冬の風物詩ふたつ2017/12/06 21:45

冬の風物詩ふたつ
火力発電所の排気筒からモクモクと立ち昇る煙・・じゃなくて水蒸気が造る雲。
毎年気温が下がり始める時期になると目撃する光景です。いわば冬の風物詩。
今日は高さ的にはいまひとつでしたが、気温の低下に応じて更に高空まで・・
そんな光景を目にする日も、間近に迫っているものと思われます。
輪郭がくっきり
傾き始めた陽射しを背に受け、輪郭がくっきり浮かび上がっていました。
こちらも、冬の風物詩のひとつ。
ハクモクレンの冬芽
順光状態で見るとこの通り。暖かそうな綿毛に包まれた樹木の冬芽です。
モクレンやコブシ等の芽は、この様に防寒対策ばっちりの姿で冬を越します。
これが割れて、ひらひらと踊る様な花が顔見世をするのは、春の陽射しのもと。
それまでは、寒さに震える日が、うんざりするほど、長く続くんですよね。

※12/6に都内で撮影

匂いを頼りに・・2017/12/07 20:49

匂いを頼りに・・
昆虫との出会いを期待しての散歩も、収穫がほぼゼロの日が増えて来ました。
そんな中でも、”僕らは元気だよ” って言う感じの姿を見せてくれるのがカメムシ達。
成虫で越冬するタフな種が多い為ですね。
有り難いのは、ぷーんと漂う匂いで、遠くからその存在を察知出来る種が多い事。
その代表種がこのマルカメムシ。これはクズのつるで吸汁中の二匹です。
ミナミアオカメムシ
緑色のミナミアオカメムシが張り付いていたのも、木立の中を這うクズのつる。
日向ぼっこ 兼 吸汁に最適な場所を独り占めって言う感じでした。
旺盛に繁茂したクズのつるも、やがてカラカラに乾いて枯れ果てる定め。
汁を吸うなら今の中って言う事かも。
さて、クズのつるが枯れた後、カメムシ達は、どこで食欲を満たすのか?・・
匂いを頼りにしたカメムシ探索が、この先も続きます。

※12/7に都内で撮影

束の間の彩りが・・2017/12/08 20:05

束の間の彩りが・・
樹上にある紅葉の彩り観賞も、クライマックス時期を過ぎた様です。
いま、視線を地表に落とすと、こんな光景がそこここで・・
良くこれだけ大量な葉が付いていたものだなと感心させられる程のボリューム感。
身軽な姿になって寒さに耐えてゆく・・落葉樹はその変身を急加速している様です。
落ち葉の彩り
樹上にあった時より、より一層華やかさが際立つ落ち葉もあるんですね。
しかしこの彩りも束の間の事。すぐに寂しい枯れ色に変わってしまう筈です。
冬にも生きるガガンボ
変身を加速中の木立。その下に僅かに残る緑の草地も静まりかえっていました。
ついこの間まで、それなりの数を確認出来た昆虫の姿もさっぱり。
今日出会えたのは、フラフラと頼りなさげに飛ぶこの脚長昆虫だけ。
素性がいまいち判らないガガンボの一種でした。
こんな貧弱な体形でも、寒さに対する耐性はばっちりの様です。
人は見かけに・・の例えは、昆虫にも当てはまるのかも知れません。
でも、出会った時の手応えと言う点ではね・・

※12/8に都内で撮影

よくぞ、今日まで・・2017/12/09 20:11

よくぞ、今日まで・・
季節の進展と共に激減する昆虫の数。
そんな中、もうダメかなと思っていた物に出逢うと、ちょっぴり感激します。
今日のそれはオオカマキリ。木の葉の繁みで日向ぼっこ中でした。
”よくぞ、今日まで生き延びたね” って声を掛けたくなります。
それと言うのも・・
オオカマキリの幼虫、歩き出す
これは、今年4月14日に初遭遇したオオカマキリの超若齢幼虫です。
草の茎に産み付けられた卵のうから、続々と誕生中だった中の一匹。
数えてみると、今日の遭遇までには、約8ヶ月の月日が流れています。
今日の成虫がこの時期に誕生したとは言い切れませんが、長寿命な事は間違いなし。
このまま年を越しちゃってもいいんだよって思いますが、さすがにそれは・・
オオカマキリの卵のう
今の時期出会える個体は、一大使命である産卵を終え安堵の時を過ごすメスばかり。
その苦心の産物を、色々な場所で目にする事が出来ます。
オオカマキリの場合は、草の茎や低木の繁みに産み付けるパターンです。
これは、ずばりその条件に合致するユキヤナギの繁みで目にした卵のう。
細枝を抱き込む様に、がっちり固定されていました。
チョウセンカマキリの卵のう
近くでは、チョウセンカマキリの卵のうも確認出来ました。
場所選びに腐心するメス達にとって、このユキヤナギの繁みはずばり最適な場所。
この分だと、来春には、ベビーラッシュの光景が見られるかも知れません。
幼虫同士の争いが起きなければいいのですが・・

※12/9に都内で撮影(幼虫の画像は、4/14に撮影し、同日のブログに掲載済み)

気が滅入る2017/12/10 19:51

気が滅入る
流れて来た雲が、西に傾いた陽を覆い隠す様に掛かり始めました。
途端に、空気の冷え込みが一層厳しさを増した感じ。
通い慣れた観察地にも、いよいよ真冬の雰囲気が濃厚に漂い始めました。
ハラビロカマキリのメス
そんな中、しぶとく延命中の昆虫の姿を目にするとほっとします。
これは、陽射しを背に受けて日光浴中のハラビロカマキリのメス。
鎌を構えての戦闘態勢ですが、一時の様に人を威嚇する様な活気はありません。
無事産卵を終え、今は心穏やか。余生を精一杯生き切る段階に入った様です。
ヒメクダマキモドキの悲しい姿
らしくはないけれど、生存中の個体に出会えれば、それだけで嬉しい。
しかし、こんな姿だけは目にしたくないなぁと・・
以前から注目してきた、ヘキクソカズラの葉に止まるヒメクダマキモドキです。
体が固く硬直したまま。更に眼も白く濁ってしまい、既に絶命状態でした。
緑の体色が、生きている時そのままに鮮やかと言う所が、何とも哀しい。
この先、こんな場面に度々出会う事になるのかと思うと、気が滅入りますね。

※12/10に都内で撮影