適材適所?2016/05/01 21:46

適材適所?
言葉の使い方として適切でないかもですが、昆虫の世界では適材適所が着々と・・
様々な種がそれぞれの持ち場に登場して、それぞれのお仕事を着実に開始中です。
アブラムシが群れる若草には、ナナホシテントウ。
その目的は、当然の事ながら植物の敵・アブラムシを駆除する事。
越冬中は落ち葉の上でのんびり日向ぼっこする姿ばかりでしたが、今は全然別キャラ。
生物農薬ともてはやされるのも当然と思えるスピードで食い尽くして行きます。
カラスウリの葉にいたトホシテントウ
同じテントウムシの仲間でも、こいつは生物農薬どころではなく、恐るべき大敵です。
カラスウリの若葉に止まっていたトホシテントウ。
ご覧の通り、網目状の食い痕を付けて葉っぱを食害中でした。
注目点は、葉っぱ右上にうっすらと描かれたサークル状の筋目。
私の推測では、これを描いたのもこのテントウじゃないかと・・
”この部分まで食い尽くすのが今日の目標” って言う目印の様に思えるのですが・・
いずれにしても、良からぬ奴である事は疑い様がありません。
クズの葉にいたコフキゾウムシ
大好物のクズの若葉に止まっていたのは、コフキゾウムシ。
”葉っぱの端に来てひとり何思う?” って言う感じですが、この後とる行動は当然・・
クズの葉に付いたコフキゾウムシの食痕
葉っぱの端からギザギザの食い痕を付けて食べ進むのが、このゾウムシの食事法です。
別の箇所には、既にその食い痕が残されていました。
でも、この程度では済まない所が、このゾウムシのすごい所。
更に個体数が増えれば、見るも無残って言う感じの葉っぱだらけになって行きます。
クズの葉にとっては、全然、適材適所じゃありませんね。

※5/1に都内で撮影

今日の変な奴 二題2016/05/02 22:09

今日の変な奴 二題
今日出会った変な奴・二題。
まずは、既に掲載済みの種ですが、サクラの木にいたナナフシモドキ幼虫です。
いつもは単独で葉っぱに止まる姿ばかりでしたが、今日のこれはどうもややこしい。
大小二匹が確認出来ますが、ゆらゆら動いているのは下側の大きい方だけ。
良く良く観察してみたら、二匹じゃなくて、上側のは抜け殻だと判明しました。
出会った時が丁度脱皮直後だったらしい。無事抜け出せて、めでたしめでたし。
ナナフシモドキの幼虫
近くの葉っぱには、脱皮済みの別の幼虫が止まっていました。
いつもの様に、やる気が全然感じられない脱力ポーズで、くたーっと・・
こんな無気力昆虫でも、成虫になる為の動きはしっかり進めているんですね。
感心感心。
ゴミ屑がゆらゆら!
変な奴・二弾目はコンクリートの壁面に張り付いていたこれ。
どう見てもゴミ屑なんですが、風もないのにゆらゆら揺れていました。
”ははん、あれだな” って言う事で、別角度で観察して見たら・・
正体はクサカゲロウ幼虫
コンクリートに接する部分に注目。茶色のムカデみたいな物体が確認出来ます。
ゴミ屑をゆらゆら揺らしていた原動力がこれ。正体はずばりクサカゲロウ幼虫でした。
幼虫時には、この様に木屑等のゴミを寄せ集めて、隠れみのを作る習性があります。
昆虫の擬態の中でも、ユニークさではかなりのもんだなといつも感心させられます。
今年もいよいよその季節。この先様々なゴミ屑のゆらゆらを目撃出来そうです。
参考に過去に撮影した成虫画像を下に掲載します。全然イメージが違いますよ。
クサカゲロウの成虫
ゴミ屑の中から生まれた清純な乙女って言う感じ。
でも、指でつかむと、とても臭いからやめた方がいいです。

※5/2に都内で撮影(参考画像は2011/5/25に撮影)

