正に秋本番2018/10/06 20:20

正に秋本番
ここ数日の中では最も豊かな陽射しに恵まれた日。
夏の暑さの戻りを多少感じたものの、目にする風景は正に秋本番でした。
指定席とも言える細い枝先で翅休めしていたのは、ノシメトンボ。
翅先端の褐色のアクセントパターンがとってもおしゃれ。
ハラナガツチバチの吸蜜
見上げる風景は、ある意味クール、一方地上の眺めは、ほんわかウォームタッチ。
その演出役は、秋の野の花の代表種のひとつ・セイタカアワダチソウでした。
秋の野に生きる昆虫たちにとっては正に恵みの花。
今日も多数が集結して、吸蜜や花粉摂取に大忙しでした。
これは大型の蜂・ハラナガツチバチ。この花の常連とも言える存在です。
お尻をくいっと曲げて、花に首ったけ。正に至福の時来たると言う感じ。
これから背伸びをするセイタカアワダチソウ
”背高”と言う名前が示す通り、空に向かってぐんぐん背丈を伸ばすタフな野草です。
現状は、その予備軍とも言える背低で未開花状態のものも多数。
しかし、さしたる時間をおかずに、逞しい成長ぶりを見せるものと思われます。
秋の最終盤まで、昆虫たちのアイドルであり続ける事は間違いありません。

※10/6に都内で撮影

手出しは禁物!2018/10/07 19:20

手出しは禁物!
秋の草が繁る場所で出会った凄い顔。目つきもきついですが、何よりも凄いのは口。
何かやばい物食べたんじゃないの?って聞きたくなる様な色、まっかっかでした。
正体はキリギリスの仲間のクビキリギス。草食が主体の雑食性とか・・
秋の草を沢山食べて体力づくり。冬枯れの野でもしぶとく生き続けるタフな奴です。
褐色タイプのクビキリギス
近くには褐色タイプもいました。越冬するにはこの色の方が適していますね。
それにしても、おかしな体形です。
頭とんがり、お尻もとんがり、肩の部分だけがふっくら。
菱形を無理やり引き伸ばした感じでしょうか。
クビキリギスの顔
この角度から見る目つきも結構鋭い。気の荒さを象徴している感じ。
事実、こいつはかなりの曲者らしいので、要注意!。
うっかり指でつかもうものなら、大きな口を開いてガブリ!・・
自分の首がもげるまで放さないとも言われています。
だから付いた名前が、首切りギス!・・
面白い形のバッタがいた!なんて、興味本位で手を出さない方がいいみたい。

※10/7に都内で撮影

きれいな花には・・2018/10/08 20:17

きれいな花には・・
旬の花・セイタカアワダチソウの開花が急ピッチで進んでいます。
そんな中の一株にふと違和感を感じて近づいてみた結果がこれ。
違和感の原因は、成熟の域に達したオオカマキリでした。
花そのものには関心がない様子で、下向きに止まり、しきりに何かをやっていました。
さては!と言う事で更に近づいてみたら・・
ハチを捕食中のオオカマキリ
案の定でした。
前脚でがっちりつかみ、頭を小刻みに動かして行っていたのは、獲物の捕食。
黒い触角が確認出来ますので、獲物は、花の蜜を求めてやって来たハチの様でした。
ハチが吸蜜に夢中になっている隙を狙って、自慢のカマを一閃!・・
そんな鮮やかなハンティング動作の成果なんでしょうね。
ハラビロカマキリの成虫
別の株にも、恐るべき三角顔が・・
緑色タイプのハラビロカマキリ成虫でした。
誕生時期はオオカマキリにだいぶ遅れをとりましたが、ここへ来て追いついた感じ。
この地では、更にチョウセンカマキリも加わって、獲物争奪戦が繰り広げられそう。
きれいな花には棘がある・否・殺し屋が潜むの秋バージョンがいよいよスタートです。

※10/8に都内で撮影

ブルーブラックの・・2018/10/09 20:37

ブルーブラックの・・
セイタカアワダチソウの花とツマグロヒョウモン・メスの組み合わせ。
秋本番の到来を実感させてくれる光景です。
オスとメスで斑紋がかなり異なるのがこの蝶の特徴。
オスは割と平凡な豹紋柄ですが、メスはアクセントカラーが小粋に決まっています。
それは、表翅を彩るインクのブルーブラックを連想させる紺色。
秋の澄んだ空気の中で目にすると、その魅力が一層強まる様に感じます。
この日は残念ながら半開き。次の出会いでは、ゆったりと翅を開いた姿をぜひ・・
セイタカアワダチソウにいたコアオハナムグリ
こちらは華麗と言えないけれど、セイタカアワダチソウとしては嬉しいお客かも・・
この花の常連客とも言える甲虫・コアオハナムグリです。
その名前通り、花に潜り込んでの採餌なので、体表面の繊毛に黄色い花粉がびっしり。
花粉媒介役としては、かなり有能な奴なのかも知れません。
この他にも、セイタカアワダチソウの花マニアの昆虫の数は極めて多し。
それらの観察もこの先の楽しみです。

※本日撮影の画像ではありません(10/8に都内で撮影)

腕力抜群?2018/10/10 19:55

腕力抜群?
秋の草むらを賑わす代表的な花のひとつがイヌタデ。別名アカマンマ。
お赤飯を連想させる色形から、親しみを込めて付けられた俗称です。
茎の先にびっしりと連なった小粒な花は、昆虫たちにとっても人気抜群。
今日も多数が吸汁の為に訪れていました。
中でも目立ったのが、画像左側先端に止まっている奴。詳細は下の画像で・・
イヌタデの花にいたヒゲナガカメムシ
カメムシの仲間・ヒゲナガカメムシでした。
髭長と呼ばれる通り、長い触角が特徴ですが、更に目立つのがその前脚の形。
力こぶを思わせる盛り上がりが、マッチョな雰囲気を漂わせていました。
花を好む心優しい昆虫にそんな腕力が必要なのかなと・・
ヒゲナガカメムシの幼虫
反対側に回り込んでみたら、同種の幼虫がいました。
成虫と同じく、小粒な花に首ったけって言う感じ。
さて、前脚の形は?・・まだ成虫ほどではありませんが、それでもこんもり。
マッチョ予備軍としての資格は十分な様です。
それより面白いと思ったのは、下半身のストライプ模様でした。
何となく、熟しきっていない植物の実を思わせる様にも・・
なお、成虫時には伸びきった翅に隠されてしまう為、この模様は確認出来ません。
今の時期限定の密かな楽しみと言ったところでしょうか。

※10/10に都内で撮影