派手めと地味め2018/12/01 21:19

派手めと地味め
画一的な緑に覆われていた雑木林ですが、今が最も変化に富む時期と言えそうです。
樹々の葉が思い思いの色に色づいて、それぞれの個性を主張していています。
傾きかけた陽射しを浴びて黄金色に輝いていたのは、エゴノキの葉。
ツリガネ状の木の実を付ける姿が注目を集めますが、この派手めな色合いも中々です。
ニシキギの紅葉
一風変わった色づきを見せていたのは、ニシキギの紅葉でした。
葉脈部分だけがくっきり染め残し。これはこれで味かあるかなぁ・・
詳細に観察すると、昆虫の仕業と思われる食痕らしき穴が所々に確認できます。
被害が大事に至らず、紅葉の時期を迎えられたのは、幸いと言えるんでしょうね。
終末期のエノコログサ
華やかな色に染まる樹木の葉に比べて、野草の色づきはずーっと控えめです。
枯れ色とも言える佇まいで風に揺れていたのはエノコログサの穂。
この穂先の常連客とも言えるカメムシの仲間等の姿は既に皆無。
このままカラカラに乾ききって倒れ去る時も間近に迫っているものと思われます。

※12/1に都内で撮影

いよいよ冬本番2018/12/02 20:37

いよいよ冬本番
基本的には晴天なんですが、陽射しを遮る雲が掛かりがちな一日でした。
葉を落とし尽くした木の枝に止まっていたのは、二羽の野鳥。
その甲高いさえずりに、いよいよ冬本番だなぁを強く実感しました。
サザンカの花に来たホソヒラタアブ
暗い風景の中でも場違いな程の鮮やかさを見せていたのは、サザンカの花。
寒さがつのり始める今の時期を敢えて選んで開花する貴重な彩りです。
人はその彩りに心を癒されますが、花芯に接近中のこれは、あくまでも食欲優先。
翅を高速で震わせて空中停止し、蜜源を確認中のホソヒラタアブでした。
冬の間も活動を継続する寒さに強いアブ。勿論この花とはじっこんの仲です。
クズのつるで見たオオカマキリの卵のう
秋には盛んな産卵行動を見せたカマキリ達ですが、既に作業を完了した模様。
母虫の姿はさっぱりだけど、それぞれの苦心作を多く目にする時期に入りました。
これはヒョロヒョロと伸びたクズのつるに産み付けられたオオカマキリの卵のうです。
頼りない感じのする箇所ですが、卵のうを狙う野鳥対策としてはベストな選択かも。
冬の強い風にゆらゆら揺られながら春を待つ。中に眠る幼い命の無事を祈るばかり。

※12/2に都内で撮影

紅葉のサクラの木で・・2018/12/03 21:41

紅葉のサクラの木で・・
サクラ並木の紅葉もフィナーレ目前。
燃え尽きる寸前の炎が見せる最後の輝きでしょうか。
曇天の下でもこれだけの彩りで目に迫ってきました。
サクラの幹にぽちっと・・
そんなサクラの木の一本で昆虫の姿を発見!。それも幼虫でした。
時期からみて期待はしていなかっただけに、驚きの気持ちを強く抱きました。
で、その記録写真を1枚・・なんですが、一体どこにいるの?でしょうね。
実はこの画像は、カメラの接近に気づいて上へ上へと逃げ始めた時点の一枚です。
画像ほぼ中央に写っていますが、木肌の凸凹に紛れて何が何やらかも・・
イチモンジカメムシの幼虫(推定)
逃げ去る前に撮影したターゲットの詳細画像がこれ。
体形から察してカメムシの仲間の幼虫に間違いなし。
この体色から判断すると、イチモンジカメムシの幼虫とみていいでしょうか。
この種はエダマメやサヤインゲンなどの豆類を食害する農業害虫とされています。
その幼虫がなぜ今サクラの木に?。首をひねりたくなる遭遇と言えるかも・・
草萌える時期になったら、近くの草地のマメ科の草を観察して見ようかなと・・

※12/3に都内で撮影

南風が吹いた日に・・2018/12/04 21:44

南風が吹いた日に・・
本来は11月に吹く筈の木枯らし1号ですが、今年はその気配もなく12月に・・
今日遅ればせながら吹いた強風も、なぜかその風向は南から・・
季節感を大いに狂わせる生暖かい南風でしたが、木の葉を散らす力は木枯らし並み。
画像右下に写っている桜並木の紅葉も、かなりの勢いで地上に舞い落ちていました。
サクラの葉の絨毯が・・
樹下の眺めはこの通り。まさにサクラの葉の絨毯が敷き詰められた感じでした。
木枯らし1号がまごまごしているので、南風がその代役を務めたと言う事でしょうか。
サクラの幹に止まるヒメクダマキモドキ
激しい落葉を見せる桜並木で目にした、異質な雰囲気を漂わす緑色。
サクラの木の太幹に止まるキシギリスの仲間・ヒメクダマキモドキ・雄でした。
この種は基本的に樹上性。ここにいて不思議はないけれど、問題はその状態。
じーっと固まって微動だにしません。良く見ると右の後脚が欠損していました。
生存期間は11月迄とか。最早そのリミットを越えたヨレヨレの状態だったのかも・・
遠ざかりゆくヒメクダマキモドキ
それでもカメラの接近に気づいて、上方を目指して移動を始めました。
片脚が欠けている為に思う様に進めない感じ。その動きは極めてスローでした。
ゆっくりとフェードアウトする映像を見ている気分に・・
この木でこのオスに出会える機会は、今日が最後だったのかも知れません。
今の時期の昆虫との出会いは、何がしかの寂しさを伴う物なんですね。

※12/4に都内で撮影

それぞれの日向ぼっこ2018/12/05 21:57

それぞれの日向ぼっこ
サクラの幹に止まるハラビロカマキリ雌。このポーズのまま固まっていました。
傾き始めた西陽の方角に背中を向けて、日向ぼっこの心地よさを堪能中だったみたい。
産卵と言う重要任務も終えて、今はのんびり余生を過ごす時期に入った様です。
ハラビロカマキリの日向ぼっこ
緑色の体色が幹の褐色と高コントラストを成して、かなり目立っていました。
でも、この際、そんな事は気にしていられない。
陽射しの暖かさを享受する事が最優先の様でした。
ガガンボも日向ぼっこ
でっぷり体形のハラビロカマキリは、陽射しを浴びる効率がかなり高そう。
でも、この超スリム体形を持つ昆虫の場合は?・・
樹下に敷き詰められたコケの上に止まっていたガガンボです。
じーっと動かなかった所を見ると、カマキリ同様日向ぼっこを楽しんでいたみたい。
ガガンボの頭部
カマキリ比、存在感では完璧に負けてますが、頭部を拡大してみるとこの通り。
ちゃんと触覚があるし。大きな黒目もある。必要パーツは全て揃っていますね。
寒さが厳しさを増すこれからは、この様な貧弱体形の持ち主の方が有利なのかも・・
虫は見かけによらないの代表例と言えるかも知れません。

※12/5に都内で撮影