真夏モードに・・ ― 2018/07/01 21:10
梅雨明けの発表と共に、草むらの風景が一気に真夏モードに突入した感じです。 旺盛な繁茂力を見せるヤブガラシの花に来て吸蜜していたのは、アオスジアゲハ。
青緑色の斑紋が、夏の陽を浴びて一層の輝きを見せていました。
元気な花に、元気な蝶。この組み合わせも真夏を象徴する風景と言えそうです。 元気いっぱいと言えるかどうか・・微妙だったのが、この鼻長昆虫でした。
ゾウムシの仲間・アイノカツオゾウムシと思われます。
細い草の茎を、ヨタヨタと、危なっかしい足取りで行ったり来たり・・
ぎこちない足取りだなぁと、ハラハラして見ていたら、案の定、ポロリと落下!・・
その瞬間、翅が開いてふわりと・・但し、大した飛翔距離じゃありませんでしたね。
こんなドジな奴に出会えるのも、昆虫の数が増えてきた事の恩恵です。
暑さ負けしない様に注意しながら観察を続けたいと思います。
※7/1に都内で撮影
離れすぎ ― 2018/07/02 20:09
網を張るもの、葉っぱの上で待ち伏せをするもの、それぞれのスタイルで奮闘中。
これは網を張るタイプの一つ・コガネグモのメス。
何しろデカイし、色合いも派手なので、目立ち度は抜群。
こんなのに騙される昆虫っているの?って思えますが、自信たっぷりの態度。
この怪しげな模様は、昆虫達を惹きつける魔術の様な力を持っているんでしょうか・・ これは、同じ網に止まっていたオスです。
メスと比べて、体が一回りもふた回りも小さいし、色合いも凄く地味。
体格差は昆虫の世界ではよくある事なんですが、クモでも同じ法則が成り立つ様です。
さらに興味を惹かれたのは、両者の位置関係。その様子を下の画像で示します。 すこし離れた場所から撮影した、同じクモの画像です。
生い茂った草に紛れて見難い為、色付き矢印でメスとオスの位置関係を示しました。
ピンクの矢印の先にいるのがメス。黄色の矢印の先がオスです。
同じ網に止まってるのに、これだけ離れているなんて、かなり異常。
これで本当に夫婦なの?って疑いたくなる位の疎遠ぶりでした。
ベストポジションを占めるのはメス。遠慮して離れた場所にオスと言う図式の様です。
もしかすると、あまり近づき過ぎると、メスに食われる危険があるからなのかも・・
何事も起こらない事を祈りながら、この場所を後にしました。
※本日撮影の画像ではありません(7/1に都内で撮影)
名は体をあらわす?・・ ― 2018/07/03 20:59
しかし、中には、そんな通念を打ち消す様なへんてこりんな奴もいます。
例えばこれ。今の時期、草の葉の上などで良く目にする存在感極めて希薄な奴。
超スリムな体、脚や触覚もこれ以上細くなり様もない位に細い。
付けられた名前はイトカメムシ。ずばり名は体をあらわすの典型でしょうね。 ぽちっとした黒い目が、ちょっぴりチャーミング?・・
さて、眼光鋭い(?)この目を見開いて探し回っている物とは?・・
基本的には植物の汁を吸う食性だそうなので、美味しい汁のありかでしょうね。
でも、こいつ、アブラムシ等の昆虫から体液を吸い取る食性も持っているらしい。
そう言う点からは、肉食性昆虫のひとつと数えてもいい様です。
頼りない姿からは想像できない様な獰猛な奴?。
でもイメージ的には、どうしてもつながらないなぁ・・
※本日撮影の画像ではありません(7/2に都内で撮影)
ボロをまとって・・ ― 2018/07/04 20:34
ひと時も定まらぬその変化の様子を、はかなさの象徴としてとらえる事もある様です。
「蜉蝣」、漢字は異なりますが、同じ読みを当てはめられる昆虫がいます。
それがカゲロウ。そして今日目にしたのはこれ、淡い緑色のクサカゲロウでした。
限りなく透明に近い翅を、力無く震わせて飛ぶ様は、正に陽炎のそれに近い印象。
こんな弱々しい姿で、宿敵の多い昆虫世界を生き抜いていけるのか心配になる位。 この種の幼虫時代の姿を目にすると、だいぶ印象が違ってくるかも知れません。
それがこれ。今の時期、草の葉の上をちょこちょこ歩く姿を良く目にします。
なんじゃこれっ?って言う感じですが、これはカモフラージュ効果によるもの。
そこいらじゅうのゴミを寄せ集めて背中に背負い、正体を隠そうと言う作戦です。
画像右側が頭部です。牙みたいな口吻、それに歩行用の前脚等も確認出来ます。
無事成虫に変身する為に、ボロをまとって、しぶとく生き抜く。
かなり根性の入った暮らしぶりだなぁと・・
成虫時のあの頼りない姿は、幼虫時にパワーを使い果たしてしまった為?・・
※成虫は7/4に、幼虫は7/2に、いずれも都内で撮影
ブロンズメタリックな・・ ― 2018/07/05 20:34
そんな暗い雰囲気を跳ね返す様な輝きを放つ甲虫に出会いました。
草の葉上で休息中のカナブン。正にブロンズメタリックな輝き。
これはどう見ても金属製だねと言いたくなる様な・・ 顔面の迫力も相当なもの。
この顔で肉食性だったら怖い事になりますが、この種はもっぱら樹液愛好派。
人相・否・虫相は、必ずしもその性格を反映している訳ではない様です。 さて、光輝くこの甲虫の幼虫時代の姿は?・・
これと思われます。今、乾いた路面等に無造作に転がっているのを度々目にします。
そんな所に転がっていたら、干上がっちゃうよって心配になる位のドジっぷり。
成虫も、どちらかと言えばどっしりタイプで、機敏な動きを見せません。
姿は違えど、その性格は、幼虫時代からずーっと継承と言う事の様です。
※成虫は7/5に、幼虫は6/30に、いずれも都内で撮影