サクラが咲く頃に・・2013/03/24 20:24

サクラが咲く頃に・・
花見にとっては生憎の空模様の週末になってしまいました。
午後には陽射しが少し戻ったものの、すっきりとした青空が広がる迄には至らず。
花曇りと言えば情趣があるけれど、花の色が冴えるのはやはり青空の下だなぁと・・
カラスノエンドウの花
サクラが咲く頃は、草原に春の活気がみなぎり始める時期でもあります。
定番とも言える野の花が、空気の温みを感じて次々に花開きます。
ここに来て急に数を増やしているのが、カラスノエンドウの花。
小さい花ですが、接近して観察すると中々優雅な形をしています。
カラスノエンドウとアリ
この花は、ある種の昆虫を夢中にさせる存在です。
その昆虫とはアリ。茎の上を行ったり来たり、忙しく動き回る姿を良く目にします。
そして決まりきった様に、たどり着くのがこの部分。
黒っぽい穴の部分をじーっと覗き込んでいます。
カラスノエンドウとアリ
次にとる行動は、この様に穴に顔を突っ込むこと。
カラスノエンドウとアリ
別の穴でもやっていました。
おおよそ察しはつきますが、これはアリの食事風景。
黒っぽい部分は、この草がアリの為に特別に用意した花外蜜腺と呼ばれる器官です。
ここからアリの好物である蜜を沁みださせてプレゼントしている訳。
カラスノエンドウの花外蜜腺
蜜をふるまう目的は、この草にとって好ましからざる虫が取り付くのを防ぐ事。
攻撃性のあるアリに、用心棒的な役割を果たさせようと言う算段です。
花そのものではなく、目立たない付け根付近にこの蜜腺を設けた事に策略あり。
いわばアリだけが知りうる秘密のポイントと言う訳ですね。
物言わぬ草ですが、かなりの知恵もんだなぁと感心します。

※3/24に都内で撮影