もっと可哀想なのは・・ ― 2015/07/01 20:15
この先暫くの間、気象情報には曇りマークや傘マークが並んでいます。
今日も典型的な梅雨空。重い雨雲に覆われたモノクロの世界がひろがりました。 緩急をつけて降り続く雨。カメラを持って出かける気にもなれず、自宅待機に・・
所で、ベランダのあのミカンの木はどうなったかなと思い、覗いて見たらこの通り。
先日来この木に居候中のクロアゲハ幼虫。食害中の葉っぱの上でひっそり。
ばりばり食べて、お腹がくちくなったので、一休みって言う感じでした。
(お断り:この幼虫については6/28の記事でナミアゲハ幼虫と記述しました。
当該記事も既にクロアゲハ幼虫に訂正済みです) 別の葉っぱにはナミアゲハの若齢幼虫が止まっていました。
クロアゲハ幼虫の食欲は猛烈。この幼虫の為に残された葉の数は実に心細い限り。
この木で、成蝶に変身するのは、おそらく絶望的と思われます。
可哀想だけど、もっと可哀想なのは、我が所用物・ミカンの木だよなぁ・・
※7/1に都内で撮影
この輩には・・ ― 2015/07/02 20:55
例えばこれ。ブーンと来てチュッとやる吸血鬼ヒトスジシマカ(ヤブカ)です。
気温や湿度が上昇する今の時期になると、決まって姿を現します。
所でこの一匹、ぱんぱんに膨らんだ赤いお腹の内容物は貴重なる私の血液です。
吸いすぎて身動きがとれなくなった様で、草の葉にぶら下がり静止していました。
これを肥えさせてどうする?。少なくとも、この輩には献血したくないなぁと・・ 出会って嬉しいと言うか、面白いのがこれ。奇妙な形のベッコウハゴロモ幼虫です。
脚が生えてなければ、”これは金魚だよ” って言っても通じそうな形。
お尻のモジャモジャは、葉っぱから落ちた時の落下傘の役目を果たしそう。
さて、これがどう言う姿に変身するかと言うと・・ 全然似てませんが、こうなります・・今期初遭遇の成虫です。
少しは昆虫らしくなりましたが、それでもなんか変。
蛾の様にも見えるけど、分類的にはセミの遠い親戚です。
クズの茎などに止まって、中の汁を吸い出す姿をこの先多く目にする様になります。
※7/2に都内で撮影
小さな大食漢現る ― 2015/07/03 21:22
人の背丈を軽く超して、夏空に突きあがる光景を目にするのも間近。
そんな水辺の草の葉にちょこんと止まっていたのは、コバネイナゴの幼虫でした。
少し前迄は岸辺の草地に生息していましたが、いよいよメインディッシュの場へ・・ 止まっていたのはイネ科のヨシの葉。この様に葉っぱの端から食い進みます。
まだ身体が小さいので、食い跡は極めて控えめですが、これも今のうちだけ。
夏の陽が降り注ぐ頃には、盛大に食い荒らされた葉を多く目にする様になります。
水辺に多いイネ科の植物にとっては、たまらんなぁの季節がいよいよスタートです。 こちらはマメ科やブドウ等の葉っぱを食い荒らすマメコガネ。
北米に渡り、農作物を食い荒らして、ジャパニーズ・ビートルと怖れられた存在です。
この日はヤブガラシの葉で食事中でした。
特徴的なのはその食い跡。葉っぱの端からではなく穴をあける感じで食い進みます。
この先こんな食い跡を見つけたら、こいつの仕業だなと思ってまず間違いなし。
とにかく大量に発生して、様々な植物に被害を及ぼす小さな大食漢です。
※本日撮影の画像ではありません(7/2に都内で撮影)
気が抜けない存在 ― 2015/07/04 19:46
そんな微笑ましい光景にも見えるのですが・・
それは、人の情緒に基づく極めて浅い見方に過ぎません。
何故かと言うと・・ これは水辺の草で見た、アリの素性を明らかにする情景です。
大きなシロテンハナムグリに、小さなアリの集団が群がっていました。
これだけ騒々しいのにハナムグリは微動だにせず。
もしかすると、身体が衰弱している個体なのかも知れません。
アリ達にとって、身体の弱った昆虫は絶好の食材ターゲット。
これは行けると判断し、仲間を呼び寄せて攻撃開始となった様に思えました。 ナナホシテントウの近くにいたアリも、目標物の周囲を巡り接近してじーっと凝視。
これは行けそうかなぁ?と慎重に品定めをしている様に見えました。
多くの昆虫にとって、警戒対象はカマキリやトンボ等の大形肉食昆虫である事は明白。
しかし身体が小さいからと言っても、決して気が抜けない存在がアリと言えそうです。
何しろ数が多いし、ひとたび、その集団パワーで襲い掛かられれば・・
※7/4に都内で撮影
雨への対応は? ― 2015/07/05 21:19
但し長く降り続けるのではなく、雨を降らす重い雲が断続的に広がるパターンでした。
とぼとぼ歩きの自然観察にとって、梅雨はやはり嬉しくない時期だなぁと・・
さて、昆虫達の雨への対応はどの様になっているのかなと探って見たら・・ 縄張り意識の強いショウジョウトンボは、雨の中でも自分流のスタイルを崩しません。
自らの領域に侵入するものがあれば、直ちに飛び上がって追い払おうと言う態勢。
とは言え、こんな日に活動するトンボなど殆どいないのが現実。
そろそろ雨を避けられる所に避難した方がいい様に思えたのですが・・ コバネイナゴ幼虫は、雨などお構いなし。葉っぱをガリガリかじる食事に専念中。
雨の恵みを受け、ヨシやガマ等の水辺の草が、旺盛な繁り具合を見せています。
正に美味しいもの食べ放題。沢山食べて早く大きくならなくちゃって言う事らしい。 ナミアゲハは、飛び回る事は断念し、細枝に止まり翅休め中でした。
雨粒を沢山受けそうな大きな翅ですが、鱗粉に覆われているので問題なしなのかも。 同じ画像を部分拡大してみるとこの通り。注目点は画像右側の複眼です。
大きな水滴が、複眼の表面に留まってしまっています。
他人事ながら鬱陶しいんじゃないかなと・・しかし、全然気にする様子はなし。
そのうち落ちるさって、のんびり構えているのかも。やはり大物は違うなぁと・・
※7/5に都内で撮影