今日はオスだけ ― 2015/05/01 20:38
暫く吸蜜をした後は、ほぼ同じコースを巡回する飛翔の繰り返し。
雌の出現を、いまや遅しと待っていたのかも知れません。
この草地ではもう一頭を確認出来ましたが、それも雄。
お互いがいがみあっている感じで、激しい追いかけっこを繰り広げていました。
雌の登場時には、さぞや激しい争奪戦が始まりそう。 タテハチョウの仲間の裏翅は、割と地味なものが多いのですが、この種は別。
黒丸に白点ポチッの眼状紋を沢山散りばめた、結構派手目な斑紋を持っています。
自分を狙う野鳥への対策に万全を期している感じ。 蝶たちにとっての脅威の存在は、野鳥だけに限りません。
大形の蜘蛛も極めて危険な存在です。
これはコガネグモの幼体。身体はまだ小さいのですが、網の張り方は既に一丁前。
”そこらをヒラヒラ飛んでる蝶よ、早くいらっしゃい” って待ち構えている感じ。
ツマグロヒョウモンも、雌の奪い合いに夢中になり過ぎると・・
※5/1に都内で撮影
草地の今 ― 2015/05/02 19:38
若草の季節から成熟した夏草の季節への歩みにも、一層拍車が掛かっている感じ。
そんなステージにぴたり嵌るキャストと言えば、何と言っても蝶。
今日も数多くが飛び交っていました。
緑との対比が鮮やかなこれはツマグロヒョウモンの雄。 蝶たちを惹きつけているのは、いま花盛りとなっているハルジオンの花。
アオスジアゲハも、この花の蜜にぞっこん。
青い閃光と言う感じのシャープな斑紋をきらめかせながら、吸蜜に夢中でした。 草地を埋め尽くしている野草たちの生命力には、ただただ目を見張るばかり。
放置された木の切り株にも、しっかり根を張って成長していました。
まさに場所を選ばずって言う感じ。さすがの雑草パワーです。 周囲の色々な物に絡みついて、勢力分布を拡大するクズのつる。
時機を得て、伸び盛りの様相を見せはじめました。
さて、次はどれに絡みつこうかな・・
5/2に都内で撮影
脅威の存在は今 ― 2015/05/03 21:26
気温の上昇を受け、樹液の噴出量も増加しているみたい。
それを狙うコアオハナムグリの集結状況はいつもの通り。
今日は更にシロテンハナムグリ(画像中央・艶のある個体)も新規参入して大賑わい。 突然、その群れに割って入って来たのは、見た目も恐ろしいオオスズメバチでした。
とんでもない乱暴者と言うのは、甲虫達も十分に承知しているらしい。
これが現れた途端に、潮が引く様に樹液スポットから離れてしまいました。
残った2匹も、強烈な頭突きを食らってしまい、樹液スポットに近づけません。
樹液を出す木がまだ少ない今、ここは甲虫達にとって貴重な樹液スポットです。
イヤな奴に見つけられてしまったなと、嘆きの声が聞こえて来そう。 他の昆虫達とっての脅威の存在・オオスズメバチは既にフル稼働中。
同様に恐るべき存在であるオオカマキリの現状は?・・
ご覧の通りの超ミニサイズ。葉っぱの先で怖々下を覗き込む等、動作もまだ頼りない。
よほど小さい昆虫でなければ、捕食される危険は少ないかなと思えます。
しかし昆虫の成長の早さは驚異的。そうそうのんびりともしていられないかも・・
※5/3に都内で撮影
高原で蝶に出会う(?) ― 2015/05/04 20:44
事情により遠くへ行きたい願望は封印中。専ら自宅近くでの自然観察に留めています。
しかし今の時期は、すぐそこでも、こんな風景に出会えるから嬉しい。
目にしみる新緑のパワーに圧倒される感じ。いわば擬似的な高原旅行をした気分に・・ 高原の林にいた綺麗な蝶・・ではなくて、近所のクヌギにいたアカボシゴマダラです。
単なる翅休めの様にも見えますが、そうではなくて、この木に来た本当の目的は・・ ずばりこれ。幹から浸み出す樹液の摂取でした。
常連客である甲虫達(コアオハナムグリやシロテンハナムグリ)に混じって摂取中。
5/3の記事に載せたオオスズメバチの様に、甲虫達と争う事もなく、至って平穏。
長い口吻(ストロー)を持っているので、甲虫の邪魔をせずに樹液を吸えるんですね。
所でこの個体、アカボシゴマダラの特徴でもある赤い斑紋がどこにも見当たりません。
調べた所、関東に分布する亜種で春に羽化する物はこの様に白化する事があるらしい。
私の感覚では、どぎつくなくて、中々いけるじゃん、なんですが・・
※5/4に都内で撮影
ドジな赤鬼 ― 2015/05/05 19:44
タブノキを食害する事で知られる髪切虫・ホシベニカミキリです。
その食性を証明する様に、今の時期になると、タブノキの下の草地で良くみかけます。
何かの拍子に、木からころっと転げ落ちてしまうらしい。
で、手近な草によじ登って、飛び上がろうとするのが、いつものパターン。 しかし重い身体が災いして、この様に草が激しくかしいでしまいます。
これでは飛び上れません。で、打つ手なく、再び地上に落ちてしまう顛末の繰り返し。
見ていて、じれったく感じる程の見事なドジぶりです。 ようやく学習効果が効いたらしい。細すぎないしっかりした草を見つけました。
何だか余裕の表情。この後、翅を大きく開いて飛び立ちました。
目指すのは、おそらくさっき転げ落ちてしまったあのタブノキでしょうね。
でも、あのドジぶりだと、再び木からころっとなるのが、必定の様にも・・ 草地の鮮やかな緑に良く映えていたのは、ホシベニカミキリの紅色。
一方、このイトトンボは、地味な色合いで全く目立ちません。
今季初遭遇のクロイトトンボ。
これまでは、アジアイトトンボが多数派の位置を占めていたこの草地。
新顔の登場で、いよいよ賑わいを増しそうです。
※5/5に都内で撮影