冬の雨を受け・・2018/12/06 21:40

冬の雨を受け・・
冬のしとしと雨を受け、サクラに根付いたコケが鮮やかな若緑色に染まっていました。
コケ類に共通するのは、夏は苦手で、冬に強い性質とか。
サクラは葉を散らし尽くして冬の眠りに・・その木に寄生するコケは逆に活気づく。
自然の多様性を実感させられる光景と感じました。
サクラの木の太枝で・・
そんなサクラの木の太枝で、ふと目に止まったのがこれ。
目にした瞬間は、木肌が部分的にはがれたキズの様にも思えたのですが・・
何となく違和感をおぼえて・・
フユエダシャクの一種(推定)
枝の真下に回って確認したらこの通り。ひっそり翅休め中の蛾でした。
真冬にも活動をやめないフユエダシャクの仲間でしょうか。
枝の下面は雨の直撃を避けられる格好の場所、雪が降ってもたぶん大丈夫。
再び陽射しが戻ったら、たぶん枝の上面に移動するんでしょうね。
冬の厳しい気象に耐えて生きる昆虫には、そんな臨機応変さが求められる様です。

※12/6に都内で撮影

桜並木のもろもろ2018/12/07 21:53

桜並木のもろもろ
葉を散らし尽くした木が増えて、すっかり寂しくなった桜並木。
そこで目にした、ちょっと嬉しい光景がこれ。
画像ほぼ中央、小枝で翅休めするアキアカネの目撃でした。
ここ数日は目撃機会ゼロ。既に絶滅したかと思っていただけに、ほっと一息。
ヨコヅナサシガメの幼虫
アキアカネとの遭遇は、空を見上げた時、偶然そこにいたと言う感じでした。
今の時期、昆虫との確実な出会いを期待するなら、枝よりも幹に注目する方が効率的。
樹上での越冬生活に入った個体に出会う可能性が大きくなります。
これはその一例。太幹の上をゆっくり歩いていたヨコヅナサシガメの幼虫です。
黒光りする体色が何とも不気味ですが、事実こいつは油断できない相手。
うっかり触れようものなら、ぐさっと刺される危険性が大。痛さは相当な物らしい。
木肌のゴツゴツに紛れて見分け難いのですが、集団で越冬中なので、要注意!。
幹の穴からニョキっと・・
幹に開いた大きな穴で目にしたこれは一体なに?・・
穴からニョキっと突き出た細長い物体に、興味を抱いて一枚!。
触覚らしきもの、動いた!
ぶらんと突き出ているのでなく、この様な動きを見せていました。
興味を惹かれる物体でしたが、指を突っ込んで確認する勇気は無し。
と言う事で、今日は、この2枚を撮影するところ迄。
さて穴の中に何が潜んでいるのやら?。とんでもない物でなければいいけれど・・

※ヨコヅナサシガメは12/5に、その他は12/7に、いずれも都内で撮影

終わりの時が・・2018/12/08 20:32

終わりの時が・・
地味目な色に紅葉したエノキの葉。その一枚にふと違和感を感じました。
周囲の黄褐色とは明らかに違う薄緑色。僅かに動いたので接近してみたら・・
ワカバグモ
前脚を大きく拡げて獲物を待ち受けるワカバグモでした。
名前の通り、若葉の頃には有効な擬態色ですが、今やその効果は殆どゼロに近い。
でも、こうして待っていれば、その内うっかり屋の昆虫が目の前に・・
しかし、一気に下がった気温のせいもあり、私が見る限り昆虫の活動は、ばったり。
今日のところは、このスタンバイ態勢も徒労に終わりそうな気配が・・
ジョロウグモのメス
こちらは、ドウダンツツジの植え込みで目にしたジョロウグモのメス。
ボロボロに壊れた網にしがみつく様な感じで、止まっていました。
長い間、昆虫にとって脅威の存在であったこの蜘蛛にも終わりの時が刻一刻と・・
背景の鮮やかな紅葉が枯れて散る時よりも前に、その日がやって来そうな気配が・・

※12/8(ワカバグモ)と12/7(ジョロウグモ)に都内で撮影

季節感が一致した2018/12/09 20:35

季節感が一致した
昨日迄と同じ服装で出かけたのですが、失敗したなぁと強く感じた一日でした。
空気がぴーんと張り詰めて、体の芯からの冷え込みを感じました。
枝むき出しの冬姿の木も増えて来た今、目と肌で感じる季節感がやっと一致した感じ。
アブの日向ぼっこ
冬の間も花の蜜を求めて活動するアブの仲間も、今日は日光浴優先モードに・・
陽当たりのいい場所で翅休めする姿を多く目にしました。
(ヒラタアブの仲間と推定)
木の幹の窪み穴に・・
木の幹に空いた洞窟状の窪み穴。冬の陽射しが長く当たり続ける方角にぽっかり。
これは、毎年冬になると必ず立ち寄る、私にとっての定例観察ポイントです。
”さて、今年は?” と言う事で覗いてみたらこの通り。
確認出来ました!真新しい白い卵塊。
種は断定出来ませんが、クモの仲間が産み付けたものと思われます。
毎年繰り返されるここへの産卵。代々受け継がれてきた場所なんでしょうね。
確かに理想的。いい所に目をつけるもんだなぁと・・

※12/9に都内で撮影

最後の一葉が・・2018/12/10 22:18

最後の一葉が・・
昨日同様、肌を刺す様な強い寒気に見舞われた一日。
空の表情もすっかり真冬のそれに変わっていました。
サクラの枝に一枚だけ
今日はそれ程でもありませんでしたが、強い北風が吹き付ける日も間近な筈。
サクラの細枝に残った最後の一葉を目に出来るのも、これが最後かも知れません。
常緑樹の葉に残るセミの抜け殻
サクラを含め、落葉する木は冬姿への変身を加速中です。
いっぽう常緑樹は?・・この通り、何の変化もなく、季節感はほぼゼロ。
と言う事で、その葉の一枚を羽化場所として選んだセミの抜け殻もその当時のまま。
これはこれで、時の移ろいの虚しさを感じさせる物と言えるのかも知れません。
この殻から誕生した成虫は、とうの昔にその寿命を終えたと言うのにね・・

※12/10に都内で撮影