ガクブルの日々2017/01/07 22:02

ガクブルの日々
今日のところは天気の崩れはなし。冬の青空が安定して続きました。
とは言っても日の暮れは相変わらず早い。
冬木立の向こうに大きく傾いた陽。今の時期の午後を象徴する風景です。
ムクドリ
冬木立ちでは、冬鳥たちの動きが相変わらず活発です。
陽が高いうちに、お腹をいっぱいにしなくちゃ・・って言う事でしょうか。
これは代表種とも言えるムクドリ。止まっているのは冬芽を沢山付けた枝です。
さて、どれをついばもうかな?・・
新緑の時をじっと待つ冬芽にとっては、まさにガクブルの日々でしょうね。
ヨコヅナサシガメ幼虫の集団越冬
活発に動き回る冬鳥たちとは好対照なのが昆虫の世界。
成虫や幼虫の状態で、冬を越す昆虫にとっては、じっと身を潜めて寒さに耐える時。
これはハンノキの太枝にある窪みで、身を寄せ合うヨコヅナサシガメの幼虫です。
ここを通りかかる度に、どうしてるかなと注目するのですが、目立った変化なし。
それぞれがバラけて散って行くまでには、まだまだ長い時間が掛かりそうです。

※1/7に都内で撮影

気になるもののその後2017/01/08 19:58

気になるもののその後
予報通り冷たい雨が降りだした午後。
観察地の定期巡回ポイントとも言える場所に、足早に向かいました。
目的の物は、時期外れの孵化が始まってしまったオオカマキリの卵鞘です。
初目撃は1月5日。その時の賑わいとは大違いですが、それでも依然孵化継続中。
卵鞘から糸で釣り下がった孵化幼虫の群れを、今日も確認する事が出来ました。
孵化過程のオオカマキリ幼虫
これは、孵化幼虫群の詳細です。
オオカマキリの幼虫らしい姿の物もいますが、注目点は一番下の逆さま状態の物。
脚や目らしき物が確認できるけど、全体の形としては全く不完全。
この種の孵化のプロセスからすると、こう言う変な物がいるのは当然なんですね。
卵鞘から外に出た後、最初の脱皮を行って、それらしい形に変貌するそうです。
最下端の物体は、脱皮過程にある赤ちゃん一歩手前の物体って言う訳。
私の気がかりはポツポツと降り出した雨。
本降りになる前に、無事脱皮が完了すればいいのですが・・
オオカマキリ卵鞘
これは同じ木で目にしたオオカマキリの卵鞘です。
場所的に近いので、同じ母虫が産み落とした可能性が高い様に思えます。
しかしこちらは孵化の気配はなし。葉っぱの陰でひっそり静まりかえっていました。
時期的に見て、これが今の正常な姿でしょうね。
時期外れの孵化が始まったあの卵鞘。多分、陽当たりが良すぎたんだよなぁ・・
生まれ出た幼虫達の今後がますます気になります。

※1/8に都内で撮影(1/5と1/6の記事にも関連画像を掲載しています)

ここを去りがたし?・・2017/01/09 20:24

ここを去りがたし?・・
生憎の天気に見舞われた成人の日でしたが、急速に青空が広がり回復しました。
正月気分も、どうやら今日迄。そのフィナーレを飾るには、正に最適な爽やかな空。
それに向かって突き上がっていたのは、葉を落とし尽くしたポプラの木。
寂しい眺めの様に思えますが、こんな空が背景だと、何故か快活な雰囲気さえ・・
サザンカの花
地上に目を落とせば、咲く花も少ない寂しい時期の到来を感じざるを得ません。
そんな中、ひとり頑張っている感じだったのが、赤いサザンカの花。
陽射しを背後から受けて、これ以上ない位の柔らかな表情を見せていました。
孵化直後のオオカマキリ幼虫
ここ数日観察を続けて来たオオカマキリの卵鞘のある場所に足を向けて見ました。
時期外れに始まった孵化のその後が大いに気になるところだったので・・
結果はこの通り。卵鞘から吊り下がっていた糸も消滅し、何とも寂しい光景に・・
数日にわたり続いていた孵化は、どうやら終結した様です。
用済みと思われる卵鞘の下部に、孵化した幼虫が一匹止まっていました。
生まれ故郷の卵鞘を、ここを去りがたしと、愛おしげに見つめている感じ?・・
でも、いつ迄もここにいる訳にはいきません。他の幼虫達と同様に、野を目指す定め。
無事を祈りたい気持ちですが、いかんせん、時期外れ過ぎるのがなぁ・・

※1/9に都内で撮影
(このオオカマキリ卵鞘については、1/5、1/6、1/8の記事に関連画像を掲載中)

オッチョコチョイに感謝2017/01/11 20:35

オッチョコチョイに感謝
蜜を求めて飛び交う昆虫達の姿もバッタリ。
草むらが一年のうちで最も寂しい雰囲気に包まれる時期に入りました。
しかし、そんな中、オッチョコチョイな花に出会うと、かなり嬉しくなります。
今日最初に見つけたのが、ホトケノザの花。
二つ仲良く並んで、指差す方向は?・・春はあっちからやってくるんだよ?。
ムラサキカタバミの花
ちょっとヨレヨレだけど、ムラサキカタバミの花も開いていました。
苦労して開いたけど、花粉媒介役の昆虫の来訪は無し。
そこの所が、早咲きの野の花の辛いところですね。
でも、目にした人の心はホンワカ。物言わぬ花に感謝したい気持ちです。

※1/11に都内で撮影

冬木立ちにて2017/01/12 20:16

冬木立ちにて
落ち葉が降り積もった冬木立の中。
常緑樹の葉の繁みに邪魔されて、乏しい冬の陽射しも殆ど降り注ぎません。
そんな寂寥感漂う寒い場所で目にした黄色いワンポイント。
当然、注目しない訳にはいきませんね。
オニノゲシの花、一輪だけ
で、近づいて見たらこの通り。一輪だけ花開いたオニノゲシの花でした。
野草の冬越しの姿・ロゼット葉がむっくり起き上がって、その先端で咲いたと言う訳。
春到来はまだずーっと先の事だけど、何かを感じてこうなったんでしょうね。
陽射しの恩恵を受けない肌寒い場所。ちょっと早まったなぁと思っているかも・・
でも、こんな早とちりの奴が数を増す中で、春の足音が次第に聞こえて来る筈。
ここ迄花開いた事に、拍手をしなければいけないのかも・・
ジョロウグモのメス
早過ぎる春の予告シーンを目にした冬木立の中。
そこでは過ぎ去った秋の名残もまだ・・
常緑樹の葉から垂れた蜘蛛の糸につかまっていたジョロウグモのメスでした。
壊れた網を治す気力もなく、ただそれにしがみついているだけ。
この状態では、明日にもその姿を消してしまうかも知れません。
昆虫観察派としては歓迎出来ない相手だけど、その終末を目にするのはやはり寂しい。

※1/12に都内で撮影