綿から生まれた2013/07/17 22:03

綿から生まれた
最近木の枝や幹に白い綿状の物質がびっしりまとわりついた光景を良く目にします。
何だろうね?って言う感じですが、実はこれも昆虫の仕業なんです。
この綿を見つけたら、辺りを探ってみると面白い。
アオバハゴロモの成虫
近くにこれが止まっている可能性が大。その名はアオバハゴロモ。
名前のとおり、薄緑色の大きな翅を持つ吸汁性の昆虫です。
あの白い綿は、この虫の幼虫時代の痕跡と言う訳。
更に辺りを探ってみると・・
アオバハゴロモの幼虫
やはりいました。
こんもり盛り上がった綿の塊。アオバハゴロモの幼虫時代の姿です。
成虫になる時点での姿の変化にはいつも驚かされますが、この事例も結構凄い。
クサカゲロウの幼虫
更に興味深いのを見つけました。近くの草でちょこまかと動き回る綿を発見!。
実はこれはクサカゲロウ幼虫の世を忍ぶ姿(擬態)なんです。
アオバハゴロモが枝に残した白い綿を拝借。中に潜り込んで身を隠したと言う訳。
手近にあるものなら何でも利用しちゃう。いわば廃品活用タイプの擬態手法ですね。
クサカゲロウの幼虫
これはイネ科植物のノギを寄せ集めて身を隠した事例。
私の観察地では、このタイプの擬態を多く目にします。
クサカゲロウの成虫
参考に2012年6月に撮影したクサカゲロウの成虫画像を一枚。
あのボロの塊が、これになるかって驚く程の見事な変身ぶりです。
天敵だらけの自然。無事誕生する為にみんな苦労しています。

※本日撮影の画像ではありません(7/15と7/16に都内で撮影)