夏草繁る場所で・・2019/06/01 20:21

夏草繁る場所で・・
背丈を伸ばした夏草が圧倒的なパワーで目に迫ってくる草地。
この先、雨の恵みを受ければ更に・・
気軽に足を踏み入れるのも今のうちと言う事で、目を凝らして観察したら・・
キリギリス幼虫の脱皮シーン
まず目に飛び込んで来たのがこれ。キリギリス幼虫の脱皮シーンでした。
足元には、たった今脱ぎ捨てたばかりの抜け殻が残されています。
その大きさに比べて、確実に一段大きさを増した幼虫。
しかしこれでもまだ成虫レベルではない筈。完成形になる迄、あと何回?・・
それらの脱皮が無事進行する事を祈るばかり。
アカマダラメイガ
こちらも脱皮風景の様に見えますが、どうもそうではないみたい。
草の葉裏で、お澄まし顔(?)をして翅休め中の蛾・アカマダラメイガ。
何でひっくり返ってるの?って首をかしげたくなりますが、これが自然体?・・
蛾の仲間はけっこう曲者揃いなんですが、これもその一例と言えそうです。
ベニイトトンボ
陽射し豊かな表舞台より、少し日が陰る場所の方がお好み?・・
そんな風に見えるこれは緑に映える紅の体色を持つベニイトトンボです。
今日も、日陰になる草地をゆるやかに飛翔していました。
同じく日陰愛好派の昆虫を捕らえるのが、ここに来た目的?・・
自然観察者にとっては、ほっと一息つける日陰ですが、意外とホットなのかも・・

※6/1に都内で撮影

形勢逆転は?・・2019/06/02 20:17

形勢逆転は?・・
目を凝らして見ると結構たくさん。草むらに於けるオオカマキリ幼虫の生息状況です。
一つの卵のうから驚く程多数の幼虫が誕生しますので、これは当然の流れ。
それぞれが本能に導かれるまま、獲物探しに奔走中です。
邪魔な奴が来たと、カメラを見返す視線の強さはかなりのもの。
吹けば飛ぶような貧弱な体だけど、気の強さだけは既に成虫並みです。
オオカマキリ幼虫、小物を捕食中
ハンティングスキルも日増しに向上している模様。
これは、”早く大きくなる為にはじゃんじゃん食わないと” を実践中の一コマです。
ただ、現状、捕獲するのは自分の体に見合った小型の昆虫だけ。
当面、アリや小型のハチあたりが被害をこうむる事になりそうです。
オオカマキリ幼虫とホソヘリカメムシ
その事を実証するシーンがこれ。
自分の体の何倍もあるホソヘリカメムシに対しては、この通りそっぽ向きで無関心。
カメムシも警戒のそぶりを見せず ”なんだあのチビ!って” 余裕のポーズですね。
さて、この形勢が逆転するのは、いつ頃?・・

※6/2(上段2画像)と6/1(下段画像)に都内で撮影

決して侮れない2019/06/03 20:13

決して侮れない
夏草が繁る草むらで、ふと目に止まった物体。
背景の緑色と好対照をなす色合いだから気づけた超微小物件でした。
網の中心にいた超小型の蜘蛛
拡大して見るとこの通り。網の中央で獲物の到来を待ち受ける蜘蛛の幼体でした。
小さいながら網の張り方は精密で、既に一人前の出来。
自信たっぷりに ”獲物よさぁいらっしゃい” の態勢をとっていました。
でも、大き過ぎる獲物だと、この繊細な網は壊れてしまうかも・・
手頃な虫よ引っ掛かれって言う狙いでしょうが、うまい具合に行くかどうか・・
蜘蛛の幼体、獲物をゲット!
幼体とは言え、昆虫にとっては、侮れない存在である事に違いはありません。
事実、捕獲成果は上々の様子に見えました。
これは、草の葉の間に透明に近いハンモック状の網を張っていた別種の小さな蜘蛛。
手頃な獲物をゲットして、してやったりの一コマです。
こうした幼体も、真夏に向けて着実な成長を遂げて行く筈。
昆虫達にとって厳重警戒の日々がいよいよスタートです。

※本日撮影の画像ではありません。
円網の幼体は6/2に、ハンモック網の幼体は6/1に、いずれも都内で撮影

はかなげとゴツいのと・・2019/06/04 21:08

はかなげとゴツいのと・・
ドクダミの花に来る昆虫の代表格と言えば、吸蜜にやってくるアリが挙げられます。
今日もその通りでしたが、この穂先にはかなり風変わりな奴が止まっていました。
やたら細長い体にシマシマ模様。いったい何者かと詳細確認をしてみたら・・
セスジユスリカ
これ。ユスリカの仲間・セスジユスリカでした。
釣り餌として重用されるアカムシの羽化した姿がこれと言うわけ。
成虫の寿命は長くて一週間とか。細く長くではなく、細く短くの生き方なんですね。
存在感希薄な、はかなげな姿。その生き方を象徴している様にも感じられました。
トホシオサゾウムシ
はかなげな奴もいるけれど、こんなにゴツい奴もいるのが昆虫世界の面白さ。
食草であるツユクサの葉に止まっていたトホシオサゾウムシです。
小さいけれど、メタリック感を漂わせる赤銅色のボディの迫力はかなりのもの。
ゾウムシの仲間内でも、見栄えの凄さと言う点では、上位にランクインしそうです。

※ユスリカは6/4に、ゾウムシは6/2に、いずれも都内で撮影

ダマシの効果は?・・2019/06/05 19:11

ダマシの効果は?・・
ジョロウグモやコガネグモ等、大型の蜘蛛の登場迄にはもう少し時間がかかりそう。
今は、小型の蜘蛛や成長途上の幼体を多く目にする時期と言えます。
迫力では大型種にかないませんが、生き様が変化に富んでおりそれなりに楽しめます。
これは鮮やかな緑色の腹部が印象的なサツマノミダマシ。
サツマとはハゼノキの別称。その実にそっくりなのでこの名が付いたらしい。
木の実に擬態して昆虫を騙す。中々芸が細かいのですが、実際の効果の程は?・・
葉っぱの上に浮遊するクサグモの幼体
この赤い蜘蛛の場合は、葉っぱとの相関関係に注目です。
葉っぱに止まっている様に見えますが、蜘蛛の下に出来た影が何となくおかしい。
葉っぱに止まっている場合は、はっきりとした影ができる筈ですが、薄ぼんやり。
それもその筈、この蜘蛛は空中に浮いています。
正確に言うと、葉っぱの上に張った細かい網上で獲物の到来を待っていると言う訳。
この画像では、蜘蛛の上方に見える白く薄ぼんやりした物がその網です。
知恵を絞って編み出した捕獲作戦なんでしょうが、蜘蛛自体の目立つ赤色が何とも・・
(クサグモの幼体)

※6/5に都内で撮影