めったに出会えない ― 2015/09/06 19:25
”さて今日はどんなのに出会えるかなぁ” と考えていた私の目の前を横切る黒い影。
見逃さない様に必死に目で追ったら、ラッキー!・・近くの繁みに止まりました。 抜足差足で接近した結果、ゲット出来たのはこの一枚だけ。
斑紋のパターンや尾状突起がない特徴から、ナガサキアゲハの雌と判断しました。
もともとは南方系の蝶だったのですが、近年北方へ生息範囲を拡大中らしい。
東京で初確認されたのは2000年とのこと。今や完全に定着した様です。
しかし、私にとっては、めったに出会えない珍種。
次の機会には、すぐに飛び立たず、じっくり撮らせて欲しいなぁと・・ 変わりやすい空模様が戻って来ました。
晴れていたかと思うと、また暗雲が空を覆い始めたり・・
そんな空をバックに、くっきりシルエットになったトンボ。
翅端部の褐色斑からアカネ属のトンボである事は間違いなし。
でも、この特徴を持つ赤トンボはいくつかいるので、シルエットだけでは何とも・・ ノーマルなアングルで見るとこの通り。アカネらしいお腹の赤さもはっきり。
私としては、胸部の筋状模様などから、リスアカネのオスと判断しました。
オスは水辺近くの枝先等に止まり、縄張りを張る性質を持つとの事。
という事は、近くにメスもいる筈。近々熱いシーンを目撃できるかも知れません。
楽しみになって来ました。
※9/6に都内で撮影
初秋の草むらは平穏? ― 2015/09/07 21:31
暑さもおさまり、平穏な雰囲気が漂い始めた草むらを象徴する光景なんですが・・ これは花一輪を真上から捉えたショット。
何となく違和感を感じて、仔細に観察してみたら・・ 違和感のもとはこれ。待ち伏せ型蜘蛛の一種・アズチグモでした。
ヒメジョオンの花芯の色は黄色。これはそれに酷似の体色を持つ個体です。
この花の常連客は、シジミチョウや小さなアブ等。
いわば、小さなこの蜘蛛にお似合いの獲物が引きも切らず・・
蜜の魅力に惹かれ、花芯目指して降り立った瞬間に、さっと手を広げてゲット!。
そんな残虐な光景が、音もなく繰り返されている筈です。 近くの花には、同じ黄色系でも、もう少し手の込んだ模様を持つ個体もいました。
様々な待ち伏せ場所に対応可能な、万能迷彩タイプって言う所でしょうか。
一見すると目立ち過ぎじゃぁ・・と思えるのですが、こちらも自信たっぷり。
結構だまされるカモがいるのよってって言う事?・・
※9/7に都内で撮影
ノープロブレム? ― 2015/09/08 20:28
自然観察散歩にとっては、全く嬉しくない状況です。
爽やかな秋の空が広がるのは、いつの事やら・・天気予報を見るとどうもね。 秋本番を目指して新しい命が続々と誕生中の昆虫界。
これはエノキの葉っぱに止まっていたアカボシゴマダラ(蝶)の幼虫です。
葉っぱを猛烈に食べて、その葉っぱにそっくりのサナギになるのが、通常の流れ。
悪天候の連続で、その流れに影響が出る可能性もあるかなぁ・・
この顔を見る限り、全然余裕だよって言う感じですが・・ 例年通り、ニシキギの葉を賑わせているのが、キバラヘリカメムシの幼虫たち。
同時期に大小様々が混在して群れますので、賑やかな事この上なし。
実り始めたニシキギの実から汁を吸って、大きくなろうと言う算段の様です。
この種は成虫としての越冬が可との事。
長い人生・否・虫生から見れば、天気の多少のもたつきはノープロブレムかもね。
※本日撮影の画像ではありません(9/6と9/5に都内で撮影)
引導を渡した? ― 2015/09/10 21:46
シネマスコープの空の下 ― 2015/09/11 22:16
西に傾いた陽が、その雲とのコラボで超ワイドな眺めを創り出していました。
まさにシネマスコープ!(ちょっと古いか・・)。 愚図ついた空模様の連続で、静まり返っていた草むらにも活気が戻って来ました。
戻った活気のひとつが・弱肉強食の捕食シーン。これはその一つ。
目の特徴からわかる通り、ハエトリグモの一種が何かを捕らえていました。 別角度から見るとこの通り。
狩猟者は、ハエトリグモの中でもアリに似ているのでアリグモと呼ばれる種でした。
今日捕らえていたのは、そのものずばり、アリ。
アリに擬態している理由は、仲間と勘違いさせて油断させる為。
人の目では、大きさがかなり違うじゃと思うのですが、この通りしてやったり。
アリを含む昆虫の感覚って、人のそれとはだいぶ違うのかも知れません。
※9/11に都内で撮影