平常任務続行 ― 2013/12/01 20:45
何かと気ぜわしさに追い立てられ勝ちな師走。
こんな爽やかな空を見上げて、一息つける余裕を持てればいいのですが・・ 私としては、平常任務(?)続行で、身近な昆虫たちの動向調査を・・
今日もそれなりの数を確認出来たアキアカネ。
今日の様な穏やかな天気が続けば、まだまだ大丈夫そう。 だらんと前脚を伸ばしてリラックスしていたオオカマキリ。
産卵を終えて、のんびり余生を過ごす時期に入った様です。
眼光からも獲物を狙う鋭さが消えた感じが・・ と、思ったらまだまだ現役モードでぎんぎんの個体もいました。
草薮の奥をじーっと凝視中。
カマキリのあるべきイメージは、だらんとリラックスよりやはりこの緊迫感ですね。 成虫の数が激減する中。この先の注目点は、昆虫達の様々な冬越しのスタイルです。
例えばヨモギに付いていたこれも昆虫の越冬スタイルのひとつ。
所謂虫こぶで、昆虫が産卵した結果、それに反応した植物が異常な成長をする現象。
この球体もそれ。この中にはヨモギシロケフシタマバエの幼虫が潜んでいる筈です。
ふかふかの細かい毛に覆われて、いかにも暖かそう。
自分の身体を勝手に借用されて子守役を強制されるなんて、ヨモギにとっては大迷惑。
昆虫のしたたかさには本当に感心させられます。
※12/1に都内で撮影
ちょっとしたサプライズ ― 2013/12/02 20:56
そこで目にした意外な物。早春の花オオイヌノフグリでした。
長く厳しい冬のその先、やがて来る春の予告編としては一寸早過ぎる気が・・
何はともあれ、ほっと一息、嬉しい気持ちで見つめました。 今日の昆虫観察も、ちょっとしたサプライズ含みでした。
ヤマブキの繁みで見たクロスズメバチ。
垂れ下がった茎とおぼしき物にしがみついてゆらゆら揺れていました。
とても窮屈そうなポーズ。でもこれにえらくご執心の様で離れません。 結局ハチと一緒に、茎状の物も葉の上に落ちてしまいました。
そこで判明したのは、茎と見間違っていた物の正体でした。
なんとこれは昆虫の脚。その形からキリギリス系の脚と推測出来ました。
このハチは肉食性。小昆虫などを好んで捕食すると言われています。
この後、脚をくわえて飛び去りました。巣で待つ幼虫の餌にするのかも・・
静けさが漂い始めた昆虫の世界ですが、まだまだホットな事を実感しました。
※12/2に都内で撮影
群れて飛ぶ ― 2013/12/03 21:36
やかましいさえずりを交わしながら青空を横切って行ったのはムクドリの群れ。
ここに来て頻繁に目にする様になりました。 今の時期、自然観察の途上で良く目にする光景がこれ。
人の行く手を阻む様にふわふわと集団で飛び交います。
小さ過ぎて実体が良くつかめませんが、これも昆虫の仲間・ユキムシです。
北海道では、この様な飛翔を目にすると、いよいよ雪が近いなと感じるらしい。
東京の場合は当てはまりませんが、冬到来を告げる物である事には違いない。 ユキムシが飛ぶ頃になると、草むらの寂しさがより一層増すのは例年のこと。
今日もあまり期待しないで歩きましたが、それなりに元気な物もいて一安心。
草薮の陰で逆さまになっていたオオカマキリ。自慢の鎌で何かをがっしり。
色、形から見て、どうやらスズメガの一種の幼虫らしい。
この食欲がある限り、まだ当分は大丈夫そう 太っちょのクマバチも現役続行中でした。
花の数が大分減ってしまい、大変そうですが、咲いてさえいれば、即この通り。
いつもどおりのダイナミックな食事シーンを目にする事が出来ました。 ひらひらと飛び去るものあり。久しぶりに蝶に出会えたかなと思いましたが・・
後を追って確認してみたらこれ。蛾の一種・ツマジロエダシャクでした。
陽射しが豊かに降り注いでいて日光浴に最適なのに、逃げ込んだのは何故か日陰。
やはりこの辺が、蝶とは違うところですね。
※12/3に都内で撮影
せかされどおし ― 2013/12/04 21:16
自然観察散歩でも、その事を強く実感する様になりました。
超速のつるべ落としと言う感じで高度を下げて行く太陽。せかされ通しです。 西空に掛かる雲間越しに射す光。ヨシの穂がくっきりと浮かび上がりました。
それにしても、随分隙間だらけになったものだなぁと感じさせられる眺め。
トンボたちが忙しく飛び交った夏の日の記憶も段々薄れて行きます。 穂先もこの様にばらけて、風に飛ばされる事を待ち受けている感じ。
水草の季節もいよいよどん詰まりですね。 草むらも黄昏色に染まる頃。
枯れ色がひろがる中に、数束の枝豆が・・ではなくて、これはクズの果実です。
長い鞘の中につぶつぶの豆が入っている事が確認出来ます。
葉っぱは様々な昆虫にとって人気抜群の食料ですが、豆は意外と不人気みたい。
この様に所在なげに垂れ下がっている姿を多く目にします。 さて今日の昆虫観察の成果は?。結果的にはさっぱりでした。
昨日迄は、少数ながら、出会えたアキアカネの姿もなし。
見応えのあるものと言えば、枯れ葉にいたこのホソヘリカメムシだけでした。
カメムシ最強かと思ったのですが、左の後脚が欠けてしまっています。
越冬も可能な種とされていますが、ちょっと厳しいかも・・
※12/4に都内で撮影
手応えは減ったけど ― 2013/12/05 21:22
上へ下へと視線を巡らせても、これと言った物はさっぱり。
傾いた西日を受けた自分の影と遊ぶしかないなんて、余りに寂しい。 ・・って言う訳で、たまには真上を見上げてみようと試した結果がこれ。
まだ多くの葉を残すポプラの高木。遠近感が強くついて結構迫力あり。
しかし、見ている内にも、はらはらと葉を散らしていました。
正面に見える木の様な、冬姿に変るのももう時間の問題と思われます。 手応えがないと諦めてばかりもいられません。
この先は、春を待ちわびて息を潜める自然にも関心を寄せていかないと・・
例えば木の冬芽。形は様々ですが、それぞれが個性的で楽しめます。
二番目の芽に止まっているのはアリ。興味しんしんで芽を観察しているみたい。
あわよくば巣に持ち帰ろうと言う算段かも・・冬になっても元気ですね。 春を待ちわびているのは木の芽だけではありません。
卵やさなぎの形で越冬する昆虫が多い中、幼虫として冬を越す種もあります。
例えば、このツマジロカメムシもそのひとつ。
出会いは陽射しが豊かな日限定。日向に出て来て日光浴をする姿を確認出来ます。 今日も出会えたオオカマキリ。いつもと同じ場所、同じ時間帯でした。
のんびりと日向ぼっこ中のところを失礼して一枚。
ちょっと威張っていて怖い相手だけど、会えなくなるのは寂しい限り。
寒風吹きすさぶ日の到来が、出来るだけ先になることを願いたい気持ちです。
※12/5に都内で撮影