猛暑が止まらない ― 2013/08/11 21:36
活発に動き回る筈の夏の昆虫たちも、参ったなぁ状態か。
一例がこのショウリョウバッタ。グロッキーを絵に描いた様な・・ 人も勿論・・ 日陰になる場所に咲く花で見たアオスジアゲハ。
木漏れ日を受け、青緑の斑紋が鮮やかに浮かび上がっていました。
しかし、何だかおかしい。
いつもなら、吸蜜中も激しく羽ばたき続けるのですが、この個体は全然・・ 角度を変えてみたら、謎が解けました。
蝶の頭部に小さな蜘蛛(ハナグモ)が食らいついていました。
瞬間的に全身に毒が廻ってしまった様です。既に絶命していました。
猛暑の影響で、警戒心に弛みが生じてしまったのでしょうか。
やるせない気持ちで見つめました。
※8/11に都内で撮影
木立と水辺の真昼時 ― 2013/08/12 21:51
東京も然り。各種のセミが入り乱れての大合唱も早めにピークに達した感じです。
※4匹並んでいるのはアブラゼミ、右側の一匹はクマゼミ。 いかに過密状態にあるかは、抜け殻のこの有様を見れば一目瞭然。
生まれる場所の場所取りにもかなり苦労している様です。 生息エリアを西日本から北に拡大中のクマゼミ。
シャッシャッシャッと言う声は、東京でも夏の風物詩として定着した感じです。
今日は、すぐ手の届く場所に止まる個体を目にする事が出来ました。
熊と言う命名に素直に納得。黒光りする太っちょ体形は迫力十分でした。 ショウジョウトンボの尻上げ角度は、暑さのバロメーターとも言われています。
今日の角度はこれ位。
水辺とは言え、涼風は全く期待出来ません。熱気が充満していました。 暑さのバロメーターがここにも。
チョウトンボもやるんですね。身体が黒いので余計に暑いのかな。 尻上げなんてしている暇はない。餌取りに一生懸命だったのはムギワラトンボ。
さすがに夏を代表するトンボです。
立ちこめる熱気を切り裂く様に、颯爽と飛び回っていました。
※8/12に都内で撮影
木立で謎解き ― 2013/08/13 22:05
日照りの場所から逃げ込むと、ほんの気持ち程度ですが、涼感を味わえます。
そして、ここは謎解きみたいな楽しみが潜んでいる場所でもあります。
例えばこれ。どこに昆虫がいるか判りますか?。 ほぼ中央部分に接近してみるとこの通り。
割と大形なスズメガの一種、サザナミスズメが木の幹に張り付いていました。
色合いに若干の違和感がありますが、木肌の質感に近い見事な擬態ぶりです。 角度を変えてみると、存在感が少しアップするでしょうか。
それしにても、紛らわしい事この上無し。
自分の存在をうまく隠せる場所をしっかり判っているんですね。 蛾の仲間には、この様に、騙し上手が多いのですが、これも凄い。
折れた小枝の様に見えるこれも蛾の一種なんです。 シャチホコガの一種・ツマキシャチホコ。
翅を開くと普通の蛾なんですが、折り畳んでしまうと、正に小枝そのもの。
ぱきんと折れた切り口まで本物そっくりです。
これは繁殖行動に入ろうとしているカップルの様です。
騙しのテクニックが二倍になった感じで、更にややこしい。
※8/13と8/12に都内で撮影
当たり前だけど珍しい ― 2013/08/14 19:57
昆虫観察散歩はお休み。ここ数日に撮影したアブラゼミの画像を掲載します。
日本では極く普通種なんですが、世界的に見れば珍しいセミなんだとか。
理由はその翅。翅全体が不透明な所がそのポイントと言う事です。
当たり前過ぎて、有り難みを全然感じないなんて言ってはいけないですね。 ”油” を頭に冠した名前の語源は、その鳴き声。
食用油が、鍋で熱せられて撥ねる時のジリジリと言う音に似ているから。
熱さを更に助長する響きである事は確かです。
あれだけ大声を張り上げる理由は、求愛のためのアピール。
従って鳴くのはオスだけ。メスは発声器官を持っていないそうです。 やかましい求愛アピールが功を奏すると、こうなります。
お互いにそっぽを向き合っての交尾です。
鳴き声を一切立てず、ひっそりと行われていますので、中々気づきません。 数が増えるに従って、すぐ手の届く所でぼーっとしている個体を見かける事も・・
カメラをかなり接近させても、相変わらずぼーっとして逃げません。
その風貌はこの通り。貫禄十分です。
これだけ堂々とした姿なのに、地上での寿命は一ヶ月足らずなんだとか。
それさえ全う出来ずに命を落とす物が殆どらしい。セミはやはり儚いなぁ・・
※8/13と8/10に都内で撮影
涼しげなのを・・ ― 2013/08/15 20:44
クールな体色を持つ種が多いイトトンボの仲間たち。
アジアイトトンボの雌もシンプル・イズ・ベストって言う感じですっきり。
日照りは苦手の様で、日陰になる場所を選んで伝い飛びしていました。 花壇で花盛りになっていた薄紫の花。
日照りの下、涼しげな色合いにほっと一息つける感じでした。
吸蜜に訪れたのは、質素な斑紋を持つヤマトシジミ。
猛暑の中では、これ位あっさりした斑紋が目に心地よい。 同じ花壇でみたツマグロヒョウモンのオス。
こちらはヤマトシジミとは対照的に、ホットで派手目な色調です。
真昼時の陽射しを受け、くっきりと浮かび上がっていました。
これはこれでいいかなと思ったのですが、何か変。全然羽ばたきません。 やはりそうでした。裏側に回り込んでみたら、この通り。
ハナグモに捕らえられ、毒が全身に廻って絶命した個体でした。
当ブログの8/11の記事に、アオスジアゲハの同様なシーンを掲載しました。
着々と成果をあげる蜘蛛たちのハンティング。そのスキルに只々感心するばかり。
しかし、猛暑の日にはあまり目にしたくないハードな光景ではあります。
※8/15に都内で撮影