区切りがついた2018/04/01 21:27

区切りがついた
サクラの花びらが、水面に沢山浮かんでいました。
あっけなく過ぎ去ってしまった今年の花見頃を象徴している様にも・・
この風景の注目点はもうひとつ。
上方、枯れ色の水草(ヨシ)に混じって、所々に新鮮な緑色が顔を覗かせていました。
季節の進展の確かな手応え。この先枯れ色と緑色の逆転現象が急速に進みそう。
やはり、サクラの開花は、季節に区切りをつける明確な指標だったんですね。
キリギリスの幼虫
昆虫の世界にも、はっきりと区切りがついた感じ。
それを感じたのがこの光景。タンポポの花を食するキリギリス幼虫です。
同属のヤブキリが一足先に誕生していましたが、それを追って本家がいよいよ・・
ピンピン飛び跳ねる昆虫は草むらを元気づける存在。
この先、その種類も増えて、ますます賑やかになって行きそうです。
※付記:キリギリスとヤブキリの区別は、体側面に黒っぽい線があるかどうかです。
キリギリスにはそれがあります。
モモブトカミキリモドキ
今の時期に誕生する昆虫にとって、タンポポの花は食欲を満たす有難い存在です。
今日は、こんな渋めな昆虫もやって来ていました。
一見するとカミキリムシに見えますが、偽物のモモブトカミキリモドキ成虫でした。
何だか怖そうな印象ですが、この種が食べるのは、野に咲く花オンリー。
一部のカミキリムシの様に、樹木を枯らす様な悪事は働かないそうです。
見栄え的にコワモテなのは、敵に襲われない為?・・

※4/1に都内で撮影

どなたの落し物?2018/04/02 21:05

どなたの落し物?
サクラの花とともに、後戻りしない本当の春がやって来た様です。
穏やかな陽射しのもと、草むらにもそんなほんわかムードが漂い始めました。
春は恋の季節と言う事で、こんなシーンも・・
そんな危なっかしい場所でなくてもと思いますが、愛があればって言う事ですね。
(ナナホシテントウの交尾)
複眼清掃中のヒラタアブ
ヒラタアブは春の花での吸蜜に大忙し。その合間をみてはこんな姿勢で一休み。
注目点は前脚の動作。大きな複眼をスリスリしていました。
花に潜り込んでの吸蜜なので、複眼に花粉が付いて視界が悪くなる事が度々。
で、この様に、前脚をワイパーにして掃除する必要があるって言うわけ。
面倒だけど、蜜探しに苦労していた時期の事を思えば、何でもないや・・
草むらに落ちていた羽根
同じ草むらで、こんな落し物を見つけました。
どなたの落し物かは判りませんが、繊細な美しさに、早速指で摘んで一枚!。
野鳥も厚着の冬姿から身軽な夏姿に衣替えを始めた様で、これはその結果らしい。
この手の落し物探しも、この先の草むら散歩での楽しみとなりそうです。

※4/2に都内で撮影

すっくと・・2018/04/03 20:41

すっくと・・
優しく降り注ぐ春の陽射しは、野草達にとって何よりの恵みとなっている様です。
今の時期の草むらでは、すっくと立ち上がった元気者の姿を目にする事が出来ます。
そんな中でも最も馴染みのあるものと言えばこれでしょうか。
スギナの胞子茎ツクシ・俗称・ツクシンボ。
思い切り背伸びしたこの坊やの姿を目にすると、後戻りしない春到来を実感します。
ヤセウツボ
ツクシンボには先を越されましたが、ヤセウツボも背高な姿への変身を加速中。
春の野の優しい雰囲気にはやや不似合いな骨太の姿が目を惹きます。
しかしこの野草、素性からみると、相当問題あり。
因みにこの画像でも、若緑色のシロツメクサの葉の間から立ち上がっていますね。
それは当然の事。こいつは、シロツメクサからの栄養分に頼る寄生植物なんだとか。
当然の事ですが、寄生されたシロツメクサ(牧草)の生長を阻害してしまうらしい。
扱い的にも、要注意外来生物となっているそうです。
悪事を働く奴は、外見からしても、かなり異様って言う事なんでしょうね。
やはり春の野の雰囲気には不似合いだなぁ・・こいつ。

※4/3と4/1に都内で撮影

あっけなくばかりでは・・2018/04/04 20:02

あっけなくばかりでは・・
ソメイヨシノの花は殆ど散ってしまいましたが、サクラの花見頃は依然継続中です。
いま真っ盛りになって目を惹くのが、薄紅色のヤエザクラ。
ぼてっとした重い感じの花で軽快感に欠けますが、風への耐性はかなり強いみたい。
今日吹きつけた強い南風にもびくともしない感じで、枝にとどまっていました。
あっけなく散るのがサクラの花の個性と言う定義は、全ての種に共通ではない様です。
ヘラオオバコの花ゆらゆら
春の風は優しくソヨソヨって言うイメージですが、今日の例を見るとそうかなぁと・・
強風に様々な植物の花粉が巻き上げられた様で、うっすら濁った青空が広がりました。
背丈を伸ばしたヘラオオバコの花も、そんな風を受けて激しくユラユラ。
春の風の特性をしっかり把握済みって言う感じの柔軟さを見せていました。
四季折々の旬の花は、自分の季節の特性をしっかり理解しているんですね。

※4/4に都内で撮影

こっちの方が美味しいよ2018/04/05 20:44

こっちの方が美味しいよ
春は一斉に花開く。それを物語る様に公園の花壇の花も次々と見頃を迎えています。
スイセンもその一つ。ぱーっと明るい黄色が曇り空の下でも存在感十分でした。
でも、それぞれの花を仔細に観察して見ると、こんな光景がそこここに・・
花びらに止まるヤブキリ幼虫です。この花には3匹が止まっていました。
私同様、花の美しさに見惚れて・・って言う訳では、当然の事ながらなくて・・
ヤブキリ幼虫、花びらを食う
悪事を働くのがここにいる目的。その犯行現場を押さえたショットがこれ。
花びらの端っこから猛烈な勢いでムシャムシャ食べ進んでいました。
普段は草むらで食事してるけど、こっちの方が断然おいしいんだよって言う事らしい。
まだ食べられていないスイセン
こちらは、まだ食い荒らされていない完全無欠な一輪。
しかし、食いしん坊たちの目に止まるのも、もはや時間の問題かも知れません。
花壇の花の美しさを愛でるなら、出来るだけ早い内にって言う事かも・・

※4/5に都内で撮影