他力本願ではなくて・・ ― 2021/01/06 16:55
目を凝らしても動く物の姿はさっぱり・・と言う事で、びくとも動かない物を三つ。
これはクヌギの小枝で良く目にする毛むくじゃらの異様な物体。
枝の一部分の様にも見えますが、これはある昆虫がクヌギに働きかけて造らせた物。
いわゆる虫えい(虫こぶ)で、中には春を待つ幼虫が潜んでいます。
クヌギエダイガフシと呼ばれています。造らせたのはクヌギエダイガタマバチです。
木にとっては迷惑千万なデキモノ。鬱陶しいだろうなと同情したくなります。 木だけでなく、野草に働きかけて造らせる虫えいもあります。
これは、既に掲載済み(1/4)のヨモギハベリマキフシの別バージョン。
ヨモギの葉を対象に、ヨモギクダナシアブラムシが造らせた虫えい。
1/4の記事に掲載した物に比べて、色合いが段違いに鮮やかです。
ちょっと見には、早くも咲き出した春の花の様にも見えてしまう程。
推定するところ、割と最近に生成された物かも知れません。
子育てに利用され放題な冬の草木。気の毒に思えてならないのですが・・ 他力本願ではなくて、母虫が努力して生成した子育ての為の造作物もあります。
これは、木の細枝に産み付けられたハラビロカマキリの卵のう。
がっしりとした造りで、風が吹こうが、雪が降ろうが、全然大丈夫な感じ。
貪欲な冬の野鳥の目にとまる事なく、無事春を迎えて欲しいものだなぁと・・
※1/5に都内で撮影
寒さにブルブル ― 2021/01/07 18:21
枯れゆく物の趣を・・ ― 2021/01/08 21:08
一年のうちで最も手持ち無沙汰な時期に、いよいよ差し掛かった感じですが・・ そう嘆いてばかりいても仕方ありません。
ここはひとつ、枯れゆく物の趣を楽しんでしまうのもありかなと・・
例えばこれ。殆どの葉を落とした低木の枝に絡まっていたヘクソカズラのつる。
何ともひどい命名ですが、その果実は結構チャーミング。
名前のひどさはひとまず置いといて、冬の風物詩として楽しむのもいいかなと・・ 枯れ落ち葉も良く良く観察して見ると・・こんなお宝を発見する事があります。
葉裏に産み付けられた、何らかの昆虫の卵集団ですね。
幾つかは既に孵化が終わっていましたが、これからの物も・・
落ち葉を踏みしめてきままに歩くのも考え物だなと言う気持ちになりました。
※1/8に都内で撮影
危険が一杯の日々に・・ ― 2021/01/09 20:12
枝に残る葉は残り少な。産み付けられたオオカマキリの卵のうも剥き出し状態でした。
(画像ほぼ中央です) これは、ほぼ一週間前(1月3日)に、同じ木で同じ卵のうを撮影した画像です。
紅葉したと思ったらあっという間に散ってしまったんですね。
で、枝に産み付けられた卵のうは、隠蔽効果ゼロの状態になってしまったと言う訳。
この木を産卵場所として選んだのが正解だったのか、疑問に感じてしまうのですが・・ しかし、昆虫観察派としては、枝剥き出し状態への変容は歓迎すべき事。
あっ、ここにもあった!と、今迄気づかなかった卵のうを見つける機会が増えます。
これは今日発見した一品。がっしり枝またぎで、巧妙に産み付けられていました。 枝剥き出し状態になったのを歓迎しているのは、私だけではありません。
それを物語る光景がこれ。まさに穴だらけ。ボロボロに破壊された卵のうです。
こんなひどい状態にしたのは、カマキリの卵のうを好んで食べる野鳥達。
餌が少ないこれからの時期、目につき易くなった卵のうは絶好の越冬食と言えそう。
卵のうの中に眠る幼い命にとっては、危険が一杯の日々に突入と言う訳ですね。
※枝剥き出しは1/9に、紅葉画像は1/3に、いずれも都内で撮影
冬木立を眺める ― 2021/01/10 21:17
澄んだ空気と早く傾く太陽。そんな今の時期ならではの眺めと言えるでしょうね。 冬木立を眺めるもうひとつの楽しみが、これ。
昆虫達が厳しい寒さの冬を越すために、樹木を利用して残した作品群の観察です。
これは見上げる高さの小枝に産み付けられたオオカマキリの卵のう。
こんな場所に産卵するのは、樹上性ハラビロカマキリの特徴と思っていたんですが・・
オオカマキリもやるんですね。それにしても、良くあそこまで登ったなぁ・・ こちらは、極く当たり前の風景。
細枝にしっかり固定されたハラビロカマキリの卵のうです。
細くて華奢な枝なので、卵のう狙いの野鳥達が止まりにくいと言う算段でしょうか。
この辺は、樹上性カマキリとしてのノウハウが活かされている感じ。
いずれにしても、無事冬越しをして、幼虫の誕生ラッシュにつながって欲しいもの。
※1/10に都内で撮影