頼り甲斐のある・・2016/02/06 21:34

頼り甲斐のある・・
越冬中の小さな生命にとって、でんと構える太い樹木は頼り甲斐のある存在の筈。
例えばこれ。太い幹に出来た窪みに身を潜ませるカタツムリです。
少し不明瞭ですが、その下には白い綿状物質にくるまった蜘蛛の卵も確認出来ます。
この窪みはかなり深いので、北風の直撃を避ける効果も期待できる筈。
春が来るまでの就寝場所としては、まさに理想的な環境と言えそうです。
ヒメホシカメムシ動いてた
眠っているものばかりでないところが、冬の自然の奥深さ。
木の幹のじっくり観察では、活動中の昆虫に出会う事も度々です。
今日の出会いは、ユニークな背模様を持つヒメホシカメムシでした。
動きはノロノロでしたが、クスノキの幹のゴツゴツの木肌をうまく伝って歩行中。
餌探しと言うより、眠ってばかりじゃ、身体が鈍るからねって言う事かも・・
頼り甲斐のある太い樹木は、就寝場所としてだけでなく運動場としても好適らしい。
さて、次はどんなのに出会えるかな?・・

※2/6に都内で撮影

意外なお宝が・・2016/02/07 21:05

意外なお宝が・・
快晴の冬空に向かって突きあがる巨木。
殺伐としていて、自然観察の対象としては、いまいちの様に思えますが・・
ギンシャチホコの繭(推定)
決してそんな事はありません。
接近して細部を観察してみると、結構興味深い物に出会える可能性が大。
これは幹の木肌に、何となく違和感を感じて注目した物体です。
二つ並んだ卵型の右側の方に、丸い穴が空いていましたので、ぴんと来ました。
シャチホコガの仲間・ギンシャチホコの繭(まゆ)と判断。
丸い穴が空いている繭は、既に用済みの様ですが、問題は左側の繭。
穴無しで塞がったままと言う事は、まだ中に内容物あり?、それとも孵化失敗?・・
環境的には同一、形もそっくり。何故こんな差異が生じてしまったのかに興味深々。
イボタロウ
低木イボタノキの枝に残雪が・・ではなくて、これも昆虫のしわざです。
イボタカイガラムシが、蝋状の物質を分泌して作った新しい生命の寝床。
表面に小さな穴がポツポツ空いていますが、これは虫が抜け出した痕と言う訳。
因みに、これを採取して、敷居滑りや家具等の艶出しに利用する事があるそうです。
更に、疣(いぼ)取り薬としての効能もあると言うから凄い。
殺風景な冬の野にも、意外なお宝が潜んでいるんですね。

※2/7に都内で撮影

落ちる実と落ちない実2016/02/08 21:28

落ちる実と落ちない実
枝からつり下がった小鈴が、寒風に吹かれて、チリンチリン・・
そんな情景をイメージしたくなるのが、このプラタナスの実。
こんな遅い時期迄実を付け続ける木は少ないだけに、現状かなり目立っています。
しかし、これらの実も、やがて地上に落下してバラバラに砕けてしまう運命。
そうなると更に寂しくなるだろうなぁ・・冬木立。
クヌギエダイガフシ
クヌギの枝に実ったこの実は、いつまでたっても落下しません。
それもその筈、これは木の実ではなくて、昆虫が木に産卵して作らせた虫こぶです。
名前はクヌギエダイガフシ。犯行に及んだのはクヌギエダイガタマバチと言う蜂。
細かい毛に覆われたこの塊の中には、やがて誕生する新しい生命が眠っています。
それらが誕生するのは5月下旬頃とか。
クヌギにとっては鬱陶しくて堪らない日々が、まだまだ長く続きます。

※本日撮影の画像ではありません(2/7に都内で撮影)

豊かな陽射しに騙されて・・2016/02/09 20:26

豊かな陽射しに騙されて・・
陽射しが豊富な割には、肌で感じる空気の冷たさは典型的な真冬タイプ。
その寒気を作り出していたのは、浮かぶ大きな雲さえも足早に動かす強い風でした。
やがて吹くであろう春一番の事をふと思い浮かべたのですが、流石にそれは早計。
枯れ色の草に覆われた水辺の風景が、まだずーっと先の事だよって告げているみたい。
水辺に来たコサギ
そんな水辺で目にしたのは、餌漁りのコサギ。
こちらも豊かな陽射しに騙されて、しめしめと言う感じでやって来たらしい。
枯れ草越しの水面に目をやりながら、行ったり来たり・・
コサギ怒る
でも、水中の獲物の動きは、期待したほど活発ではなかった様です。
時々こんな怒り(?)の表情を見せていました。
私が勝手に考えたセリフは ”小魚出てこい!”
”今日はいけると思ったのに、無駄足だよぉ、ほんと頭にきたなぁ” って言う風にも。
その気持ちは観察者も同様。本当の春、早くやって来ないかなぁ・・

※2/9に都内で撮影

春の兆しが・・2016/02/10 21:07

春の兆しが・・
北西からの強風を受けて、冬木立の枝がヒューヒュー呻り声を上げていました。
こんな光景を見る限り、春はまだ遥か遠くにありと思えるのですが・・
若草が顔を覗かせていた
足元に目を転じて見ればこの通り。
降り積もった落ち葉の中から、確かな春の兆しがひょっこり顔を覗かせていました。
枯れ色を見慣れた目には、とびきり鮮やかに感じられる若緑色です。
やがて形勢が逆転して、緑色の範囲が目覚ましく拡大する事は間違いありません。
寒風が止んで、豊かな陽射しが当たり続ければ、そんなに先の事ではなく・・
ハラビロカマキリの卵鞘・南向き
太い木の幹では、ハラビロカマキリの卵鞘が春の訪れを心待ち?・・(画像中央)。
ここに来て、日の暮れがだいぶ遅くなった事を実感します。
幸いな事にここは幹の南向き面。親虫が産卵場所を熟慮して選んだ結果です。
明るい陽射しを一日中浴び続ければ、誕生一番乗りも夢ではないかな?・・

※2/10に都内で撮影