そこはかとなき哀愁が・・2015/12/01 20:55

そこはかとなき哀愁が・・
公園の遊歩道脇に立つアキニレの木。
その幹の表面に何となく違和感を感じて近づいて見たら・・
ハラビロカマキリ雌と卵鞘
目に飛び込んで来たのはこんな光景。
緑色タイプのハラビロカマキリ・雌が止まっていました。
良くある日向ぼっこかなと思ったのですが、注目点はこの雌の視線の先。
幹にへばりつく形で、ハラビロカマキリの卵鞘が産み付けられていました。
瞬間に思いついたのは、あっ!自分の産み落とした卵鞘を見守っているんだ・・
真偽の程は判りませんが、そう思わざるを得ない位置関係でした。
ハタビロカマキリ雌の視線
近づきすぎたカメラに向ける視線も真剣そのもの。
”この卵鞘に手を出したら承知しないぞ” って言う意思さえ感じられるものでした。
もし私の推測が的中だったとしても、この雌に許された生存時間は残り僅かな筈。
卵鞘の中に眠る幼い命の誕生まで見守り続けるのは、到底不可能な事。
秋から冬へ、その季節の変わり目に出会う昆虫には、そこはかとなき哀愁が漂います。
このシーンも、まさにそれだなぁと・・

※12/1に都内で撮影

強まる寒さに・・2015/12/02 19:44

強まる寒さに・・
12月に入って空気の質がはっきり変化した様に思えます。
まだ秋の名残が感じられたものから、ぴーんと張り詰めた冬型のそれへ・・
そんな冷え込みの中、生き物たちはどんな生き方をしているのかと言うと・・
寒くなったらどうすればいいかをしっかり熟知しているのが、公園のノラたち。
”日向ぼっこに最適な場所はここだよ” って言うお手本を披露してくれていました。
なるほどねぇ・・
ヒメクダマキモドキ息も絶え絶え?
ずいぶん前から広い葉っぱの上で目にしているヒメクダマキモドキの今。
暖をとる為の日光浴なんでしょうが、体が傾いちゃって何とも気の毒な状態です。
葉っぱに掘られた食い跡に前脚を掛けてやっと起き上がっている感じ。
この様子から察するに、そろそろ限界かなぁと・・
昆虫観察散歩のお馴染みさんが又ひとつ消えて行きそうで、とても寂しい。
ジョロウグモも限界?
昆虫観察大好き人間にとっては、憎まれ役のジョロウグモももはやこんな状態に・・
ぼろぼろに壊れた網を修復する気力も既に消え失せた感じです。
昆虫の季節の終わりは蜘蛛の季節の終わりでもあります。
強まる寒さが、はっきりと区切りを付けた様に感じます。

※本日撮影の画像ではありません(12/1に都内で撮影)

フラッシュバック2015/12/03 21:29

フラッシュバック
公園樹の紅葉が急ピッチで進んでいます。
これは雨上がりの曇天の下で見たケヤキの黄葉。
少ない光量にも拘らず、思わず目を惹きつけられる様な存在感を見せていました。
カエデの落葉
初冬に降る雨は、樹々の落葉をより一層早めてしまう様です。
カエデの樹下、苔むした地表では、こんな光景が繰り広げられていました。
遥か昔、京都の苔寺で見た情景が突然フラッシュバックしました。
初冬に見るセミの抜け殻
夏から秋へ、活況を呈した昆虫達の痕跡を見つけるのも段々難しくなってきました。
これは雨に濡れた木の幹で見たツクツクボウシの物と思われる抜け殻。
紅葉や落葉に目を奪われていると、見逃してしまいそうな密やかさでした。
今はまだ落ちる気配がありませんが、やがて強烈な木枯らしに晒されれば・・
これがラストチャンスかなと思い、レンズを向けました。

※12/3に都内で撮影

心を揺さぶる特質を・・2015/12/05 21:01

心を揺さぶる特質を・・
背高のっぽのポプラの上に広がるのは、秋空の復活を思わせる爽やかな空。
陽射しも燦々のこんな日は、昆虫達の活動を再び目に出来るかなと思ったのですが・・
オンブバッタ成虫
実態は真逆。やはり12月に入ると状況は一層厳しくなった事を実感させられました。
そんな中、私の足音を聞きつけて、ピンと飛び跳ねる稀有な物あり!。
その行方を追って見たらターゲットは地表に落ちた折れ枝の上でした。
オンブバッタの成虫。体色はくすんだ緑色に変わっていますが、まだまだ元気。
オンブバッタ葉っぱを食らう
この後、再び地表に降りて、草の葉をむしゃむしゃ食べ始めました。
つのる寒さに耐えるには、天気のいい日に沢山食べておかなくちゃって言う感じ。
毎年、最終期までその姿を確認出来る息の長いバッタです。
今年もその通りの展開になってきました。
オンブバッタの幼虫
ちょっとびっくりしたのは、近くで目にした別のこの個体。
背中に翅がまだ生えていない超小形の幼虫でした。
遅く迄活動するバッタとは言え、そろそろ限界に近づく今の時期にこの姿!・・
おまけにこの幼虫は片方の後脚を欠いています。
生き続けるのは厳しいだろうなと、哀れみの眼差しを向けざるを得ませんでした。
初冬に見る昆虫は、観察者の心を揺さぶる特質を何がしか持っている様に感じます。

※12/5に都内で撮影

フェードアウトも間近に・・2015/12/07 20:32

フェードアウトも間近に・・
曇りや雨の日は暗く沈んだ陰鬱な空。晴れれば、すかっと爽やか躍動的な空。
冬の空は全く異なる二つの表情を持ち合わせています。
今日の空は後者。風の流れをそのまま表している様な雲に目を奪われました。
冬木立ちはもうすぐ
葉を落とし尽くして、身軽な冬姿に変身した木が目立つ様になりました。
依然黄葉を残している木も、遅れてはならじと葉を散らす速度を加速する筈。
隙間だらけになった冬木立ちの完成は、もうすぐです。
ジョウロウグモの雌
そんな中、粘り強い頑張りを見せていたのは、小枝に網を張ったジョロウグモ。
昆虫の宿敵として長く活動を続けてきた大形の蜘蛛です。
しかし沈みかけた陽の光を浴びる姿はどこか寂しげ。
大形のメスの近くにいつも寄り添っていた小さなオスの姿も見当たりません。
もしかして、獲物に窮したメスに食べられた?・・
昆虫の季節の終焉と共に、蜘蛛達のフェードアウトも間近に迫った様です。

※12/7に都内で撮影