公園で色を楽しむ ― 2013/12/06 21:19
公園の樹々の冬ごもり準備が急ピッチで進んでいます。
風も無いのに次々と舞い落ちるイチョウの葉。黄色の絨毯を敷き詰めたみたい。 紅葉の真打ちとも言えるカエデの葉。
常緑樹の葉越しに射す木漏れ日を浴びて、鮮やかに浮かび上がっていました。 黄色から紅色へ・・変色の途上にある葉もまだ多く見受けられます。
このペースだと、まだもう暫くは代表的な紅葉の美を楽しめそう。 公園の池で、カワセミが小魚ハンティングをしていました。
その体色の鮮やかさは、紅葉のそれに負けない位。
退屈になって行く自然観察ですが、これからは野鳥も要注目の被写体の一つ。
この先もこの池で何度か出会えればいいのですが・・
※12/6に都内で撮影
今日の収穫は? ― 2013/12/07 20:56
目にも止まらぬ程の小さな蜘蛛。丁寧に網を掛けてみたものの収穫はさっぱり。
そろそろ店じまいの時期が近づいている様に思えます。 つるを四方に巡らせて繁茂したヘクソカズラも、今や小さな実を残すだけ。
からからに乾いた実は、草むらの今を象徴する様な渋い色合いです。 エノキの樹下に降り積もった落ち葉。その一枚に違和感を感じ、接近して見ました。
そして見つけたのがこれ。まだ生まれて間もないオンブバッタの幼虫でした。
終末期を迎えた元気のない成虫は目にしますが、この時期にこれに出会うとは・・
もしかして幼虫で越冬?・・温暖化とは言えさすがにそれは無理な様に思えます。
かなり気掛かりな光景でした。 冬の花サザンカが本格的に開き始めました。
寒さがつのる時期を敢えて選んで咲く花。
優しい花形からは窺い知れない強い生命力を秘めている様です。 この花は昆虫観察者にとっても、有り難い存在です。
冬を生きる昆虫が蜜を求めて集まります。
今日の訪問客はアリ。花芯に潜り込んでしきりに蜜を舐めていました。
近々、アブやハチの姿も目に出来る筈。
※12/7に都内で撮影
冬がレベルアップ ― 2013/12/08 21:26
冬がもう一段レベルアップした感じ。
葉を散らし尽くしたクヌギ越しにひろがる空も冬の表情を漂わせていました。 草むらの今を象徴する眺めです。
除草されて積まれた草もからからに乾いて、もはや生きる物の気配は無し。
と思ったのですが・・ 枯れ草を伝ってぴんと飛び跳ねる物あり。
そーっと近づいてみたらササキリの仲間の若齢幼虫でした。
ササキリの越冬形態は卵の筈。何かの間違いで生まれてしまった様です。
今の時期、この種に限らず、時期外れの幼虫を目にする事が良くあります。
それを目にする度に、やるせない気持ちになります。 ナナホシテントウ等のテントウムシは、成虫での越冬も可能です。
出会えて当然なのですが、見つけられればやはり嬉しい。
今日はセイタカアワダチソウの綿毛に潜り込む姿を目にしました。
ほかほかと暖かいかどうかは判りませんが、ぐっすり寝込んでいる様子でした。 いかにもひ弱そうですが、ガガンボの仲間は意外と寒さに強いみたい。
冬の草むらでも割と頻繁に目にする事が出来ます。
いつも感心するのは、この開脚ポーズの見事さ。
これだけ脚が長いと、どんな所でもひょいっと止まれちゃうんですね。
※12/8に都内で撮影
今季一番の寒さに ― 2013/12/09 20:44
最終盤を迎えた公園樹の紅葉。
晴れ日とは違う落ち着いた雰囲気で目に迫って来ました。 弱い光の中でも、精一杯の存在感を主張する紅葉もあります。
程なく色を失い散る事を思うと、余計に愛おしさを感じます。 サクラの樹下は既にこの状態。
落ちた後暫くは鮮やかさを残していた葉も乾いた枯れ色に変っていました。
正に落ち焚きに最適・・とは言え消防法絡みでしょうか。今や死語に近いかも。
これで焼いた焼き芋のうまさを思い出すと、いかにも惜しい。 当然のことながら、樹上の枝は丸裸の冬姿に変っていました。
散った葉の代役として、賑わいを見せていたのはスズメの群れ。
個々に観察してみると、寒さを除ける為に羽毛を立てて身体を膨らませています。
冬の季語ともなっているふくら雀。今日の寒さを象徴している姿でした。 寒い時期を敢えて選んで咲くヤツデの花。静かに見頃を迎えています。
見方によっては、花火の様に見えなくもないけど、そんな華やかさを一切なし。
冬に咲く花ならではのキャラクターなんですね。
※12/9に都内で撮影
冷たい雨のその後に ― 2013/12/10 20:16
濡れ落ち葉の上に、サザンカの花びらが沢山散り落ちていました。
まだ咲き始めたばかりと言う感じですが、冬の花は散るのも早い。 同じく冬の花・ヤツデに宿る雨滴。
冬の雨は、厳しい寒さも一緒に連れて来るので、身体にきつい。
この花もじっと耐えている様に感じられました。 雨と風のせいで壊れたのか、ジョウロウグモの網はめちゃくちゃの状態。
おまけに腹の足しにもならない枯れ葉まで引っかかって・・
蜘蛛としては完全に戦意喪失って言う感じ。
昆虫観察者にとっては憎まれ役のこの蜘蛛。その寿命も終焉間近でしょうか。 これは12月3日に撮影したユキムシ(雪虫)の飛翔画像です。
中々実態がつかめない昆虫なんですが、今日ようやく・・ 白い物がふわふわ飛んでいるなと言う事で、追跡したところ枯れ草にふわり。
飛ぶ様子は空中に漂う白い塵にしか見えないのですが、しっかり翅も脚もある。
昆虫としての体形の要件は完全にクリアーしている事が確認出来ました。 横に回り込んでみたらこの通り。
黒い身体が綿状の白い物質で覆われていることが判ります。
飛翔する場面では、この白だけが目に止まるので、塵の様に見えるのですね。
体長5ミリ弱、俗称:しろこばば、しろばんば等。アブラムシの仲間です。
※12/10に都内で撮影(参考画像は12/3に撮影)