アブも様々2015/06/01 20:28

アブも様々
ぎらつく夏の陽射しを受け、ハードタッチな姿を晒していたのはムシヒキアブ。
見るからに恐ろしいその姿から窺い知れる様に、このアブは凶暴な肉食性。
ハエなどの小昆虫を捉えて、鋭い口吻を突き刺し、体液を吸い取ってしまいます。
人を攻撃対象にしていないのは幸い。でもあまり出会いたくない種ではあります。
ミナミヒメヒラタアブ
同じアブの仲間でも、その性質は様々。こちらは花の蜜を好む穏健派です。
ハルジオンの後を受け花盛りとなったヒメジョオンにいたミナミヒメヒラタアブ。
花の大きさと比較して見ても、いかに小さいかが判ります。
ムシヒキアブにとっては、格好の攻撃対象かも。甘い蜜に夢中になりすぎると・・

※6/1に都内で撮影

梅雨入り間近の昆虫記2015/06/02 21:36

梅雨入り間近の昆虫記
九州地方の梅雨入りが発表された日。
東京では、それとは全く無縁な感じの爽やかな空が広がりました。
眺めていると気分がすっきり。しかしこんな空もそろそろ見納めでしょうか。
ハラビロカマキリの幼虫
近づく雨の季節のその先には、灼けつく陽射しが降り注ぐ日々が訪れます。
草むらでは、その日に向けた幼い命の誕生が依然続いています。
ギシギシに止まっていたのは、ハラビロカマキリの幼虫。
お尻をくいっと曲げたこの姿は、幼虫時代に見せる独特のポーズ。
今年も例年通り急角度でした。
ナナフシモドキ
ハラビロカマキリの幼虫は、極めて威勢のいい姿。
一方、ナナフシモドキは相変わらずの脱力ポーズで草むらを徘徊中でした。
とは言え、体はかなり大きくなりましたので、真夏への準備は万全か・・
クロイトトンボの目
水辺では夏の主役・トンボたちの賑わいが、いよいよ本格的になって来ました。
大きいのもいますが、小さくて細いのも・・これはクロイトトンボの上半身。
ぎらっと輝く青い点を持つ目が、ちょっと不気味な雰囲気を漂わせていました。
この先も、様々なトンボが持つ個性に迫って行きたい気持ちに・・

※6/2に都内で撮影

力関係2015/06/03 20:31

力関係
クヌギの幹から沁み出す樹液に集まる昆虫たちに注目しました。
樹液スポットがごく限られているだけに、種々が入り乱れて、かなり騒々しい。
中でもデカイ体と派手な色で、圧倒的な存在感を見せるのがオオスズメバチ。
ハナムグリ族を押しのける感じで頭を突っ込んでいました。でも席を譲る気配なし。
流石の猛者も、硬い殻を纏った奴にはお手上げって言う事で、仲良しこよしの図。
樹液スポットにて
一方、蝶の場合は、デカイ奴が断然優勢の図式が成り立っている様です。
最良の樹液スポットを遠巻きに眺めているのはサトキマダラヒカゲ。
何とかそこに近づこうとしますが、上方アカボシゴマダラが翅を広げて追い払います。
限られた樹液スポットを巡っての争奪戦。微妙な力関係が交錯している様です。
モンシロチョウ
力関係とは無縁。のんびり食事を楽しめるのが、花の蜜を求める昆虫でしょうか。
雨の止み間をついてタンポポにやって来ていたのは、モンシロチョウ。
いがみ合う相手がいないから、姿形もこんなに優しく・・そんな風に思えるのですが。

※6/3(モンシロチョウ)と6/2(樹液)に都内で撮影

夏の子続々2015/06/04 21:12

夏の子続々
梅雨入り確定と思った昨日の空から一転、雨の気配一切なしの晴天が広がりました。
気象庁の判断の的確さに脱帽です。
さて、自然観察に好適なこの空、いつまで続くことやら。
青空をバックに
その青空をバックにして浮かび上がったシルエット。
ここに来て、様々な場所で見かける様になった見覚えのある形です。
ハラビロカマキリ幼虫
正体はこれ。くいっと曲げたお尻が特徴のハラビロカマキリ幼虫です。
樹木の枝などに数多く産み付けられた卵鞘から、いま続々と誕生している模様。
強い陽射しを受け、葉っぱに落ちた影がくっきり。
正に、暑さに強い夏の子が、満を持して誕生したって言う感じです。
アメンボウ
強い陽射しの日には、どうしてもドライな雰囲気のシーンが多くなりますが・・
陽射しを避けられる場所では、こんなウエットな光景を目にする事も出来ます。
水面に浮かぶ渦巻きクリエーター・アメンボウ。
ハラビロカマキリ幼虫とはかなり雰囲気が異なりますが、これも又、夏の子です。

※6/4に都内で撮影

いま水辺では・・2015/06/05 20:25

いま水辺では・・
梅雨入り間近の水辺では、トンボ達の繁殖行動を多く目にする様になって来ました。
これは枯れた水草に止まるクロイトトンボのカップル。
上方オスと下方メスがハート形につながり、今まさに受精を行っているところです。
クロイトトンボの産卵
この後、メスが水面に漂う水草等にお尻を付けて受精卵を産み落とします。
この間、オスはメスの首根っこをがっしり掴まえて、メスに付き添い続けます。
その理由は、周囲にこのカップルの繁殖行動を邪魔しようとする同種オスが多数。
そうはさせまいとするオスの必死の行動です。
クロイトトンボのオス
カップルの邪魔をしていたオスのひとつがこれ。
イトトンボ特有の繊細な体つきではあるけれど、目つきはこの通り鋭い。
意地悪してるこのオスにも、良き伴侶との出会いが早く訪れればいいのですが・・
でも見渡すところ、メスよりオスの数が多そうなので、厳しいのかもねぇ・・
クロスジギンヤンマの産卵
近くでは、クロスジギンヤンマの産卵シーンも目にしました。
こちらはオスの付き添いはなく、メスだけの単独行動。
メスとは言え、これだけ逞しいと、例え邪魔が入っても何するものぞなのかも・・

※本日撮影の画像ではありません(6/4に都内で撮影)