枯れ色に染まる河岸で2014/12/07 20:25

枯れ色に染まる河岸で
先週に引き続き、多摩川河口付近の河岸を歩きました。
目の前に広がっていたのは、枯れ色への変貌を更に進めたヨシやススキの群落。
朽ち果てる前の最後の華やかさに圧倒される感じでした。
冬景色が完成
枯れ色に染まる河岸とは対照的。その上に広がる空はクールなブルー。
この先長く目にする事になる冬景色の完成です。
ホオジロ
生き物の活動を拒絶する様な枯れ景色の中にも、小さな生命の営みがあります。
多く目にするのが、草の種や枯れ茎に潜む昆虫を食べる小鳥たちの姿。
オオジュリンやホオジロ、それに普通種スズメの群れも加わって結構賑やかです。
それらの観察もこの先の楽しみとなります。
(画像はホオジロ)

※12/7に都内・多摩川河口付近で撮影

ツワブキの花で2014/12/08 21:09

ツワブキの花で
花期は11月迄とされるツワブキの花ですが、依然その姿を目にする事が出来ます。
花の少ない時期の貴重な彩り。当然の事ながらそれに惹きつけられる者の数多し。
ツマグロキンバエ
多数の訪花を確認出来たのがツマグロキンバエ。目的はこの画像の通り吸蜜。
複眼に浮かび上がる縞状のパターンが特徴的な小形のハエです。
キンバエと言うとイメージ的にどうもねって言う感じですが、分類上は別種。
汚物ではなく、花の蜜だけに集まる綺麗好き(?)なハエです。
眠りこける蛾
花の裏側に何となく違和感を感じてひっくり返したら、こうなっていました。
枯葉の様に見えたのは蛾でした。形から見てシャチホコガの一種でしょうか。
蛾の習性は良く分かりません。このポーズから見て吸蜜目的ではないみたい。
たまたまつかまり易い花があったので、そのまま眠り込んでしまったのかも・・

※12/8に都内で撮影

何か匂う2014/12/09 21:56

何か匂う
公園樹の伐採木を積み重ねた場所に近づくにつれて、何か匂う。
私にとっては馴染みのある匂いと言う事で、近づいて目を凝らしてみたら・・
マルカメムシの日向ぼっこ
やはりいました!匂いの発生源・マルカメムシ。木の切り口に身を寄せてひっそり。
成虫での越冬が可能な種と言われています。
今日の様な陽射したっぷりの日は、日向ぼっこに専念し体力維持を図っている模様。
越冬は集団で行う事が多いらしい。漂う匂いの強さからも、その可能性は大。
今後もこの場所は、私にとっての要観察ポイントです。
ハラビロカマキリの日向ぼっこ
陽が良く当たる木の幹では、ハラビロカマキリのメスが日向ぼっこ中でした。
注目点は背中。小さなハエがちょこんと乗っかって、同じく日向ぼっこ中。
怖いもの知らずと言うか、何と言うか・・
乗っかられたカマキリにとっても、獲物捕獲より日向ぼっこが優先らしいけど・・
モズのはやにえ
一方餌取りに大忙しなのが、ここに来て一気に数を増やした野鳥たち。
それを物語るのがこれ。枯れ木の鋭い枝に突き刺さったカナヘビです。
これをやった犯人はモズ。今の時期に良く見られるはやにえと言う貯食行動です。
捕らえた獲物をこの様に一旦保管しておいて、後でゆっくり食べようと言う算段。
食料が乏しくなる真冬に備えての賢い行動です。
でも、こうして保管したのを忘れてしまう事も多いみたいですが・・

※12/9に都内で撮影

強まる寒気に・・2014/12/10 19:48

強まる寒気に・・
長く続いた晴天も今日まで。明日の日中の予報には傘マークが並んでいます。
午後になって、その事を予告する様な薄雲がかかり始めました。
目にしたのはマイルドな雰囲気を漂わす冬の空。
色彩的には暖かめですが、肌に触れる空気の冷たさとのギャップに戸惑いを・・
シモツケの花は今
12月に入ってからの寒気の強まりを受け、冬姿への変身を急ぐ草や木。
薄紅色の小粒の花をびっしりと付けていたシモツケも、今やこんな姿に・・
これはこれで渋い味わいがあるけれど、やはりイメージ的には違うなぁと・・
ハラビロカマキリの卵鞘
そのシモツケの細枝にハラビロカマキリの卵鞘が産み付けられていました。
”あっ、ここにもあった” って言う感じで結構多数。
カマキリは、その冬の降雪量を予測して産卵場所を決めると言う説があります。
シモツケは人が見下ろす位置に花をつける低木。当然産卵場所はかなり低めです。
この産卵状況から推測すると、この冬は大した雪も降らず、暖かめ?。
さて、カマキリ予報の信憑性はいかに?・・

※12/10に都内で撮影

冬越しの姿を見る2014/12/12 20:58

冬越しの姿を見る
今一つ晴れ切らない空。観察地には、真冬の寂寥感さえ漂っていました。
そんな中、活気が感じられるものと言えば、時折甲高く響く小鳥のさえずりだけ。
当然の事ながら、お目当の昆虫の姿はさっぱり。そして目にする物と言えば・・
アオスジアゲハの蛹
秋の野に生きた昆虫たちの遺産、次世代の命が宿る冬越しの姿です。
枯れ草の葉に付いていたのは、アオスジアゲハのさなぎ。
細い糸を張ってしっかり葉っぱに固定されていました。
気になるのはその色。枯葉とのコントラストがはっきりした緑色です。
私の目でも容易に発見出来たので、野鳥たちの鋭い目を以ってすれば当然・・
このまま無事春を迎えられる事を祈るばかり。
オオカマキリの卵鞘
クスノキの小枝にはオオカマキリの卵鞘が産み付けられていました。
ご覧の通り、枝だけでなく若芽も抱き込んでしっかり固定されています。
木にとっては、なんとも邪魔な奴に取り憑かれたもんだなぁと言う感じかも・・
ハラビロカマキリの卵鞘
別の木で目にしたこれはハラビロカマキリの卵鞘。
この場所が余程気に入ったのでしょうか。連結する形で仲良く並んでいました。
あるいは、あちこち場所探しするの面倒臭いやって、二連発かましたのかも・・
孵化の時期にはさぞかし賑やかでしょうね。
ハラビロカマキリのメス
もう親虫の姿を目にするのは無理かなぁと思ったのですが・・
先日メスを見かけたヤナギの木を見上げたら、ちょこんと。多分先日と同じ個体です。
お腹が大きく膨らんでいたので、まだ産卵場所を品定め中なのかも知れません。
カマキリの季節の幕引きは、この個体が担う事になりそうな予感が・・

※12/12に都内で撮影