何らかの油断が・・2016/05/06 19:17

何らかの油断が・・
今の時期、樹下の草むらで良く目にする光景がこれ。
緑の葉の上に違和感のある小さな物体がポチッと・・
大量に発生中のヨコバイの仲間の幼虫です。
極小サイズながら、知覚神経は抜群。
人の気配を感じると、葉裏に身を隠したり、ピンと飛び跳ねて逃げ去ります。
逃げる寸前のポーズ
これは逃げる寸前のショット。
体を左右に揺らして、不審物の実態を感知しようとしています。
そして、こりゃヤバイとなれば、この様に踏ん張った脚でジャンプ!。
まさに草むらの忍者と言った雰囲気が感じられます。
アリグモに捕らえたれたヨコバイ幼虫
感知能力抜群のヨコバイ幼虫ですが、この猛者に掛かると全く形無しって言う感じ。
アリへの擬態で知られるアリグモに捕らえられた幼虫です。
どう言う顛末でこうなったかは判りませんが、何らかの油断があった様です。
そこいらをウロチョロしているアリと思って甘く見た?・・
いま多く目にするヨコバイ幼虫も、こうして少しずつ淘汰されて行くんでしょうね。
幼虫時代を無事過ごし、晴れて成虫になるのは、そんなにたやすい事ではない様です。

※5/6に都内で撮影

見くびっちゃいけないよ2016/05/07 20:21

見くびっちゃいけないよ
ここに来ての気温上昇を受け、オオカマキリの孵化が次々に始まっているらしい。
草むらのあちこちでこんなポーズをとる幼虫の姿を目にする様になりました。
ヒョロヒョロ体形で、吹けば飛ぶ様な、情けない姿だなぁって思いたくなりますが・・
オオカマキリ幼虫の詳細
”どっこい、見くびっちゃいけないよ” って言う事を示すのが、この詳細ショット。
あたりに鋭い視線を向けて、即戦体制のファイティングポーズもばっちり。
この目の視野に入った獲物は、逃げようがないんじゃないの?と思える位。
昆虫界一とも言える気の強さのDNAは、母虫からしっかり受け継がれた様です。
スズメバチの一種
こちらは、人的被害からしても、絶対に見くびっちゃいけないよの典型例。
カマキリ幼虫とは真逆。迫力十分の太っちょ体形を持つスズメバチの一種です。
草の葉に逆さまにぶら下がって、体のクリーニングを実行中でした。
他の昆虫を襲った結果、体が汚れたので、綺麗にしなくっちゃって言う事みたい。
行楽シーズンになると、人がスズメバチに襲われたと言う報道を頻繁に耳にします。
このゴールデンウィーク中には幸い・・
でも、いよいよ、要警戒の時期に入った事は間違いありません。

※5/7に都内で撮影

チョッキンしないのも・・2016/05/08 20:52

チョッキンしないのも・・
いかにも柔らかそうな葉っぱの裏に怪しいシルエットが・・
陽射しを避けている様にも見えるけど、ここにいる理由はそれだけではない様な・・
チャイロチョッキリ
正体はこれ。
葉っぱを巻いて中に卵を産みつけるオトシブミの仲間・チャイロチョッキリでした。
柔らかな葉っぱが一杯の今の時期、適切な葉っぱの選定に念をいれているらしい。
葉っぱが硬くなる前に、首尾よく産卵を済まさないとと言う事で、超多忙の様子。
オトシブミの仲間の揺籃?
近くの枝では、こんな風にくるっと巻かれた葉っぱをいくつか目にしました。
オトシブミの仲間は、名前にある通り巻いた葉を切り落とす生態が知られています。
しかし、全てがチョッキンと切り落とすわけではない様です。
これを造った親虫は、巻いて産卵したまま、枝に残すタイプらしい。
ちょっと見には、しおれた葉っぱにしか見えないので、切り落とすより安全かもね。

※5/8に都内で撮影

バレエダンサーか?・・2016/05/09 19:34

バレエダンサーか?・・
成長すれば、他の昆虫達にとって脅威の存在となるオオカマキリ幼虫。
生まれたての今は、頼りないヒョロヒョロ体形で、存在感と言う点ではいまいち。
でも、良く目を凝らしてみると、結構面白い動作を見せる事があります。
面白がってはいけないかもですが、これはその一例。
葉っぱの上で後脚の一本だけをぴんと跳ね上げていた幼虫です。
後脚の鍛錬中?
跳ね上げ角度をさらにアップ!・・
”君はバレエダンサーかって?” って言う感じ。
獲物が中々見つからないので、ちょっと暇つぶしに体操をって言う事かも。
確かに、獲物に俊敏に飛びかかるには、長い後脚のジャンプ力が必須の筈。
今のうちから、その鍛錬に怠りなしって言う事?・・でもなんか変だなぁ・・
オオカマキリの幼虫
この幼虫は、あるターゲットに興味しんしんの様でした。
向こう側の葉っぱに止まる赤い物体がそれ。
アウトフォーカスになっていますが、ナナホシテントウに間違いなし。
確かに色も派手で狙いたくなる気持ちも判るけど、やめた方がいいと思うよ。
何しろ相手は硬い殻をまとっているし、防御の為に臭い汁を出すらしいし・・
狩猟経験が乏しい今の時期の幼虫は、トライアンドエラーで様々チャレンジ中。
真夏には、狙いを定めた鮮やかな狩猟テクニックを披露してくれる筈です。

※本日撮影の画像ではありません(5/8に都内で撮影)

モーモーちゃんもいる2016/05/10 22:00

モーモーちゃんもいる
臭い匂いを出す種が多いので、どちらかと言えば嫌われ者とも言えるカメムシの仲間。
しかし色形のバリエーションが多く、目で楽しむ分には、かなり嬉しい存在です。
今日も三者三様、変化に富む種に出会えました。
最初のこれはいわば典型的なカメムシ体形。
背中にある二つの黒点を星に見立てて付いた名前がホシハラビロヘリカメムシ。
繁り始めたクズを好むそうです。今日止まっていたのも正にそれでした。
イトカメムシ
こちらは超スリムな体形が特徴のイトカメムシ。
今の時期、多く飛び交っているガガンボの一種かと思える位にカメムシらしくない。
でもよく見ると、ホシハラビロヘリカメムシの体との相似形が見て取れます。
ぎゅぎゅーっと絞ったらこうなったって言う見方が出来るかも・・
ウシカメムシ
最後のこれは小粒だけど、ユニークさと言う点ではかなりのもの。
肩の部分が鋭く尖っており、それを牛の角に見立てて付いた名前がウシカメムシ。
確かにその名前しか思い浮かびませんね。
ウシカメムシ前面
この角度から見ると、更にモーモーちゃんらしいかな。
それも、闘牛場に現れる怖い奴ね。
植物の汁を吸う事を食性とするカメムシの仲間。
草木の繁茂の時を迎え、この先も様々な種が目を楽しませてくれそうです。

※5/10に都内で撮影