ウトウトしていたら・・ ― 2020/01/01 00:37
様変わりした野で・・ ― 2020/01/02 19:24
カラカラに乾いた黄褐色が、視界を埋め尽くしていました。 岸辺の草地に繁茂する野草も大きく様変わり。
白いセイタカアワダチソウの穂先も、褐色を帯びた色合いに変化していました。
終末期を思わせるそんな穂先ですが、一部の昆虫には人気抜群の様子。
特にハエの仲間が、この時期の枯れかかった穂先を好むみたい。
縞模様の眼を持つこれは、花の蜜にぞっこんのツマグロキンバエです。
穂先にしがみついて、採食動作を繰り返していました。
”この時期の穂先が特においしいのよ” って言う事でしょうか。 既に産卵主の姿はありませんが、それそれが工夫を凝らした産物を頻繁に目にします。
それは、各種カマキリが産み落とした卵のう。
これは、低木・ユキヤナギの小枝に産み付けられたオオカマキリの卵のう。
この卵のうを目にして感心したのは、念には念を入れた産み付け方でした。
複数の枝にまたがる形で固定されていました。これなら風が吹こうが雪が降ろうが・・
こんなに強靭な固定方法なら、中に眠る幼体も安心して長い冬を越せそうです。
ちなみにごく普通の産み付け方の一例を下に示します。 これは去年の12/28に、同じユキヤナギの木で目にしたオオカマキリの卵のうです。
単純に縦方向に走る小枝一本に固定されていました。
これに比べると、今日目にしたあの卵のうは・・驚異的な念のいれようだなぁと・・
何はともあれ、念入りタイプも、単調タイプも、揃って無事冬を越す事を願うばかり。
※1/2に都内で撮影(最下段は、12/28に撮影し同日記事に掲載した画像の引用です)
適度に頑張って!・・ ― 2020/01/03 20:12
それと対照的に存在感を発揮していたのが、澄み切った冬空に浮かぶ昼の月でした。
好天であけた新年を象徴する風景に、しばし見とれてしまいました。 目を地上に戻すと、花壇の花のこんな表情が・・
口を大きく開き、目を吊り上げて、相当に怒っている感じ。
正月早々、こんな不機嫌なやつらには出会いたくないもんだなぁと・・
怒っている訳は、寒い中頑張って咲いてるのに蜜を求める昆虫がさっぱりな事かも・・ 居ることは居るんです。冬の間も、蜜を求め続ける昆虫は・・
でも、いかんせん、寒さが身にこたえて、時々日向ぼっこでヌクヌクしないと・・
そんな様子を見せていたのは、常緑樹の葉上で休憩中のツマグロキンバエでした。
蜜を吸わせてあげるから花粉を沢山運んでね・・そんな要望に応えきれない様子。
寒さに強い昆虫ですが、一段を強まった寒気のせいで、体が思う様に動かないらしい。
傍観者としては、まぁ無理をせず、適度に頑張ってねと声をかけるしかないですね。
※1/3に都内で撮影
残り少な・・ ― 2020/01/04 20:07
上空を通過するジェットライナーの数がいつもより多い様に感じられます。
で、こんな風景も・・別の機が描いた真新しい飛行機雲をクロスするジェット。
これもまた正月休み終盤ならではの寸景と言えるでしょうか。 世間は正月休み明けに向けて、徐々に活動を再開中。
しかし、真冬を迎えた自然界は、より深い冬の眠りに入った様です。
そんな中、最後の力をふりしぼって存命中だったのが、このジョロウグモ。
以前から注目してきた個体ですが、今日も僅かながら動く様子を確認出来ました。
しかし、自慢の網の壊れ具合から見ても、残された時間はほんの僅かと思われます。
昆虫の敵として、好感度はイマイチだけど、やはりこんな姿を目にするのは悲しい。 いっぽう、多くの昆虫は、既に冬越し態勢への移行完了済みです。
これは、ハコネウツギの枝に産み付けられたオオカマキリの卵のう。
太枝と細枝の分岐点にしっかりくくりつける様に産み落とされていました。
母虫の知恵の結晶とも思える見事さですが、私にとってはやや不安な点も・・
カマキリの卵のうは、冬に活発な動きを見せる小鳥たちの格好の獲物となります。
シジュウカラ等がくちばしでほじくっている光景を、今まで何度も目にしています。 この太枝は、その捕食行動に絶好のロケーションじゃないかと・・
そうならずに無事春を迎える。昆虫ファンとしてはそう願う所ですが、果たして・・
※1/4に都内で撮影
母虫の知恵のこもった・・ ― 2020/01/05 21:14
そんな今の主な観察対象は、昆虫が次世代に生をつなぐ為に残した卵の所在確認です。
中でもカマキリ達の卵のうは、発見の容易さから言うとかなり高ランクに位置します。
例えばこれ。画像ほぼ中央・太い枝に産み付けられていたハラビロカマキリの卵のう。
樹上性のカマキリなので、産卵はこの様に、樹木の枝や幹に行われる事が殆どです。
この撮影アングルから見ても、かなり高所に産み付けられている事が判ります。 ズーミングして、確認してみるとこの通り。
枝にしっかりくくりつけられた、見事に整った形の卵のうでした。
外敵の攻撃を避ける意味からも、出来るだけ高所に・・
樹上性カマキリならではの、工夫のこもった産物なんですね。
因みに、樹上で産卵場所探しをする母虫の姿はどうだったかを下に参考掲示します。 これは、2017/10/9に撮影した、産卵間近のハラビロカマキリ・メス。
パンパンに膨らんだお腹を持て余す様な感じで、高枝を移動していました。
このボリューム感から察して、産み落とした卵のうは一つだけには留まらなかった筈。
並大抵のバイタリティではないですね。 母虫の知恵が盛り込まれた卵のうの中で、長い冬の眠りに入った幼体。
それらが、どんな姿でデビューするのかを、これも過去画像の引用で掲示します。
くいっと反り返ったお腹を持つハラビロカマキリの若齢幼虫。2018/6/3の撮影です。
当初は樹下の草地を住処としますが、成長につれて母虫同様樹上に居を移します。
種としての生活様態は、母虫からしっかりと継承されます。
※樹上の卵のうは1/5に撮影。他の参照画像の日付は解説文中に示した通りです。