不自由はある筈だけど・・2016/09/01 21:37

不自由はある筈だけど・・
いよいよ九月。”めっきり秋めいて” と言いたい所ですが、暑さは八月の延長線上。
そんな熱気の中、なよなよした秋の草が似合う昆虫たちは順調に成長中・・
・・とばかりはいかない様な・・例えばこのアシグロツユムシ幼虫。
理由は判りませんが、生きて行く上で重要な後脚の片方が欠損していました。
でも葉上に立つ姿はシャキッと・・目指すは秋の昆虫ステージへのデビューの筈。
色々不自由はある筈だけど、この草むらで立派に成長した姿を見たいなぁと・・

※9/1に都内で撮影

憐れむ必要は・・2016/09/02 21:28

憐れむ必要は・・
木立に響くセミの声の弱まりに、秋の訪れを実感した日。
樹下の地面では、その印象を更に強める光景に出会いました。
地面を這うリュウキュウツヤハナムグリ。
光沢の美しさはいつもの通り。しかしこれは既に息絶えた個体でした。
周囲に目を凝らすと、同様の個体が数個転がっていました。
死してなお他の甲虫を圧倒する見事な輝きを放ち続ける・・
夏を精一杯生きた証はそう簡単に消え失せるものではない様です。何とも悲しい。
アオドウガネ
木の葉に止まるアオドウガネ。こちらも微動だにせず息絶えているみたい。
でも、これはこの甲虫のキャラなので、憐れむ必要はなし。
昼間はこうして薄暗い場所で昼寝をむさぼり、陽が沈むと動き出す夜型昆虫。
その生活スタイルのまま9月を迎えたのですね。
生息期間は10月迄とか。もう暫くの間はこんな様子を目にする事が出来そうです。

※9/2に都内で撮影
※LUMIX GM5/LEICA DG MACRO-ELMARIT 1:2.8/45mm

ちょっと嬉しい出会い2016/09/03 20:44

ちょっと嬉しい出会い
再び接近の気配を見せる台風の影響か、来週の予報は雨や曇りマークがほとんど。
今日頭上に広がった秋らしい爽やかな空も、当分の間見納めとなりそうです。
秋の植物にとって雨の恵みは不可欠とは言え、ちょっとね・・
樹液に集まる昆虫達
強い陽射しを避けて逃げ込んだ木立で目にしたのはこんなホットな光景でした。
タブノキの樹液に集まる昆虫たち。
このシーンのキャストはシロテンハナムグリとアカボシゴマダラ。いわば定番です。
両者の相関関係はご覧の通り。樹液スポットを独り占めしているのは甲虫の方。
樹液の量が豊富ならこうはならないのでしょうが、蝶はひたすらイジイジ。
なんだか可哀想に思える光景でした。
ウラギンシジミ・秋型
こちらは、秋の草の葉に止まるウラギンシジミ・メス。
少しリラックスしている様子で、翅を半開きにしていました。
お陰で、魅惑的な水色の斑紋がチラッと・・
裏翅の銀白色と合わせて、いかにも秋の空気が似合いそうなクールタッチ。
なおこの個体は、翅の先端の尖り方から見て、ごく最近羽化した秋型と思われます。
私の誕生月も9月。勝手な想いだけど、ちょっと嬉しい出会いでした。

※9/3に都内で撮影

その先のさらに・・2016/09/04 20:25

その先のさらに・・
空の様子などからは秋の訪れを感じる事が出来るのですが、実態は真夏継続中。
水辺では、夏の主役のひとつ・シオカラトンボの活発な動きが依然続いています。
最近良く目にするのがこんなシーン。獲物を捕獲し摂食中の個体です。
このケースでの餌食はハチの一種と思われます。
飛び回るものも鮮やかにキャッチする。さすがにトンボは違うなぁと・・
ハンノキの幹に注目!
昆虫界の夏はまだ終わっていないけど、既にその先の更にその先に向けての動きも・・
それを実証するのがこの光景。水辺のハンノキの太枝です。
画像ほぼ中央、一寸黒っぽくなっている部分がなんか怪しい。
接近してみると・・
ヨコヅナサシガメの若齢幼虫
こう言う具合でした。ヨコヅナサシガメ(カメムシ)の幼虫が多数群れていました。
黒光りする体色ですが、紅色の模様も見えますので、ごく最近誕生した幼虫の様です。
この種幼虫は秋口に誕生し、幼虫のまま越冬、来春に成虫化するパターンらしい。
ずいぶん気の長い話ですね。まだ秋も本格的にスタートしていないんだけどね・・
私としては、定点観察の目標が出来て嬉しい気分。
でも、この幼虫、結構凶暴で、人を刺すこともあるらしいので気をつけないと・・

※9/4に都内で撮影

弱り目にたたり目2016/09/05 20:54

弱り目にたたり目
コナラの幹にポツポツと空いた丸い穴。いかにもいわくありげな感じですが・・
幹から突き出していた
同じ木の反対面に回り込んで見たら、穴からこんな物が幾つも飛び出していました。
色合いや質感から、昆虫の脱け殻と見て間違いありません。
あの穴は昆虫誕生の痕跡だったと言う訳。果たしてその正体とは?・・
私はすぐにぴんと来ました。
それは、数日前に、この木である光景を目撃していたから・・
スズメバチじゃなくて・・
その光景の主役昆虫がこれ。
一見するとスズメバチの様な体色を持つちょっと恐ろしげな奴。
幹のあちらこちらに止まっては、ある行為を繰り返していました。
それは、スズメバチ等が良くやる樹液摂取ではなくて・・
カシワスカシバの産卵
お尻の先端を幹に密着させての産卵でした。
調べてみたら、これはハチではなくて、蛾の仲間のカシワスカシバ。
この種は、木の幹に産卵し、内部で幼虫を生育させる習性を持っているそうです。
このコナラは樹勢の衰えもあり、樹皮がだいぶ脆くなっている感じ。
これ幸いと多数産卵を繰り返していたんですね。
木にとっては当然嬉しくない行動の筈。
まさに弱り目にたたり目って言う事の様です。

※9/5と9/1に都内で撮影