隙間だらけ ― 2016/12/06 20:04
木立の中から上空を見上げたら隙間だらけ、すっかり見通しが良くなっていました。
まだ枝に残る葉が落ち尽くすのも最早時間の問題って言う感じ。 その一角だけが、異質な程の華やかな雰囲気に包まれていた場所。
紅葉する木の代表とも言えるカエデの樹下でした。
同じ樹種であっても、陽当たり等の条件で葉の色づきの進展度に差異が生じます。
この木はまさに今が最盛期。目に焼き付けておきたい秋の名残、紅色の競演でした。 華やかな紅葉の時期が過ぎれば、寂しい冬景色に変貌するのが当然の流れ。
そんな中、冬のその先を見据えた次世代への命の継承も着実に進められています。
これは紅葉も今が盛りのカエデの木の幹に産み付けられたジョロウグモの卵嚢です。
陽射しが安定して降り注ぐ幹の南面、白い綿状の糸でしっかり固定されていました。
この用意周到さを見れば、昆虫達にとって来季も脅威の存在であり続ける事は確実。
自然界のサイクルは今年も順調に進んでいる様です。
※12/6と12/5に都内で撮影
散り急ぐ頃 ― 2016/12/07 21:45
日暮れに急かされて・・ ― 2016/12/08 21:20
日没寸前の空の表情のバリエーションが思いのほか豊か。
名画家の画才を以てしても、表現しきれない様な筆づかいを見せてくれます。
今日の夕空もまさにそれ。
しかしこれもほんの束の間の事。それを楽しむタイミングが非常に難しい。 さて、肝心の自然観察の方はと言うと・・
傾いた陽射しに焦りを感じて這いつくばった草地。そこで目にしたワンポイントです。
数少ない草の茎に止まるヒメカメノコテントウでした。
草が生えている限りしぶとく生き延びるのが、この種の好物であるアブラムシです。
それを捕獲中だったのかも知れません。
細々としたそんな採餌をしながら、成虫の状態で長い冬を越す・・
今日のこの目撃が、決して見納めとは言えない所が、なんとも頼もしい。 一方こちらは、ほぼ見納めに近いかも・・
太い木の幹に止まっていたハラビロカマキリのメス。
私の経験からすると、ベストスリーに入る位の遅い時期での目撃です。
”無事に産卵は済ませたの?” そんな事を問いかけたい気持ちになりました。
一応この幹を目視で探って見ましたが、産み付けられた卵鞘は確認出来ず。
そこのところがちょっと気がかり・・
※12/8に都内で撮影
ラストショット? ― 2016/12/09 20:19
今日はどうしてるかなと同じ場所に足を向けて見たら、この通り。
昨日止まっていた木の隣に立つサクラの幹の南面でこんなポーズをとっていました。
背中をお日様の方に向けてベタッと・・完璧な日向ぼっこ体勢ですね。
一大使命である産卵も無事完了し、のんびり余生を過ごす日々の様です。 カメラの接近を恐れない気の強さは相変わらず。
で、こんな顔面迫写も全然OKって言う訳ね。
今季も、この三角顔に何度お世話になった事か・・
モデルになってくれた事への感謝を込めて、ラストショットを・・ サクラの幹の南面は、長く陽射しが当たり続けて、日向ぼっこに最適。
ハラビロカマキリの近くには、こんなチビも止まっていました。
テントウムシの仲間のムーアシロホシテントウ。植物を侵す菌を退治する善玉です。
他のテントウムシ同様成虫での越冬が可能・・と言う訳でラストショットに非ず。
この先も冬晴れの日には、こんな姿を何度か目にする事になりそうです。
※12/9に都内で撮影
今季打ち止め? ― 2016/12/10 23:07
中でもカマキリの卵鞘は、割と目立つ場所に産卵されていて、目撃機会が多い。
これは低木に産み付けられたハラビロカマキリの卵鞘です。
興味を惹かれたのはそのサイズ。今年見た中では、最も小形でこじんまり。
もしかすると、母虫の最後の産卵結果なのかも知れません。
いわば今季打ち止め言う訳ね。 近くでは、ハラビロカマキリのメスが確認出来ました。
勝手な想像としては、無事全てを産み終えてほっと一息って言う風にも・・
事実はまだまだ産むんだよって言う事かも。
それにしても、この時期に依然遭遇できた事にちょっとびっくり。 時期的にはハラビロカマキリより一足早く登場したオオカマキリも依然健在でした。
夏から秋へ・・決して恵まれた気象条件とは言えなかった今年。
しかしカマキリ達の生命力は、それに負けない強さを持っていた様です。
なんとも逞しい。
※12/10に都内で撮影