やかな日に、再び出会いたいと思います。
※4/10に都内で撮影
かなり風変わりなのも ― 2013/04/11 23:34
草原に咲く野の花、花壇の花、そして樹木の花。
それぞれが個性豊かに見る人の目を楽しませてくれます。 中には ”これが花かい?” って首をひねりたくなる様な物も・・
今盛りの時を迎えているクロマツの花も相当風変わり。
ひょろひょろと伸び上げっているこれは雌花。まるでサボテンみたいです。 先端部に付いている赤い部分を見ると、確かにこれも花かなと思えるのですが・・
形から察しがつく通り、この部分がやがて御馴染みのマツボックリに変身します。 ギョリュウ(タマリスク)の花もかなり風変わりです。
まだ蕾の段階ですが、枝全体を埋め尽くす感じのボリューム感で目に迫って来ます。 接近してみるとこの通り。
秋に咲く野の花・イヌタデが一足早く枝に乗り移った感じでしょうか。
さてこれが花開くと一体どんな眺めに変るのか、楽しみに待ちたいと思います。
※4/10と4/11に都内で撮影