早起きをした野の花で・・2016/01/05 20:39

早起きをした野の花で・・
季節はずれの暖かさを受け、春に咲くはずの野の花がポツポツ開き始めています。
中でも目立つのがタンポポ。これ迄の遠慮気味な咲き方から一転して全開態勢に・・
そうなれば、当然こう言うシーンが繰り広げられる訳。
成虫での越冬が可能なヒラタアブの仲間。吸蜜に大忙しでした。
”花探しに苦労しなくていいから楽ちん。今年の冬は最高だね” って言う所かな・・
(フタホシヒラタアブ)
カラスノエンドウとアブラムシ
カラスノエンドウも早起き。
タンポポに比べると一寸遠慮気味ですが、ピンク色の小さな花が開いています。
この草も昆虫にとって人気抜群!・・と言っても、タンポポとは違う意味で・・
その昆虫とは吸汁性のアブラムシ。
この画像でも、花の下の茎に多数が取り付いているのが確認出来ます。
この種は植物にとっての大敵。汁を吸われた草は次第に衰弱してしまいます。
それにしても、草の早い目覚めを見抜いて登場するとは・・
さすが悪玉は違うなぁ。
ナナホシテントウのアブラムシ退治
”悪玉がいる所、善玉が格好良く参上” と言うのが、自然界に良くあるストーリー。
と言う事で、スポットライトを浴びる善玉が、このナナホシテントウです。
これは別の草で見た光景ですが、今まさに悪玉を退治中の一シーン。
口でくわえて捕食しているのは、緑系の色から判るとおりアブラムシ。
このテントウは成虫のまま越冬しますので、長い冬の間も善玉であり続けます。
普段は陽だまりでの日向ぼっこがメインですが、ここ数日はお仕事に熱中の模様。
実に頼もしい。

※1/5と1/4(ナナホシテントウのみ)に都内で撮影

陽射しが途切れた日に・・2016/01/06 21:19

陽射しが途切れた日に・・
年明け以降、好天が長く続いていましたが、さすがに息切れの様子。
重苦しい雲に覆われがちな一日となりました。
目にする風景も彩りを失ったモノクロの世界。
まさに冬の静寂を象徴する眺めの様に見えますが、実際はかなり賑やか。
その訳とは・・
ムクドリの群れ
背高のポプラの先端に注目するとこの通り。
ムクドリが多数群れて止まり、甲高い声で鳴き交わしていました。
4本並ぶポプラ全てがこの状況なので、そのやかましさは推して知るべし。
冬の寂しさをまぎらす活気溢れる音と言う見方も出来るけど、やはりちょっとね。
開ききらないタンポポ
陽射しが豊かな日には、ガバッと全開ポーズを見せるタンポポも、今日はここ迄。
これでは、蜜を求める虫達への誘引力が全然足りない感じ。
事実、昨日はこのあたりで頻繁に目にしたヒラタアブの仲間の姿もさっぱりでした。
過酷な冬を生きる自然にとっての、陽射しの恩恵の大きさを実感させられました。

※1/6に都内で撮影

今は冬の只中2016/01/07 21:25

今は冬の只中
青空は戻ったものの、陽射しが安定して降り注ぎ続ける迄には至らず。
雲が陽射しを遮ると、途端に寒気があたりに漂い始めます。
三が日を含め暫く続いた暖かさに、つい思い違いをしていたけれど今は冬の只中。
そして、いよいよこれからが寒さのピーク時期。
身構えてと言う訳ではないけれど、風邪だけには要注意だなと・・
枯れ果てたヨシ原で
水辺のヨシ原が枯れ色一色に染まっていました。
これもまた冬只中を物語る情景です。
そんな冬景色の中で目にしたのが、チョウセンカマキリの卵鞘。
画像中央、セイタカアワダチソウの枯れ茎に産み付けられていました。
チョウセンカマキリの卵鞘
カマキリの仲間が産む卵鞘の中では、最もスリムな形です。
この様な細い茎に産み付けられた場合にも、殆ど違和感なくフィットしています。
おまけにこの色が凄い。周囲の草以上に見事な枯れ色です。
枯れ景色を見る事なく死んだ親虫。しかしこうなる事は予測の範囲内だった様です。
生まれてから死ぬ迄、更に産み落とした新しい命に迄、敵を欺く擬態に心血を注ぐ。
大きな自然の中で生きる小さな昆虫のしたたかさを思い知らされる光景でした。

※1/7に都内で撮影

寒さに耐えるだけでなく・・2016/01/08 20:40

寒さに耐えるだけでなく・・
深い冬の眠りに入った感じの自然ですが、やがて訪れる春への備えは着々と・・
良く目を凝らせば、こんなシーンに出会う事も出来ます。
小枝の先、固く閉じていた葉芽が割れて、葉っぱの赤ちゃんが誕生していました。
こう言うのを目にすると、寒さに負けてはいられないなと言う気持ちになります。
一見、芽の様に見えるけど・・
ヤナギの細枝にも、春を待ち望む芽が点々と・・
と、言う様に見えますが・・
ルビーロウカイガラムシ
仔細に観察してみるとこの通り。
芽の様に見えたこれは実は昆虫。植物に寄生して吸汁するカイガラムシの一種でした。
赤いその色から付いた名前が、ルビーロウカイガラムシ。
この様に一旦取り付くと、その場所を移動せず、一生涯、汁を吸い続けるのだとか。
冬の植物は、寒さに耐える苦労以外にも、こんな奴の攻撃にも耐える体力が必要。
無事春を迎える迄には、実に様々な試練が待ち受けているんだなぁと・・

※本日撮影の画像ではありません(1/7に都内で撮影)

時ならぬ花盛り2016/01/09 19:53

時ならぬ花盛り
落葉樹の殆どが葉を落とし尽くして、すっかり寂しくなった木立。
そんな中、一際異彩を放っているのが、水辺のハンノキです。
今まさに花盛りの状態。でも花らしき物が見当たらないけど・・
実はこの画像は花だらけなんです。枝から垂れるカンザシ状の物体が花。
雌雄同株と言う事で、赤い色が目立つこれは雄花序です。
ハンノキの雌花序
同じ枝にある控えめなこれが雌花序。雄花序とは比べ様もない程の小ささです。
こんなに小さな雌にうまく受粉させるには、あれ程の大きさになる必要があるらしい。
雄の花が繰り広げる雌の花争奪戦は、結構熾烈な様です。
カスミカメムシの一種
およそ花らしくないけれど、花と言う事であれば、訪れる昆虫がきっといる筈。
でも、虫が少ない今の時期に、そんなのがいるのかなぁ・・
そんな疑問を抱きながら目を凝らしたら・・いました!。
画像ほぼ中央、すごく地味だけど、虫らしきものの姿が確認出来ます。
その正体はカメムシの仲間・カスミカメの一種と思われます。
何ともひ弱そうな感じですが、寒さに負けずしぶとく生き続けている様子。
カスミカメの吸汁
側面に回ってみたら、こう言う具合でした。
頭をかしげて、長い口吻(ストロー)を雄花序に差込んでいます。
カメムシ多くの食性は植物からの吸汁。その事を今まさに実践中の一コマでした。
眠りについた冬木立ちの中で、時ならぬ花盛り時期を迎えているハンノキ。
このカメムシにとっては、まさに天からの恵みとも言える有難い存在の筈です。

※1/9に都内で撮影