褐色の世界で ― 2012/12/18 21:03
大豆の原種・ツルマメの鞘が、傾いた陽を浴びて不気味に浮かび上がっていました。
こんな荒涼とした風景の中で、昆虫の姿を探すのは到底無理そうだけど・・ じーっと目を凝らせば、僅かにですが小さな生命の存在を確認する事が出来ます。
昨日の雨の名残を残す枯れ葉に止まっていたのは超ミニサイズのハエ。
雨滴に顔を近づけて水分補給をしていました。 とにかく小さ過ぎて、発見の手応えと言う点ではいまひとつ。
しかし良く観察してみれば、結構チャーミングかも。
この角度からだと、背中に羽根をもつエンゼルの様に見えなくもないかと・・
冬の間も、この種の小さなハエは元気に生き続けます。
今後も注目して行こうと思います。 葉を散らしたカエデの小枝にクロスズメバチが止まっていました。
小さなハエに比べれば、手応えは十分。
でも何となく様子がおかしい。接近するカメラへの反応が全くありません。 結論的には既に絶命している個体でした。それも極めて悲惨な形で・・
小枝の先端が身体に突き刺さっていました。このシーンを作り出した犯人はモズ。
いわゆるモズのはやにえ。捕らえた獲物を一時的に保管しておく行動です。
以前同じ様に犠牲になったケラを見ましたが、今回のは俊敏な動きをするハチです。
モズのハンティング能力の高さを改めて思い知らされました。 寂しい草原ですが、僅かに生き長らえている秋の草を目にする事があります。
これはコセンダングサ。殆ど生気を失った状態でしたが、この緑を求める者あり。
茎にびっしりとアブラムシが取り付いていました。
そこに登場したのがアリ。アブラムシのお尻から出る汁を求めての来訪です。
アブラムシも心得たもので、お尻をくいっと上げて甘露をプレゼントしていました。
この相互協調関係、まだこの先暫くは続くのでしょうか。
※12/18に都内で撮影