梅雨晴れの日の過ごし方 ― 2013/06/06 20:51
青葉繁れる頃に ― 2013/06/07 20:43
青葉繁れる頃を実感する眺めを随所で楽しむ事が出来ます。
繁茂する緑の中、様々な昆虫たちの活動も活発になって来ました。
ノブドウの葉にいたこれはアカガネサルハムシ。ブドウにとっては恐るべき害虫です。
でも、観察する立場からすれば、実に魅力的な甲虫と言えます。
正に動く宝石とも言えるこの色合い。出会う度にうっとり見とれてしまいます。 超小形のタマムシって言う感じでしょうか。
見る角度によって、微妙に色合いが異なって見えます。
でもその色の変化を楽しもうと、余り接近しすぎるのは禁物。
こちらの動きを察知して、ぽろっと転げ落ちて姿を隠してしまいます。 緑に映える蝶と言えば、このベニシジミもかなり高ランクに位置する筈です。
夏型の黒っぽい翅色を持つ個体を見かける様になって来ました。
梅雨晴れの陽射しを浴びようとゆったり翅を開いて休息中でした。 他の昆虫にとって油断大敵な奴がいよいよ登場しました。
オオカマキリに遅れて誕生したハラビロカマキリの幼虫。
まだ小さくて風に吹き飛ばされそうですが、この先急速に成長して行く筈です。 今日も居ました!不思議昆虫・ナナフシ。
大きなクズの葉の上を、ゆらゆらふらふらと歩行中。
どじをやって、木の上から転がり落ちでもしたのかなと思ったのですが・・ その推測は外れ。ちゃんと目的を持ってこの葉にやって来た事が判明しました。
ゆらゆら歩行をやめて、むしゃむしゃと葉っぱを食べ始めました。
細い身体に似合わない感じの見事な食いっぷりでした。
クズの葉に残された食い跡は、コフキゾウムシの仕業だけではなかったんですね。 植物の成長と共に、恐ろしいくらいに数を増しているのが害虫アブラムシの仲間。
それに連れて、多忙を極め始めたのが、各種テントウムシの仲間です。
今日はナナホシテントウを特に数多く目撃しました。
小さいけれど、生きた農薬とも称される頼もしい奴。繁忙期はこの先も続きそうです。 昼間に活動する姿ばかりでしたが、珍しく夜寝込んでいる姿をキャッチ出来ました。
場所は、集合住宅の廊下のコンクリート壁面。
緑の草の中で眠っているとばかり思っていたのですが、意外な場所での出会いでした。
こう言う場所の方が落ち着いて眠れるのかも知れませんね。
※6/7に都内で撮影
汗をかきかき・・ ― 2013/06/08 21:44
強い陽射しの下、汗をかきかき、何時もとは違う場所で昆虫観察を行いました。
▲梅雨の雨が似合うかどうかは判りませんが、この脚長昆虫の名前はツユムシ。
まだ幼虫体形ですが、翅が生え始めており、お尻には産卵管も確認出来ます。
夏草に止まるスマートな成虫の姿を目にするのも、そう先の事ではない筈です。 同じツユムシ科ですが、サトクダマキモドキの幼虫はまだ赤ちゃん状態。
小さい上に、周囲の緑に融け込む体色なので、殆ど存在感ゼロって言う感じ。 昆虫の多くは、環境色の緑に巧妙に融け込む作戦ですが、中には逆を狙う物も・・
今の時期に多く見られるハムシの仲間には結構派手な体色の物が見受けられます。
これはアジサイの葉にいたキベリクビホソハムシ。
警戒色とも言える黄色と黒の組み合わせで、小粒ながら目立ち度は抜群でした。
相手をどきっと驚かして撃退する作戦でしょうか。 真っ赤な体色を持つベニイトトンボ(オス)。
緑色に染まる草地の中で見る紅色は、より一層鮮明に感じられます。
数的にはまだ多くはありませんが、今年も順調に誕生している様で一安心。 同じく順調に誕生中なのが、カマキリの仲間。
オオカマキリに続いて、ハラビロカマキリも登場し、賑やかになって来ました。
今日出会った幼虫はもう既に一丁前。
