何を吸うのかが問題2015/11/01 20:11

何を吸うのかが問題
観察地のハンノキの幹で、ちょくちょく目にするヨコヅナサシガメの終齢幼虫です。
見るからに不気味な雰囲気ですが、実態としてもこの幼虫はかなり怖い。
ヨコヅナサシガメの口吻に注目
その理由は、この角度から見ると良く分かります。
注目点は頭部先端の口吻。
ご覧の通り、ひょろっと長く、後部に向かって折れ曲がる形で収納されています。
草の汁を吸うカメムシの食性からして、合理的な口吻の様に思えますが・・
問題は、この長いストローで何を吸うのかって言う事。
ヨコヅナサシガメの吸汁
その答えがこれ。
2匹が向かい合って口吻を伸ばしていたのは、マルカメムシ成虫でした。
今まさに、その体液を吸い取っているシーン。
このカメムシは、草の汁には一切関心がなく、狙いはもっぱら昆虫の体液って言う訳。
昆虫だけならまだしも、人の肌にも突き刺すのだとか。これが猛烈に痛いらしい。
幼虫で集団越冬する種です。そう言えば、このハンノキには他にも結構の数が・・
冬は昆虫観察が、超手持ち無沙汰になる季節。
あっ久しぶりに動くもの見つけた!なんて、喜び勇んで近づくと・・

※11/1と10/24に都内で撮影

厚かましいぞ!2015/11/02 20:27

厚かましいぞ!
木の実の色づきが物語るのは、ここに来ての寒さの強まりです。
様々な公園樹の紅葉も徐々に始まっています。
本格的な冬に入る前に繰り広げられる、束の間の鮮やかな色の競演。
穏やかな晩秋の陽の下で、存分に楽しみたい気分に・・
(ピラカンサ/トキワサンザシ)
コセンダングサの痩果
赤い木の実は可愛らしいのですが、これは全然可愛くない。
所謂ヒッツキムシの一種・コセンダングサの痩果です。
今草地で、おびただしい数を目にします。
この形から推測出来る様に、人の衣服や動物の毛にしつこく絡みつく厄介者です。
うっかり草地に足を踏み入れると、ズボンにびっしりって言う悲惨な状態に・・
チクチク痛いので取り除かざるを得ません。結果トゲトゲは別の場所の地面に落下。
他力本願で繁殖範囲を広げようと言う作戦でしょうが、いささか厚かましいぞ!。
コセンダングサの花とヤマトシジミ
これは痩果になる前の花の状態。カップケーキみたいな形で実に可愛らしい。
このヤマトシジミクラスの小形蝶にとっては、手頃で魅力的な存在の筈です。
それが、秋も終わりに近づくと、あの憎たらしいトゲトゲに豹変!。
野草たちも、近づく冬を感じて、今の時期は必死なんでしょうね。

※本日撮影の画像ではありません(11/1に都内で撮影)

文化のアカネ2015/11/03 19:57

文化のアカネ
やはり文化の日は伊達じゃない。
晴れの特異日を実証する様に、澄んだ青空から豊かな陽射しが降り注ぎました。
陽射しが乏しい日には姿を消してしまうアキアカネも、総登場って言う感じ。
思い思いの場所で、今日の陽射しを楽しんでいる様子でした。
例えば、色づいた葉を付けるサクラの枝にも・・
キクイモに止まるアキアカネ
枯れかかったキクイモのてっぺんにも・・
晩秋のこんな風景にぴたりはまるのは、やはりアカネをおいてないなぁと・・
幸せそうなアキアカネ
これなんて、”文化の日って本当に最高だわ” って言う表情か・・
しかし、この先季節は真冬に向かって着実に歩を進めて行きます。
こんな日の連続とならないのが、辛いところ。
そんな試練にも耐えて、出来るだけ長い間、こんな姿を見せて欲しいものです。

※11/3に都内で撮影

この先の当たり前と見納めと2015/11/04 20:08

この先の当たり前と見納めと
文化の日らしい晴天が今日も継続。
空の澄み方では、今日の方が数段レベルアップかも。
そんなクリアな空に怪しい白線がくっきり。見方によっては、UFO?・・
飛行機雲くっきり
しかし、その手の物をおいそれと目撃出来る筈がありません。
正体はこれ。高空を行くジェットライナーの飛行機雲でした。
高空にもかかわらず、ジェットエンジンの音もはっきりと耳に届きました。
空気が澄み切っている事の証明。季節が一段階先に進んだ事を実感しました。
ショウリョウバッタ
飛行機雲は、この先ごく当たり前に目にする光景。
一方、草むらで見たこれは、多分見納めになると思われる光景です。
立派な体格を持つショウリョウバッタの成虫。
ずーっと目にしなかったので、とっくに消え去ったものと思っていました。
生息時期は11月迄とされていますので、今居ても不思議ではない訳。
しかしこの個体、夏の日に見せた活発な動きはなく、草の繁みの中をヨロヨロ・・
何とも言えぬ寂しい気持ちで見つめました。

※11/4に都内で撮影

哀愁漂うキャラ?2015/11/05 20:23

哀愁漂うキャラ?
背高のっぽの枯れ草に止まるアキアカネ。
逝く秋を惜しむって言う風情が感じられます。
こんな晩秋の風景にぴたりはまる名脇役。哀愁漂う孤高のキャラの様に思えますが・・
人懐っこいアキアカネ
その素性は、とってもフレンドリー。
指を差し出して誘いをかけると、こんなに人懐っこい一面も披露してくれます。
追い払わない限りずーっとこのまま。人肌のぬくもりを愛おしんでいる感じ。
こんな楽しい体験をこの先も長く続けられればいいのですが・・
”それは甘いよ” と囁く真冬の足音が次第に間近に・・

※11/5に都内で撮影