えらく時期外れの・・2019/12/01 20:11

えらく時期外れの・・
カラカラに乾いてうなだれた野草。
一面、緑に覆われていた草むらも、終末期の様相を見せ始めています。
再び緑が蘇るまでには、気が遠くなる程の長い時間が必要。
自然観察にとっては、最も厳しい時期に差し掛かったと思えるのですが・・
褐色タイプのオンブバッタ幼虫
まだ、諦めるのは早過ぎだよと言いたげな者の姿が・・
・・と言うか、えらく時期外れの昆虫に出会って、びっくり!。
ぴんと跳びはねて、枯れ落ち葉に止まったのは、オンブバッタの幼虫でした。
オンブバッタ幼虫が大挙して誕生するのは、初夏の頃と言うのが通例です。
厳しい寒さの冬が目前に控えている今に?・・どう見てもおかしいなぁと・・
緑色タイプのオンブバッタ幼虫
草むらの中でも、このエリアに限っての特異現象なんでしょうか。
前日には、緑色タイプの幼虫の存在も確認しています。
このエリアに限っては冬知らず?・・そんな筈はないと思うのですが・・
過去にも同様の目撃をしていますが、いつも間にか波が引く様にバッタリ。
気候を含めた自然の節理には逆らいきれないのが、野に生きる者の宿命と思われます。
せめて、命尽きる迄は、元気に跳びはねろよ!・・そんな気持ちで見つめました。

※緑色タイプのバッタは11/30に、他の画像は12/1に、いずれも都内で撮影

心に留めておきたい・・2019/12/02 20:22

心に留めておきたい・・
日増しに強まる寒さを受け、樹々の紅葉が急速に進んでいます。
その中でも、鮮やかさで最も高ランクに位置すると思われるのがカエデの紅葉。
台風の来襲によりひどく損傷した葉も多いのですが、それでも全盛時の今はこの通り。
見る者を圧倒する様な迫力で目に迫ってきます。心に留めておきたい晩秋の彩りです。
逆光状態で見るカエデの紅葉
個々の葉を観察すると、単調な紅色と言う訳ではありません。
逆光条件でクローズアップして見ると、この通り。
黄色と紅色の複雑な混合を確認出来て、中々に味わい深い。
この色合いを鑑賞出来るのも、色づきが進む今の時期ならではの楽しみです。
アキアカネの日向ぼっこ
心に留めておきたい紅色がここにも・・
数が著しく減ってしまい、今や希少価値を帯び始めたアキアカネのオス。
陽射しを目一杯浴びようと、フラットな姿勢で日向ぼっこを楽しんでいました。
これは陽射しが豊かに降り注いだ昨日目撃した光景です。
今日・12/2は、一転しての雨空。
細々と生き続けるアカネ達にとり、致命的なダメージとならなかった事を祈るばかり。

※本日撮影の画像ではありません(12/1に都内で撮影)

見上げて見下ろして・・2019/12/03 20:33

見上げて見下ろして・・
木立の中から見上げる空は見通し極めて良好。落葉樹の枝に付く葉も残り少な。
冬景色の完成迄あともう一歩と言う所まで季節が進みました。
ヤツデの花で吸蜜するハチとアリ
見上げる風景がこうと言う事は、足元の眺めは推して知るべし。
散り落ちた葉が降り積もり、枯葉色の絨毯の面積が拡がり始めていました。
そんな中、ひとり異彩を放っていたみずみずしい存在が、ヤツデの花。
花の数が減る一方の今、蜜を求める昆虫にとっては正に救いの神的存在の筈。
今日は、頑丈そうな体型のハチが、花にしがみついて吸蜜していました。
近くには、同じく常連客と思われるアリの姿も確認出来ました。
ヤツデの葉に怪しい物影が・・
花は人気絶頂!・・しかしそれには目もくれず、肉厚の葉にご執心の者も・・
画像ほぼ中央の葉上にひっそりと止まる怪しい物影がそれ。
でも、あまりに小さくて、素性がはっきりしないので、拡大してみると・・
ヤツデキジラミ成虫
正体は、これ。カメムシの親戚筋・ヤツデキジラミでした。
二本の触覚や翅も確認出来ますので、極小ながら昆虫としての資質はバッチリ。
この種の食性は、肉厚の葉から液を吸い出す事。
大柄なヤツデの葉っぱ。いくら吸っても吸いきれないと言う事でしょうね。
今日の確認は1匹だけでしたが、この先、目撃個体数が更に増加していきそうです。

※12/3に都内で撮影

それぞれが自慢の口器で・・2019/12/04 20:19

それぞれが自慢の口器で・・
旬の花・ツワブキに止まるツマグロキンバエ。
美味しい蜜をたっぷり吸って、一息ついている瞬間のショットです。
顔先端の花粉まぶしのくにゅっと曲がった部位が口器。
”蜜をたっぷり吸わせてあげるから、花粉もばっちり媒介してね”
このぶっとい口器なら、そんな花の要望にもしっかり応えられそうですね。
ヒラタアブのスタンプみたいな口器
同じツワブキの花に止まるヒラアアブの口器は、こんな形。
先端がほぼ平ら。ぺったんと紙に刻印をするスタンプに近い雰囲気でした。
この形から推察すると、吸蜜の作業効率はかなり良さそうですね。
ヤツデの花で食事中のアリ
それぞれが自慢の口器を駆使して、吸蜜に励む昆虫達。
今が盛りのヤツデの花の常連客・アリ達についても同じく?・・
と言うか、このショットから推察すると、ハエやアブとは全く異なる様にも・・
花に差し向けているのは、ぱかっと開いたハサミを連想させる形の口器。
この光景からの推察では、蜜を吸うと言うより、カミ切ってしまう食事法かも。
事実の検証には、更に詳細な確認が必要ですが、対象が余りに小さ過ぎて・・

※12/4に都内で撮影

向こう側?手前側?・・2019/12/05 20:24

向こう側?手前側?・・
”地方により気象に大きな相違が見られる” 冬の特徴であるそんな傾向がいよいよ・・
今日の東京は、気持ちよく晴れわたった空が安定して続きました。
イチョウの紅葉も、明るい陽射しを浴びて、一段の冴えで目に迫ってきました。
冬姿一歩手前の木
ほんのりと茜色に染まり始めた雲。日の暮れの早まりを物語る光景です。
その空に向かって突きあがるケヤキの木、丸裸一歩手前の姿に変身していました。
今は紅葉の美しさを競っている他の樹木も、それほど時を置かずにこの姿に・・
12月に入った途端、自然の変貌が急に加速した感じ。さすがに師走ですね。
常緑樹の葉で日向ぼっこ中のハエ
常緑樹は、そんな変化とは無縁で安定した姿を維持継続中。
その葉の一枚で目にしたシルエットがこれ。かなり太めな体形を持つハエでした。
他の昆虫が息を潜めるこれからの時期も、活動を続けるタフなやつ。
そのパワーを維持するには、こうした場所での日向ぼっこが不可欠と言う事らしい。
ところで、君は、葉っぱの向こう側にいるの?、それとも手前側?・・
撮影しながら首をひねりました。冬の斜光の強烈さはやはり相当な物ですね。

※12/5に都内で撮影(α6000/18-200mm)