大きな花と小さな花で・・2016/05/03 22:10

大きな花と小さな花で・・
大小様々な花が咲き揃った草むら。
五月の明るい陽を浴びて、それぞれが個性豊かな姿を楽しませてくれています。
大柄なピンクの花を咲かせているのは、月見草の一種・ヒルザキツキミソウ。
その大きさ、色の派手さから見て、昆虫たちへのアピール度は十分な様で・・
やって来ていたのは、花なら何でもござれのコアオハナムグリ。
いつもの花潜りポーズの食事法も楽々可能って言う感じで、この通り。
でも、じっと動かないところを見ると、食事そっちのけで昼寝中なのかも・・
ヒルザキツキミソウの花、穴だらけ
こんな悲惨な状態になった花もいくつか目にしました。まさに花壊し。
誰の仕業かは特定出来ませんが、昆虫の仕業である事は間違いなし。
人気者ならではの、ちょっと困ったなぁ状態でしょうか。
ヤブジラミの花
一方、今花盛りになった小さな花の代表格が、このヤブジラミ。
うっかりすると、見逃しそうな小粒の白い花を咲かせています。
これだけ控えめだと、昆虫へのアピール度も低いだろうなと思えるのですが・・
ヤブジラミにいたアリ
意外にも来客多数。それは小さなアリたちでした。
でも、止まっているのは、花そのものではなくて。ちょっと下の方。
詳しく観察したらその理由が判明!。
アリの狙いは茎に止まるアブラムシ(画像・緑色の楕円形のやつ)でした。
アブラムシがお尻から出す甘い汁を吸う為に、集結していたと言う訳。
アリもアブラムシも、花にとっては全然メリットのない訪問客のはずです。
もう少し大きな花を付けて、花粉媒介役の虫を集客した方がいいんじゃないかなぁ。

※5/3と5/2に都内で撮影

ハイコントラスト2016/05/04 21:46

ハイコントラスト
嵐が去った後に訪れたのは、じりじりと照りつける強い陽射しと真夏並みの気温。
デビュー後間もない昆虫達も、一足早い夏の訪れに少し戸惑い気味だったかも・・
葉っぱの上に、くっきりハイコントラストの影を落として、じっとしていました。
まだヒョロヒョロ体形のオオカマキリ幼虫も、影だけ見れば、それなりに迫力あり?。
クロイトトンボ
凄みを感じさせるブラック系の体色を持つクロイトトンボ。影も当然ブラック。
このトンボの特徴でもあるお尻先端の水色の二本線が目に鮮やかでした。
ショウジョウトンボ・未成熟個体
早生まれの夏のトンボ達も、今日の陽射しを浴びて元気百倍って言う感じ。
ショウジョウトンボの未成熟個体も、草むらを活発に飛び回っていました。
未成熟個体特有の黄色の体色が、周囲の草に馴染んで、極めてローコントラスト。
明瞭度がイマイチだけど、今季初遭遇を記念して一枚ゲット。
この後さっと飛び去りました。

※5/4に都内で撮影

変貌した草むらで・・2016/05/05 20:58

変貌した草むらで・・
夏への季節の歩みが、このゴールデンウィーク中に一気に加速した気がします。
これは通い慣れた草むらの今日の様子。
枯れ色が消え失せ、目に迫って来るのは、伸び盛りの草の緑ばかり。
今までは気軽に立ち入っていた場所も、草の繁みに邪魔されて思う様に行かず。
でも、そんな場所に限って、嬉しいお宝が潜んでいるもので・・
アオヤンマ
草の繁みの奥に立つ木に止まっていたのは、私にとっては今季初遭遇の大物でした。
ヤンマの仲間・アオヤンマ。このヤンマは蜘蛛を好んで捕食するのだとか。
それで繁みの中に潜んでいたんですね。確かにここには色々な蜘蛛が生息していそう。
でも、私的には、大きな翅をきらめかせて颯爽と空を飛ぶ姿を目にしたいなぁ・・
ショウジョウトンボのオス
割と開放的な場所で目にしたのは、ショウジョウトンボのオス。
早くも、成熟した事を示す完璧な赤に染まっていました。
自分のテリトリーを守る性質が強いトンボです。こうして他者の侵入を警戒中らしい。
それにしても変なポーズだなぁ。ここは自分の縄張りだって言う意思表示?・・

※5/5に都内で撮影