怖い奴も復活2017/09/01 20:20

怖い奴も復活
やや弱めですが、夏の陽射しが復活した日。
静まり返っていた木立にも、セミ達の合唱音が戻ってきました。
草むらにも、活発な動きを見せる昆虫達の姿が・・
これは細い草の葉を伝う様に飛んでいたアジアイトトンボのオス。
口に何かをくわえていましたので、いつもの通り、顔面迫写をしてみたら・・
アジアイトトンボの捕食シーン
あと少しで完食って言う瞬間ですが、どうやら獲物は小さなハエの様でした。
草の葉を伝え飛びしていたのは、この手の獲物を物色する為だったんですね。
クールな印象を与えるイトトンボ達ですが、こうして見るとワイルド感たっぷり。
やはり素性が顔に出ているかな・・
キボシアシナガバチ
アジアイトトンボとは対照的。見るからにホットな奴も、草から草へ巡回中でした。
キボシアシナガバチの働き蜂。
ここに来た目的は、餌となるイモムシ等を探し出しキャッチする事。
首尾よく発見出来れば、団子状に丸めて巣に持ち帰る役目を担っています。
このデカイ目の視野に入ったら、対象のイモムシは、まさに万事休す。
秋の昆虫ラッシュタイムも目前。何とも恐ろしい殺戮者が現れたもんです。

※9/1に都内で撮影

9月に入った途端に・・2017/09/02 20:40

9月に入った途端に・・
明るい陽射しが戻りましたが、吹く風に、これ迄の様な熱気は感じられず。
開きかけのススキの穂が揺れる光景に、いよいよ秋も本番かなと感じました。
季節感がめちゃくちゃだった今年の夏。9月に入った途端にこの様変わりぶり。
正常路線への復帰が急速に始まったって言う事でしょうか。
石段に止まるシオカラトンボ
強い陽射しを浴び、ハイコントラストを成す石段で目にした光景です。
夏の主役とも言えるシオカラトンボ。表面にへばりつく止まり方で、じーっと・・
こんな休息ポーズもいくつも目にしました。
散々な気象条件の夏を過ごして来て、もはや力尽きたって言う感じでしょうか。
まだまだ早すぎるよって声をかけたい気分に・・
オオカマキリに捕食されたシオカラトンボ
そして草むらでは、あまり目にしたくないこんな光景も・・
はじめは、変な止まり方をしているなと思ったのですが、よく見ればこの通り。
草むらに潜んでいたオオカマキリに捕らえられた個体でした。
シオカラトンボは夏の野の殺戮者。そしてオオカマキリは秋の野におけるそれ。
形勢が完全に逆転した事を物語るシーンと感じました。
それにしても、9月に入った途端になぁ・・

※9/2に都内で撮影

秋めいた空の下・・2017/09/03 20:21

秋めいた空の下・・
青空に浮かぶのは軽快な雲。空の様子がはっきりと秋型に変わりました。
9月に入った途端のこの激変ぶりに、ちょっと戸惑いを覚える程。
このまま爽やかな秋になって欲しいものですが、判りませんね。今年に限っては・・
樹液に来たアカボシゴマダラ
いつもの観察地でこんな光景を目にするのは、本当に久しぶり。
クヌギの幹に止まるアカボシゴマダラ。見難いですが数匹の甲虫も止まっています。
こうしている目的は、幹から浸み出す樹液を吸い取る事。
今年はどの木についても、樹液噴出が芳しくない様で、待ちに待った瞬間の様です。
しかし、集結した昆虫全てがご相伴に預かれると言う訳にはいかないみたい。
甲虫が、樹液スポットに覆いかぶさってしまい、蝶は中々そこに辿り着けない様子。
樹液に目のない蝶たちにとって、食料事情は相変わらず厳しい様です。
イチモンジセセリの求愛行動
アカボシゴマダラは、樹液ゲットに必死。
いっぽう小型蝶・イチモンジセセリは、ラブアタックに夢中。
前方がメス、後方がオスと言うよく見る組み合わせです。
メスがお尻から出すフェロモン臭に誘われて、オスが猛烈なプロポーズを実行中。
それがうまく行ったかどうかは、この後揃って飛び去ってしまったので判りません。

※9/3に都内で撮影

秋雨に濡れても・・2017/09/04 22:00

秋雨に濡れても・・
秋到来を感じさせる晴天は昨日限り。今日は一転して重苦しい雨空に覆われました。
長く降り続くものではないものの、観察地は昆虫の動きも殆どなく、ひっそり。
そんな中で目にした、いかにもこの場の雰囲気にぴったりな昆虫です。
成虫への変身も間近と思われる、ツユムシの幼虫。
さっきまで降っていた雨の名残・水滴を宿す草の葉上に止まっていました。
名前に ”露” って付いている位だから、雨は決して苦手じゃないのよって言う感じ。
イチモンジセセリ
”翅が濡れちゃぁ、仕事にならない” って言う事で、蝶たちの姿もばったり。
そんな静寂の中、セセリチョウの仲間達だけは、結構数多く目にしました。
これは、その代表種とも言えるイチモンジセセリ。
翅に一列に並ぶ白点がその名の由来です。
さて、この種が、なぜ雨をそれ程苦にしないのか・・その秘密は下の画像で・・
イチモンジセセリの顔・毛むくじゃら
顔面に迫ったクローズアップ画像です。
この蝶の特徴は、ちょっと獣を思わせるこの風貌。
ご覧の通り、顔一面に細かい毛がびっしり。顔だけでなく、全身もこんな感じ。
これだと、多少の雨粒は弾いてしまい、体が冷え込む迄には至らない筈です。
イネ科の植物の茎を子育て場所にする蝶。実りの秋はその為の大切な季節。
梅雨時に次いで雨の多い秋と言う季節への対応はばっちりの様です。

※9/4に都内で撮影

秋の草にお似合いは・・2017/09/05 20:47

秋の草にお似合いは・・
秋の草が繁り始めた草むら。そこを住処とする昆虫の顔ぶれにも変化が・・
ころっとした目が可愛らしいこの顔の持ち主もそのひとつ。
ホシササキリの成虫
側面から全体像を・・
スマートな体形が特徴のホシササキリのメス。お尻には産卵管も確認出来ます。
この先の草むらでは、なよなよと風になびく草が主流となって行きます。
そんな秋の草に、ジャストフィットするスリムな姿。
草に似た色の為、見分け難いのですが、目を凝らすと結構多数が生息していました。
アオドウガネ苦戦中
いっぽうこちらは、秋の草にしがみついて悪戦苦闘中。
ササキリとは真逆のでっぷり体形を持つ甲虫・アオドウガネです。
姿勢を変えようとすると、細い草の穂がしなってしまい、今にも落下しそう。
どう言う理由で、この草に止まったのか知らないけど、完璧にミスマッチだね。

※9/5に都内で撮影