カメラの接近に気づいて、お尻をくいっと曲げる威嚇ポーズを見せてくれました。
まだ超ミニサイズですが、気の強さだけは既に成虫並みの様です。 緑の草地に彩りを添えているのは、薄紅色のヒルガオの花。
アサガオに似た優しげな花形が魅力です。その花に潜り込んでいたのが、中型のハチ。
シベの部分に、ぶっちゅーっとキスをしているみたい。
動きがないところを見ると、このまま寝込んでしまったのかも・・
何とも微笑ましい光景ではありました。
※6/8に都内で撮影
夏日を記録した日に・・ ― 2013/06/09 21:32
水気を多く含んだ泥地に降り立っていたのはナミアゲハ。
暑い日に、蝶の多くが見せるミネラル分補給を兼ねての吸水行動です。
空梅雨と言う特殊事情はありますが、もうそんな時期になったんだなと思いました。 葉を繁茂させたタブノキの木陰は、陽射しを避け一息つく場所として最適でした。
そこで目に飛び込んで来たのがこれ。幹に取り付いている見慣れたシルエット。
今季は特に目撃する機会が多いホシベニカミキリでした。
樹皮を食い荒らして、その窪みに穴を掘り卵を産みつける習性のカミキリです。
今日も黙々とその作業を続けていました。 同じ木の別の個所に大きな食い跡が残されていました。
この様な長円形に近い形状が、ホシベニカミキリの食い跡の特徴です。
窪みの周囲が、ほぼ均一な寸法で丁寧に面取られています。非常に芸が細かい。 木の上では芸が細かい事をやる割には、木を離れると途端に駄目になるカミキリです。
これは6/1に見た個体。木から転げ落ちたのか、草の葉で四苦八苦しているシーン。
草地で出会うと、いつもこんな感じの姿ばかり。落差が結構激しい。 クズの葉に盛大な食い跡を残す小さな大食漢・コフキゾウムシ。
食い気だけではなく、色気の方も相当だねって言う感じ。
これは一匹のメスをめぐる争いのシーンです。正につばぜり合いの様相。
何もこう迄しなくても、メスは他にも沢山いると思うのですが・・ 小粒なヒメカメノコテントウは食い気優先。
小さな身体に似合わぬ猛烈な食欲でアブラムシを捕らえていました。
捕食の名手・ナナホシテントウも顔負けって言う感じ。
※6/9に都内で撮影(ホシベニカミキリの参考画像は6/1に撮影)
梅雨時の幼虫観察 ― 2013/06/10 20:44
明日以降は雨の降り出しもありそうです。
これで季節の歩みも少し正常に戻るのでしょうか。 とにかく異常とも言える梅雨晴れ続き。続々と誕生した幼虫の生育への影響は?。
余計な心配かも知れません。今のところ揃って元気な動きを見せています。
これはオオカマキリの幼虫。小さいけれど一丁前の威張り方で草地を徘徊中。 ベッコウハゴロモの幼虫もぼちぼち姿を見せ始めました。
カマキリ幼虫は、成虫時の姿を想像出来る形ですが、この幼虫の場合は全く無理。
何よりお尻に生えたブラシ状のもじゃもじゃがユニークです。
これは落下傘の機能を持ちます。だからこんな危ない所でも平気なんですね。 ぴんぴん飛び跳ねるコバネイナゴの幼虫。
イネ科の植物の生育に時を合わせて、いま続々と誕生中です。
これは大きな目に焦点を合わせての接写。いかにもキカンボウそうな目つきです。 前に回ってみるとこの通り。横から見た時とは全然印象が違います。
気が弱そうな垂れ目で、接近するレンズを怖々と覗き込んでいました。
幼虫の面白顔ランキングがあるとすると、結構上位ではないかと・・ 蝶の幼虫はいわゆるイモムシ形で、成虫時の姿とは関連性が皆無です。
いまタブノキやクスノキの若葉で多く見られる鳥の糞みたいなこのイモムシは?。
答えはアオスジアゲハの幼虫。
黒地に閃光みたいな青緑の斑紋が光るあの格好いい蝶の幼年時代がこれとは・・
イメージギャップの凄さを楽しむのも幼虫観察の楽しみです。
※6/9と6/10に都内で撮影