師走は自然にも・・ ― 2015/12/08 19:24
手持ち無沙汰になるけれど ― 2015/12/09 21:24
この蝶の魅力は、地味な褐色の翅に配された淡い紫色の斑紋。
翅を開いた時だけに確認出来る、いわば隠し味的なチャームポイントです。
陽射しが弱まるこれからの時期は、陽射しの暖かさを求めて頻繁に披露してくれます。
手持ち無沙汰になる昆虫観察ですが、こんな楽しみがあるのでやめられません。 ムラサキツバメは、この先もずーっと現役。
しかし大多数の昆虫は、冬の本格化と共にその姿を消してしまいます。
そんなエンディング間際の昆虫を探すのも、この時期の昆虫観察のテーマです。
これは、長く観察を続けているヒメクダマキモドキの今日の姿。
広い葉の上で、息も絶え絶えと言う感じで、くたーっとしていました。
この草では三匹の生息を確認していたのですが、今日は幾ら探しても二匹だけ。
その二匹に残された時間も、この姿を見る限り、そう長くはないかなと・・ 南に面したアキニレの幹、画像ほぼ中央にハラビロカマキリの卵鞘が写っています。
どうと言う光景でも無いように見えますが、私的には思い入れを込めて写した一枚。
その理由は、下掲の参考画像(当ブログの12/1記事に掲載済)にあります。 同じ卵鞘とハラビロカマキリ成虫(雌)とのツーショットでした。
この位置関係から、産み落とした卵鞘を見守る親虫と言う風に感じたのですが・・
ひとつ上に掲載した画像の通り、今日はその姿が見当たりません。
幹の周辺部位を詳しく探ったのですが、その姿を確認する事は出来ませんでした。
既に絶命した可能性が大かなぁと・・世代交代の任を果たして静かに消え去る。
そんな昆虫世界の儚さを象徴する光景の様に思えました。
※12/9に都内で撮影(参考画像は12/1に撮影)
ゴチャゴチャな場所で ― 2015/12/10 21:20
勢いを失い倒れ始めた草達が繰り広げる無秩序な世界・即ちゴチャゴチャです。
こんな場所に観察の目を向けようと言う気は、中々起きにくいのですが・・
一応気をとり直して、目を凝らして見たら・・ 草むらの所々に生えるエノキの幼木。その葉の一枚に何か違和感を・・
殆ど枯れ色に変わった葉の裏側に何かがくっついていました。
枯れた植物の屑の様にも見えたのですが、良く見ると目もある脚もある。
昆虫の一種に違いない。 近くの枝にも同種の物がひとつ、枝に脚を掛けてしっかり止まっていました。
枯葉に擬態しているのかも知れないけれど、その気になって見ればバレバレです。 そして地表を這うクズの枯れ茎にも・・
この角度では、三角の翅がはっきり確認出来ますので、蛾の一種と判断しました。
試しに指で突いてみたらモソモソ動き出しました。しかしその動きは何とも緩慢。
つのる寒さにじっと耐えていた所を起こしてしまったらしい。
これだけの数が同じ場所にいると言う事は、偶然ではなくて、ばっちり越冬中?。
退屈になるこの先の昆虫観察。追求テーマを一つ見つけた!ならいいのですが・・
※12/10に都内で撮影
長い長い冬の眠りに・・ ― 2015/12/11 21:03
つい最近迄細々と生き長らえていたアキアカネの姿も、ここに来てばったり。
昆虫世界にとっては、春が再び巡って来る迄の長い長い眠りの時の始まりです。 長い冬の眠りを象徴する物のひとつがカマキリの卵鞘です。
様々な場所に産み付けられたものを見つけて歩くのも、これからの楽しみ。
これはかなり前に見つけていたハラビロカマキリの卵鞘です。
その頃には緑の葉に囲まれていたのですが、今やこんな状態に・・
黄色く染まった葉が全て散ってしまうのも、もはや時間の問題と思われます。
小鳥等外敵の目に留まり易い剥き出しの状態で冬を乗り越えて行く事になります。
襲われるか否か、確率的にはどれ位なのやら・・何しろ相手は目がいいからなぁ。 サクラの幹に出来た窪みで目にしたのは、テントウムシの一種の蛹でした。
成虫越冬をする物も多いテントウですが、この様な形での冬越しもあるらしい。
ここは幹の南向きの箇所。弱い冬の陽射しを沢山浴びようと言う知恵が感じられます。
状況次第では冬の間に生まれちゃうかも。この先の要注目ターゲットになりそう。
※12/11と12/10に都内で撮影
結構たくさんいた! ― 2015/12/12 19:32
しかしエリア超限定ですが、意外な程の成果に恵まれました。
場所はセイタカアワダチソウの群落、対象昆虫はナミテントウでした。
背中の紋様に様々なバリエーションがあるのがこの種の特徴。
これは今日見た中で最も複雑なパターンです。
ナナホシテントウ似ですが、星の数ではこちらが断然圧勝って言う感じ。 葉っぱに止まっていたのは、黒地に赤紋四つ。ぐっとシンプルです。 茎に止まっていたのは、更にシンプル。黒地に赤紋二つだけ。
何か全然違う種類に見えますが、以上全てが同じナミテントウの仲間です。
”並み” なんて名前が付いていますが、決して並みじゃないですね、このテントウ。 セイタカアワダチソウに、なぜこれだけ集結しているのかと言う理由がこれ。
枯れかかっているにも拘わらず、ナミテントウの好物アブラムシが依然寄生中です。
生物農薬・ナミテントウの活躍の場ここにありって言う訳。
それだけでなく、日向ぼっこにも最適な場所としても重宝している様です。
この先、厳しい寒さの冬を、成虫のまま乗り越えなくちゃいけないからね・・ ナミテントウにとって、セイタカアワダチソウは正にアイドル的な存在の様です。
でも、揃って枯れ果ててしまうのも、そう先の事ではない筈。
そうなった場合、生活の場をどこに求めるんだろう?。
そのあたりもこの先の観察テーマにしてみたいなと・・
※12/12に都内で撮影