視力の衰えについては・・2016/07/01 20:46

視力の衰えについては・・
梅雨時の雨の恵みを受け、木立の緑がますますその濃さを増しています。
緑の香りに包まれて、樹間の小径を歩く時、ある音が絶え間なく耳に届きます。
それは、”あぁいよいよ夏が来たなぁ” を実感させる例のあの虫の声。
その声の主を探すには、首を大きく曲げて木の太幹を見上げる必要があります。
声の主発見!
と言う事で、今日も実行。そして程なく見つけました。
”えっ、どこに?” って言う感じですが、ターゲットは画像ほぼ中央にいます。
ニイニイゼミ
非常に分かりにくいので、部分拡大してみるとこの通り。
東京では多種に先駆けて鳴き始め、セミの季節の到来を告げるニイニイゼミでした。
小形だし、木の幹の色に巧みに擬態している為、見つけるのは容易ではありません。
私はこれを見つける度に、視力の衰えについてはまだ大丈夫だなとひと安心。
聴力的にもOK。割とか細いニイーニイーと言う鳴き声、バッチリでした。

※7/1に都内で撮影

半夏生の翌日に・・2016/07/02 20:35

半夏生の翌日に・・
昨日スーパーの鮮魚売り場で、タコに特化した売り出しが行われていました。
添えられていた言葉が ”半夏生(はんげしょう)にはタコを食べましょう”。
それにつられて、我が家の夕食のおかずもタコ メインに・・
夏が半分生まれる日って言う風にも受け取れる、半夏生って言う言葉(雑節)。
毎年7月2日って言うイメージだったのですが、今年は7月1日だったんだとか・・
その翌日、本当に夏は半分生まれたのか?・・
実態は半分ではなくて完璧な夏。猛暑に悩まされる自然観察散歩になりました。
元気者のアオスジアゲハも、日陰になりがちな場所でじーっと翅休め。
その気持ち十分に分かるなぁ。
ベニイトトンボの未成熟個体
草の繁みの奥に、何やら鈍く光るものを発見。
そーっと覗き込んでみたら、羽化直後の乾ききらない翅を持つベニイトトンボでした。
まだ軟弱なこの翅にとって、今日の日向の陽射しは余りにもきつ過ぎるみたい。
こうして時間を稼ぐ必要がある様でした。
ショウジョウトンボのオス
さて、ギラギラの陽が射す日向に目を移すと、猛暑何するものぞのツワモノも多数。
代表選手とも言えるのが、水辺にいたショウジョウトンボ・オスでした。
己の縄張りへのヨソモノ侵入を阻止する為、この水草の上でがんばり続ける体制。
暑さ対策として見せるお尻上げポーズも決まっていました。
暑い中、本当にご苦労さん。

※7/2に都内で撮影

親戚筋は続々と・・2016/07/03 21:02

親戚筋は続々と・・
”高温に十分注意を” って言う放送を何度も耳にした日。
この空の様子からも、夏の陽射しがダイレクトに地上に届いている事が分かります。
涼を求めて逃げ込んだ木立からは、しきりにセミの声が湧き上がっていました。
アブラゼミやミンミンゼミの騒々しい声が似合いそうな雰囲気ですが、それはまだ。
耳に届くのは、ちょっぴり清涼感さえ感じられるニイニイゼミの声ばかり。
しかし、今日の猛暑の中では、その効果は全く感じられませんでした。
ベッコウハゴロモ幼虫
ニイニイゼミが先陣を切ってスタートしたセミの季節。
その顔ぶれが揃うのはまだ先の事の様に思えますが、親戚筋は既に続々登場中です。
これもそのひとつ。クズの葉の上で見た白いブラシ。
何が何やらって言う感じですが、これはある幼虫のお尻ビューなんです。
さて、これが成虫になると・・
ベッコウハゴロモ成虫
この通り。画期的に変身して、どことなくセミに似てるかなって言う姿になります。
半翅目/カメムシ目>ハゴロモ科のベッコウハゴロモ。
分類的にもセミとは遠縁ではないし、食性も同様に植物の汁を吸う事。
ただこちらはセミと違って鳴きません。ただ黙々と汁を吸うだけ。
この先、好物のクズのつる等で数多くを目にする様になります。
ベッコウハゴロモ成虫
サイドビューも一枚。細かい縦筋が入った目が特徴です。
何となく忍者みたいな雰囲気が感じられる所が面白いかな・・

