枯れ色の中で ― 2013/01/06 20:20
生き生きとした緑が復活する迄には、長い時間が必要な様に思えます。
今はこの風情を楽しんでしまうのがいいみたい。とは言えやはり寂しい。 そんな褐色の世界の中にも、ほっと一息つける物が潜んでいるから自然は奥深い。
真っ赤に色づいたクコの実。
周囲の色とはかけ離れた鮮やかさで目に飛び込んで来ました。 枯れ景色の中でも、生き物の息吹を感じる事が出来ます。
常連とも言える存在がこのオオジュリン。枯れ色に見事に紛れる色合いが印象的です。
今日も、少数が群れを作り鳴き交わしながら、枯れ草の繁みの中で活動していました。
目的は枯れ茎の中に潜む小昆虫などの捕獲。
茎がからからに乾いた今がチャンスと言う事の様です。
※1/6に都内で撮影
陽射しはあれど・・ ― 2013/01/07 19:39
見るからに寒々しい光景ですが、日中に限れば寒さがやや緩んだ感じでした。 こんな日はきっと咲いている筈と予測し、地表すれすれに目を落として見ました。
確かに予測通りに花開いていたけれど、今日はここ迄がやっとだったみたい。
全季節対応のタフなタンポポですが、当分の間はこんな中途半端な日々が続きそう。 花の蜜狙いのハナアブにとっても、厳しい日々の連続と思われます。
所在無さげに枯れ草に止まっていたのは、フタホシヒラタアブ(推定)。
陽射しの明るさに誘われて動き出したのはいいけれど、目指す花はさっぱり。
やむをえず日光浴に切り替えとなった様です。 一方忙しそうに活動していたのはアオジ。数羽の群れを確認出来ました。
背丈の低い草が生える場所で、黙々と草の種子を漁っていました。
とても警戒心の強い小鳥です。うかつに近づくと背後の繁みに逃げ込んでしまいます。
この表情を見ても完全にカメラに気づいていますね。この後逃げられてしまいました。
※1/7に都内で撮影
冬枯れの野に咲く ― 2013/01/08 21:22
独特の香りを漂わせて、ぽつぽつと開き始めました。
冬枯れの野に戻って来た久しぶりの彩り。ほっとする眺めでした。 完全に花開く前の姿もチャーミング。
枝には丸い蕾もびっしりでしたので、この先当分の間は花盛りを楽しめそうです。 蕾や花は可愛らしいけど、枝から吊り下がる実の方はと言うと・・
”イメージのギャップあり過ぎじゃん” って言う感じです。
おまけにこの実の中に潜む種子はカリカンチンと言う猛毒成分を含んでいるらしい。
”可愛らしさと恐ろしさ” かなり複雑なキャラクターを持った木なんですね。 一方実がチャーミングなのはマユミ。
花と見まごう程の鮮やかな色合いで目を惹きます。
殻がぱちんと割れて、種子を地上に落とす準備完了と言う段階でした。
※1/8に都内で撮影
嬉しい出会いも・・ ― 2013/01/09 20:21
でもこの木、丸裸とは言え、所々に僅かな葉が残っている様にも見えるのですが・・
実はこれは枝に止まるツグミ。かなりの数がまとまって集団行動をしています。
時折たてる鋭い鳴き声が、空気の冷たさを一層強調している様に感じられました。 野鳥以外の自然は深い冬の眠りの中。そう決めつめるのは早計です。
目を凝らしてみれば、嬉しい発見もあります。
今日見つけたのはこれ。地面すれすれにぽつんと咲いていたオオイヌノフグリ。
寒さに負けず、一生懸命ここ迄開きましたって言う感じがして、何とも愛おしい。
まだだいぶ先の事でしょうが、薄紫に染まる早春の野の花景色が目に浮かびました。 流石に今の時期、手応えのある昆虫に出会うのは無理だろうなと思ったのですが・・
意外な出会いは落ち葉が降り積もる場所で起こりました。
出会ったのは手応え十分な大きさのハチ・キンケハラナガツチバチでした。
でも動きは全然ハチらしくない。羽音をぶんぶんたてながら葉の上を移動するだけ。 移動の動きもぎこちなく、こんな風にでんぐり返しになってしまう事も度々でした。
このハチは、雌に限って越冬も可能な種とされています。
陽射しに誘われて這い出して来たけれど、全然調子が出ないよと言う事かも・・ 暫くうろうろしていましたが、最後は落ち葉の陰に姿を隠してしまいました。
カメラマンとしては深追いは慎みました。
もう少し陽気が良くなれば、元気よく飛び上がる姿に再会出来るかも知れません。
楽しみはその日迄お預けとしました。
※1/9に都内で撮影
とぼとぼ歩きで見つけた ― 2013/01/10 21:43
羽根を開ききって風に漂う感じのゆったりした飛び方をしていました。
地上に潜む獲物をじっくり探索する為の必然的な動作と思われます。 空を飛べないこちらは、只とぼとぼと歩くのみ。
タカに比べ効率的にはだいぶ落ちますが、良く目を凝らせばそれなりの収穫も・・ 割と簡単に見つけられるのがこれ。カマキリの卵のうです。
私の観察地で最も多く目にするのが、ハラビロカマキリのそれ。
樹上性のカマキリなので、産卵する場所はやはり木の上の場合が殆どです。
安定した場所にしっかりと産みつけられています。
これなら中に眠る幼い命も、安心してやがて来る春を迎える事が出来そう。 木の枝から吊り下がっていたこの不思議な物体は?。
実はこれも昆虫の冬越し形態のひとつ・ミノムシです。
枯葉や枝を集めて作ったバリアの中に眠っているのはオオミノガ(蛾)の幼虫です。
子供の頃には良く見かけたのですが、外来の天敵の出現で今や絶滅に近いのだとか。
久しぶりに出会ったこれは超大形。なんだか嬉しくなってしまいました。 寒い時には暖かい物にくるまるのが一番。
落ち葉が降り積もった場所で見つけたこれはまさにその事を実践中でした。
ふかふかの綿の塊に潜んでいるのはクモの幼い命。
お尻から出す糸は、獲物を殺傷する為の網張り専用じゃない。
幼い命を守る為の暖かい布団作りにも活用されていたんですね。 とぼとぼ歩きで見つかるものは、みんな冬の眠りの中。
ちょっと退屈感をおぼえていたら、見つかりました!動くもの・・
早咲きのナノハナにいたフタホシヒラタアブ。
ただし吸蜜の動作ものろのろで、まだ本調子ではない様子。
数少ない花を求めての苦労の日々が続いている様です。
※1/10に都内で撮影