面白がってばかりは・・2018/06/01 20:12

面白がってばかりは・・
今の時期の昆虫観察散歩の楽しみの一つが、ちょっと面白いこの顔に出会う事。
見当をつけて探し歩いたエノキの幼木の葉っぱで目撃しました。
アカボシゴマダラ(蝶)の幼虫。この種の食草はエノキの葉っぱ限定です。
新緑の候、若くて柔らかい葉っぱを食べて、早く大きくなるぞって、モリモリ・・
アカボシゴマダラ幼虫の全体像
全体的な形状はこの通り。
典型的なイモムシ体形なんですが、頭に生えたシカの角まがいの突起がユニーク。
何故そんな邪魔そうな物を付けてるの?って思えますが、多分理由はある筈。
うまそうだなって狙って来る奴に対する威嚇効果でしょうか。
食い荒らされたエノキの葉
小さいけれど、食欲は旺盛。
この様に、盛大に食い荒らされた葉っぱを多く目にしました。
エノキの幼木にとっては、ほんとに困った奴に取り憑かれたもんだなぁ・・
今日の蝶
参考に、過去に撮影した成虫の画像を掲載します。
シカの角まがいの突起を付けた変な幼虫転じて、華麗な蝶になるって言う図式です。
なおこの種は、在来のゴマダラチョウを駆逐する勢いで増加中の人為的外来種とか・・
そう言った点では、大いに困った奴なんですね。
おかしな幼虫に出会えたって、面白がってばかりはいられない様な・・

※6/1に都内で撮影。
成虫は、2017/9/11に都内で撮影し、当ブログに掲載した画像の引用掲載です。

バリエーション豊富2018/06/02 23:21

バリエーション豊富
草木の緑が濃さを増している今、その守護神と言える存在が各種テントウムシです。
アブラムシ等を捕食し、植物が枯れるのを防御する任務を黙々と遂行中。
私の観察地ではこれ迄ナナホシテントウが主流でしたが、ここに来て状況に変化が・・
それはナミテントウの増加です。この種の特徴は色柄の多様さ。全然並ではない感じ。
とにかく色々なパターンがあって、全てが同じ種とは思えない位。
これもかなりユニーク。ナナホシテントウ似の色合いですが、星の数がやたら多い。
数えるのがちょっと面倒くさくなる位。
シンプル・イズ・ベスト
これもナミテントウなんですが、黒地に赤い星がふたつだけ。
まさにシンプル・イズ・ベストって言う感じでしょうか。
睨みつける目
こちらは、上と同様の赤い星の中に、おまけの黒点がぽちっと入ったタイプ。
上目遣いに、ぎょろっと睨みつけている様にも見えますね。
今日目撃したのは以上3種でしたが、バリエーションはこんな物では収まらない。
さて、今シーズンは、どれだけのバリエーションを確認出来るでしょうか。

※6/2に都内で撮影

梅雨晴れの日に・・2018/06/03 21:54

梅雨晴れの日に・・
細長い草の葉の陰からじーっとこちらを見つめるものあり。
目玉小僧が二人いた!って言う風にも見えなくはないかな・・
アオイトトンボ
カメラを側面に振ってみるとこの通り。
イトトンボ(亜目)らしからぬ、がっしりとした体形のアオイトトンボ・雌でした。
今日目撃したのは水辺から離れた草地の中。現在恋人募集中と言った段階?・・
良き伴侶と出会い繁殖行動の為水辺に移動するのはもう少し先の事になりそうです。
アオイトトンボ背面
このトンボの魅力は、宝石みたいな輝きを放つ背面の青緑色。
今日の強い陽射しを浴びて、なお一層の輝きを見せていました。
梅雨晴れの日に見たいトンボのひとつと言っていいでしょうか。

※6/3に都内で撮影

じゃないからね・・2018/06/04 21:20

じゃないからね・・
草の葉でファイティングポーズをとっていたこれ。季節の進展を実感した一コマです。
私にとっては、今季初遭遇となるハラビロカマキリ幼虫。
この種幼虫の特徴は、ご覧の通り、弓なりにくいっと反り返った背中。
一足先にデビューしたオオカマキリ幼虫との見分けポイントは、ずばりこれです。
オオカマキリ幼虫
こちらが先輩格オオカマキリ幼虫です。こうして見ると体形の違いが歴然ですね。
今は両者とも草むらを生活の場としていますが、やがて大きな違いを見せ始めます。
オオはそのまま草むらで、一方ハラビロは成長に連れて樹木の上へと分かれます。
そう言った意味では、これから当分の間が最も賑やかな時期と言えるかも知れません。
自分の影を見つめるハラビロカマキリ幼虫
もう一度、ハラビロカマキリ幼虫に視点を戻します。
生まれたての幼虫の目には、見る物全てが物珍しくうつるのかなと感じた一枚です。
この様に足元を見下ろしたまま、じーっと固まっていました。
強い陽射しを受けて葉上に投影された自分の影に、興味しんしんと言う風にも・・
”その黒いのって、君がさっきから探し回っている獲物じゃないからね!”

※本日撮影の画像ではありません(6/3に都内で撮影)

本当の花はこっち!2018/06/05 20:34

本当の花はこっち!
陽射しが不足気味となる梅雨時に旬を迎える花には、くせ者が多い様に思えます。
花の構造が、ちょっと見では分かり難いのがその特徴。
例えばガクアジサイ。4枚の花びらを持つ白い部分が、いかにも花らしいのですが・・
ガクアジサイで吸蜜するハナバチ
”本当の花はこっちだよ” って教えてくれたのは、小さなハナバチでした。
全く迷う事なく吸蜜に向かったのは、中央に密集している小粒な青紫の部分でした。
求める蜜は、この小さな花ひとつひとつから沁み出している事が証明されました。
外側を取り巻く、いかにも花らしい部分はいわゆる装飾花と呼ばれるニセ物。
梅雨時特有の弱い光の下、昆虫達の目を最大限惹くための工夫なんでしょうね。
(シロスジヒゲナガハナバチ・推定)
ドクダミの花
ドクダミの花も、かなりのくせ者です。
花びらみたいな白い4枚は、本当の花びらではなく総包と呼ばれる花の支持材。
蜜を供給する本当の花は、中央に直立するモジャモジャの集合体(花穂)です。
ドクダミの花で吸蜜するホソヒラタアブ
こちらも、昆虫たちにとっては ”そんなの常識じゃん”・・
飛来したホソヒラタアブが ”蜜はここから吸うんだよ” って教えてくれました。
それにしても、本当の花が、これでもかと言う位にびっしり!。
昆虫たちの目には、何とも贅沢な光景として映るんでしょうね。

※ドクダミは6/5に、ガクアジサイは6/4に、いずれも都内で撮影