※7/3に都内で撮影

真夏の予告編を見た2016/07/04 21:59

真夏の予告編を見た
陽射しの強さと猛暑に閉口して逃げ込んだ木立の中で見た光景を数枚。
まずは、真夏に多く目にする光景の予告編です。
木の幹に取り付いたカナブン。一見休憩中の様に見えますが、実態はお仕事中です。
口吻を木肌に食い込ませてガリガリかじり、樹液を噴出させようと必死。
今日はこんな動作をする個体に数回出くわしましたが、皆、望みは叶っていない様子。
樹液が潤沢に噴出される為には、猛暑の日がもう少し続かないとと言う事かも・・
ハラビロカマキリ幼虫の木登り
こちらも予告編。
これ迄は、草むらを住処としていたハラビロカマキリ幼虫の木登り風景です。
本来樹上性のカマキリなので、本能に突き動かされて ”上を目指せ” となったみたい。
その途上で小さなアリと鉢合わせ。
すわっ!捕獲かと思ったけど、何事も起こらず、すれ違い。
これを見る限り、狩猟の意欲については、まだまだ一人前じゃないなぁと・・
樹上に住む昆虫達にとって、脅威の存在となるのは、まだもうちょっと先の事?。
恐ろしげなハチ
暑い日には、何にもせずに日陰で涼むのが一番。
って言う訳でもないでしょうが、この胴長のハチはこのポーズで固まっていました。
私としては共感できる態度でしたが、この姿からはそれだけで済まない感じも・・
何やら恐ろしい事を起こしそうな雰囲気を漂わす、ちょっと怖めのシルエットでした。
アブラゼミの抜け殻
いつ迄も木陰で涼んでいる訳にも行かないので、木立から抜け出して草むらへ・・
そこで目にしたこれも、これからの展開を予告する光景です。
テカテカに光った真新しいアブラゼミの抜け殻。
いま全盛のニイニイゼミの声をかき消す様な大声の主がいよいよ誕生したと言う訳。
昆虫の世界も、いよいよ真夏に向けて急加速フェーズに入った事を実感しました。

※7/4に都内で撮影

精一杯の自己主張を・・2016/07/05 20:54

精一杯の自己主張を・・
アブラゼミの抜け殻を見かける様になり、いよいよセミの季節も本番へ・・
しかし今のところ耳に届くのは、一番乗りで誕生したニイニイゼミの声だけです。
数としては結構多そうですが、その抜け殻を見つけるのはそれ程容易ではありません。
理由はこの通り。地面すれすれの草の葉裏等にひっそりと取り付いている事が多い。
地上1メートル以下に限定されるという説もある様です。
泥だらけのニイニイゼミ抜け殻
抜け殻の表面は、この様に泥でコーティングされていて、余計に目立ちにくい。
土中から這い出るのでこうなるのは当然の様ですが、他のセミにはない特徴です。
「地上に出た際、外敵の目に止まらぬ様に、自分のオシッコで泥まぶし状態にする」
「外気に触れ、急激に殻が乾燥するのを防ぐ為オシッコで湿らせる・・故に泥だらけ」
いろいろな説がある様ですが、いずれもオシッコに関係ありそうな所が面白い。
ニイニイゼミ成虫
自らのオシッコをフル活用し、用意周到で這い出て来た地上。
しかし、地上での生存期間は、暗い土中で過ごした年月に比べ、余りにも短い。
その生き方に、なんとも言えぬ儚さを感じてしまいます。
だから、今は大声をあげて、精一杯の自己主張をしてもいいんだよ・・
でも、あくまでも遠慮気味で、か細いんだよなぁ、ニイニイゼミの鳴き声。

※7/5(抜け殻)、7/2(成虫)・いずれも都内で撮影